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佐々木 洋さんのレビュー一覧

投稿者:佐々木 洋

著者コメント

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 緊迫するイラク・北朝鮮情勢を睨みながら訳出した。
 米国の現在の安全保障戦略は「ならず者国家」戦略と特徴づけうる。小型核兵器による先制攻撃を容認した、ブッシュの新「国家安全保障戦略」のキーワードも「ならず者」である。
 それでは、冷戦後の米国安保戦略が、なぜ、「ならず者」諸国の転覆・矯正をはかる勧善懲悪戦略の形をとるのか? また、一切の潜在強国を寄せつけない21世紀宇宙覇権を磐石にしようとする米国安保戦略の正当化根拠を、なぜ「ならず者国家」戦略に求めるのか?
 本書は、かかる疑問に、史的脈絡と豊富な実証をもって答える現時点で最良の書である。
 原著者は、キッシンジャーのデタント外交を論じたデビュー作で注目を浴びた国際政治学者で、クリントン政権期に国家安全保障会議の事務局で核拡散防止などを所管した経歴もある。
 「ならず者」とは低俗なののしり言葉。「ならず者国家」とは、米国に楯突き大量殺戮兵器を弄ぶ第三世界の軍事強国を名指しする政治的な枕詞で、強硬な軍事外交政策に広範な国民を政治動員するのに使用される、国際的には市民権のない米国政治独特のレッテル貼りである。
 軽蔑語による勧善懲悪のレトリックが、外交努力の余地があろうと、大統領の公式演説や政府公文書に何の臆目もなく登場する。
 著者は、「孤立主義の伝統がない議会制の諸国では誇大宣伝もなく、ごく平静に実施される課題でさえ、米国で議会指導者の支持を得るには、最も露骨で、無作法かつ乱暴な言葉で語り掛けなければならない」と述べた冷戦初期のディーン・アチソン国務長官を引いている。
 ソ連亡き後に、米国兵士を勧善懲悪の国際十字軍に動員するのに、「ならず者」のレトリックが極めて重要となる所以も通底していよう。
 リトワクが懸念するのは、ひとたび「ならず者」の烙印を押してしまうと、外交努力や、強硬路線の軌道修正のどんな試みも、激昂した世論の前に「宥和主義」と断罪され、事態の現実的解決の障害を作り出すことである。
 それに、この戦略には、政治的えこひいきが伴うほか、国内措置を一方的に海外に適用する「治外法権的」な衝動と表裏をなすことにも、著者は注意を喚起している。
 読者の米国理解の一助になれば幸いである。
 








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