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先月(2017年6月)

東本貢司さんのレビュー一覧

投稿者:東本貢司

1 件中 1 件~ 1 件を表示

訳者コメント

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 著者、ウェンズリー・クラークソンは前書きで次のように書いている。
「ロナウドについて書くことはさまざまな点で、あるテレビドラマの筋立てをなぞるに等しい。(中略)それは、90年代の、かつて世界のフットボール界にはあり得なかった大商業化時代に深く根を下ろしている」
 本書の底に流れるテーマと特徴はまさにこの言葉に凝縮されている。“ロナウド神話”の実体は、それほどにありきたりでメロドラマティックな“人間ドラマ”と、現代のプロフットボール界がひとえに“カネ”に牛耳られているという事実の合体なのかもしれない。
 はたして、テレビドラマの脚本や実録犯罪ノンフィクション畑で名の知られたクラークソンの視点から生まれる分析には、並みのフットボール評論家ならまず及びもつかない味わい深く、ハッとさせる内容に富んでいる。たとえば、
「彼はドイツ人の堅忍不抜な体格をもつブラジル人なのだ」
「ファンを獲得する確実な条件は、異常な性的カリスマをもつことである」
 その意味で、本書のハイライトのひとつは、“フットボーラー、ロナウド”を誰よりも人間として理解しようとしたバルセロナ時代の師、ボビー・ロブソンの役回りだろう。ロブソンのウィットにあふれた発言の数々は、いつまでも後を引く奇妙な魅力にあふれ、ロナウド物語になくてはならないアクセント。ロナウドの“ダークサイド”を象徴するふたりの辣腕エージェントの言動と比べるといっそう印象深い。また、他の重要な脇役たち、母ソニア、父ネリオ、そしてロナウドの恋心をくすぐったブロンド美女たちの言動も、下世話な好奇心をあおってくれるようで、物悲しくもコミカルなスパイスになっている。
 約1年前に『フーリファン』(廣済堂刊)を訳了したとき「これはまさにB級映画の世界だ」と思ったものだが、今回のそれは「ソープオペラ」、それも、希代のスーパースターをネタにした悲喜劇に相違ないと勝手に納得している。ならば、脚本化してみたらどうなるだろうか。そんな観点で読んでみるのも一興の好著だと思う。

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