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宮島理さんのレビュー一覧

投稿者:宮島理

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本図説ローマ帝国衰亡史

2004/08/23 16:02

あのギボンの名作を読んでみたい人にオススメ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 豊富な写真、図版、資料を独自に加えた、ギボン「ローマ帝国衰亡史」の簡訳版である。定評のある『新版・図説 種の起源』と同様、東京書籍の「図説」翻訳シリーズであり、難解で手ごわい名著を読むのに適している。
 ギボン以前の歴史家は、必ずしも史料に基づいて叙述するという態度を取らなかったという。ギボンはその前例を翻し、「目にし得る限りのあらゆる零細な史料まで博捜し、これを研究し、整理記述し」て、「ローマ帝国衰亡史」を完成させた。新たに豊富な図版を加えた本書は、ギボンの歴史家としての態度を受け継ぎ、発展させている。
 本書に収録されている図版は興味深いものばかりだ。ローマ軍の「縅し(おどし)鎧」の各パーツまでを詳細に描いた復元図、豪壮なカラカラ浴場の復元図、ビキニ姿でスポーツをする少女のモザイク、解剖学の講義風景を描いたフレスコ画、古代ロンドン(ロンディニウム)の復元図……などなど。
 ギボン「ローマ帝国衰亡史」は、ヨーロッパが輝かしい時代を迎えていた18世紀の作品である。ギボンはローマ帝国の盛衰を知りながらも、近代ヨーロッパの行く末には楽観的だった。「ヨーロッパは今もなお、かつてローマの軍事力と諸制度を圧し潰した災禍の再来の危険にさらされているのか、と。恐らくは同じ省察が、かの強大な帝国の没落を説明し、現在のわれわれは安全だと考えられる理由を明らかにするであろう」。
 しかしやがて、どちらかと言えば悲観的な文脈でもローマ帝国衰亡の歴史は注目されるようになってくる。19世紀終盤から20世紀にかけてのヨーロッパがそうであり、ポスト高度成長、バブル崩壊後の日本でも、改めてローマ帝国に注目が集まった。
 ただ、最近では「『衰亡』とは異なる文脈」で、ローマ帝国が扱われるようになってきたようだ。本書の「訳者あとがき」によれば、たとえばネグリ=ハートの『帝国』をめぐる一連の議論のなかで、ローマ帝国にスポットが当てられているという。
(宮島理/フリーライター 2004.08.20)

ギボン著『ローマ帝国衰亡史』

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親北傾向を想起させる閔妃シンドローム

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2年前に発売された『親日派のための弁明』の続編である。前作では日本の朝鮮統治を再評価して、王朝時代の悪政や貧困をも許容する極端な独立至上主義を批判した。今回もその路線は踏襲されている。(本作の発売と同時期に、前作『親日派のための弁明』も文庫化(扶桑社文庫)された) まず、前作で収録できなかった『閔妃事件と韓国人のアイデンティティ』に注目だ。韓国では近年、「明成皇后(閔妃)シンドローム」と呼ばれる王朝時代賛美が盛んになっているという。閔妃は、朝鮮人民を虐げ苦しめたが、「独立」(という名の同族利権擁護)の一点だけは徹底していた。独立至上主義さえ満足させられれば、その内実は問わずに何でもかんでも「抗日」として無条件に賛美する韓国の風潮がよくわかる。
 本論考を一読して、現在の韓国における親北傾向の強まりを想起した。北朝鮮への共感もまた、「金王朝」の内実をあえて無視した独立至上主義が原因だろう。
 さらに、前作での未翻訳部分としてネットでも話題になった「和夫一家殺害事件──敗戦直後の朝鮮の状況」も収録されている。真偽は定かでないが、ショッキングな文章だ。
 この他にも、「三一暴動」の背後に、「独立」を布教活動に利用するキリスト教の影響を見る論考「三一運動の真実」)、いわゆる「従軍慰安婦」をむしろ積極的に評価し、慰安婦制度の確立を提案する論考(「日本軍のヒューマニズム──軍隊慰安婦」)、「反日」を動機として日本の空手道を「テコンド」と改名し、朝鮮の伝統武術テッキョンの座を奪った経緯を明らかにした論考(「テコン空手道?」、本論考ではさらにレスリングのような日本型、韓国型空手道を提唱)などが収録されている。
 なかには、大いに疑問が残る論考(「日鮮同祖?鮮満一体?」)もあるが、前作同様、注目すべき一冊であることは確かだ。
(宮島理/フリーライター 2004.12.05)

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紙の本全身民俗学者

2004/10/19 21:30

「ダイナマイトどん」を読むべし!

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民俗学者の大月隆寛氏が1990〜1997年に書き溜めた文章がまとめられた一冊。
 うれしいのは、「ダイナマイトどん」が収録されていることである。山本作兵衛『筑豊炭鉱絵巻』(書籍として『筑豊炭鉱絵物語』が葦書房から出ている)をベースに、ダイナマイトすなわち「爆発という“近代”をまつわらせた別の過剰なもの」を通して、近代が生み出した「おのれの身体の界域を超えて拡散し律動し始めた自我」を描写している。
 この文章は、『変身する——仮面と異装の精神史』(国立歴史民俗博物館編、平凡社)に収録されていたのだが、品切れで入手が難しくなっている。今回、『全身民俗学者』に再録されたことで、「ダイナマイトどん」が気軽に読めるようになったのはありがたい。
 そのほかにも、80年代大学サークル文化という「内輪」と、それがそのまま成り上がっていった物書き界隈の「事務所」=「部室」ノリなど、「失われゆく民俗」を綴った「『その他おおぜいの素人』の誇りと栄光を、今、正しく取り戻すこと」。
「研究」という名目によって社会的地位に見合った責任を回避し、「だって」「でも」「知ってる」といった物言いを好む同時代の「偏差値エリート」について、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」から読み解いてみせる「『研究』という名の神」。
 戦前、普通選挙の導入と相前後して、「新たな国民主体」「良き選挙民」であることを世に向かってアジテーションした、朝日新聞論説委員としての柳田国男に迫る「ジャーナリスト・柳田國男の志」。
 以上のような、ざっと30を超す文章が収録されている。
 最後にもうひとつオススメを。「素人の誠実、玄人の技術」は、もともと『モノの履歴書』(吉井敏晃著、青弓社)の解説。経験豊富な週刊誌記者の筆に「民俗学的知性」を透視する、読み応えのある文章だ。
(宮島理/フリーライター 2004.10.18)

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