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闇夜の烏さんのレビュー一覧

投稿者:闇夜の烏

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編集者コメント

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 夜空はなぜ暗い? 宇宙に果てがなく星が無数にあるなら、夜空は星の光で輝くことにならないのか? この素朴な謎は、400年前のガリレオの時代から今日まで、それぞれの時代の宇宙論の本質に迫る問題でした。この「オルバースのパラドックス」は物理・天文関係の事典類には必ず取り上げられていますが、これまで日本ではこの話題を系統的に辿った解説書はなく、また、この謎は、いわゆるビッグバン宇宙論によって解決済みの問題として扱われています。しかし、実際にはそれほど単純ではなく、著者によれば「解答への探索の道筋」には「落とし穴、迷宮、怪物」が待ち受け「不注意な天文学者を大勢罠に陥れた」とのことです。この謎に挑んだ天文学者の思考の跡を辿ることは、天文学の歴史、宇宙論の変遷を追うだけでなく、このパズルの意外な奥深さを訪ねることにもつながります。
 本書第一部では、古代世界でこの謎の起源へつながる思考が現れた道筋を辿り、中世においては空間や宇宙に関する考え方を生み出し学問に多大な影響を与えた聖職者たちがおり、さらに、16、17世紀にそれらに刺激された天文学者たちがこの謎を体系化していったことが解説されています。第二部では、17世紀にデカルトやニュートンの体系が起こったことを述べ、この謎を深め、豊かにした科学の物語を紹介し、複数の可能な解答を明らかにします。第三部では、銀河が発見され、現代の宇宙論が出現したことが語られ、この謎に対する正しい解答の一つが、19世紀の作家ポーによって定性的に与えられ、定量的な形では、20世紀初頭のケルヴィン卿によって与えられたことが語られます。
 奇妙なことに、ポーとケルヴィンによる解答はすぐに忘れ去られてしまいます。その後、宇宙の知識が増大し宇宙モデルが多様になり、観測から発見された事柄によって我々は膨張宇宙に住んでいることが明らかになり、ボンディや定常宇宙論を唱える他の天文学者たちがこの謎を復活させます。一時的には、夜空の暗さは、宇宙膨張を証明する驚くべき証拠と思われたこともありました。残念なことに、この巧妙な解答は膨張する定常宇宙モデルにしか適用できず、このモデルは今やビッグバンの残光の発見によって論破されてしまっています。そして、現在の宇宙には、空が星で明るく照らされるほど十分なエネルギーはないことが、本書の著者自身によって明らかにされています。

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