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先月(2017年2月)

永江朗さんのレビュー一覧

投稿者:永江朗

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本コンセント

2000/07/10 02:04

ネットコラムニスト・田口ランディ入魂の処女長編。

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 インターネットが生んだコラムニスト、田口ランディ初の長編小説である。

 テーマは「引きこもり」だ。
 主人公ユキの兄が死体で発見される。引きこもりの末に行方不明となり、限りなく自殺に近い餓死を遂げていたのだ。真夏のアパートでその遺体は腐敗し、猛烈な臭いを放っている。以来、ユキは日常生活のなかでも「死臭」を嗅ぎつけてしまう。

 なぜ人は引きこもるのか。それについて多少の解釈は試みられているけれども、決定的な答えは書かれていない。それはそうだ、そんなことは当人でなければわからないし、当人は死んでしまっているのだから。むしろ、この小説の魅力は、肉親に引きこもられてしまった(ヘンな日本語だけど)人々が、その現実とどう折り合いをつけていくかがリアルに描かれているところにある。

 表題の「コンセント」とは、プラグを入れる、電源のコンセントのことである。プラグさえ差し込まれれば、何にでもエネルギーを放出してしまう。それは相手に過剰に感応してしまうユキを象徴する言葉だ。死臭と兄の幻覚に悩まされた彼女は、心理学者や精神科医、あるいは占い師やシャーマンを訪ねる。

 処女長編にふさわしく、この小説には現代の私たちが抱える問題のすべてが詰め込まれている。いま私たちは誰もがコンセントになりつつある。

 尚、この本は三部作の第一弾とのこと。

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