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高原 英理さんのレビュー一覧

投稿者:高原 英理

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紙の本無垢の力 〈少年〉表象文学論

2003/06/23 11:53

著者コメント

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  少年と美少年は違うぞって言ったのは稲垣足穂が始まりかな。で、そりゃないぜ、って怒ったのが橋本治、ってな話が出たりする。ヤオイの話もあるし、『指輪物語』の映画の主人公が美少年風で感情移入できたとか、嶽本野ばらのこととか長野まゆみ・森茉莉とか。「戦闘美少女」のイメージは大正時代の「美少年」みたいなものだ、とか。
 でも本編のところはこれ、わりと本気な文学評論のつもり。
 稲垣足穂の世界はどうしてあんなに遥かで好ましいのか。三島由紀夫の小説はどうして苦渋と栄光への憧れに満ちているのか。江戸川乱歩はなぜこの世が退屈で怪奇幻想が大好きだったのか。あと、川端康成にとって美少女も美少年も同じ憧れだった、とか、折口信夫の自己愛系少年愛小説とか、山崎俊夫という忘れられた作家の描く古風なのにデカダンで現代に通じる少年たちの死、とか……こんなことを考えてみました。
 前著『少女領域』と対になるもので、最初『少年領域』にしようかと思ったけど、今回はもっと原理的なんだ、ってところを強調してこの題になったです。『美少年文学論』っていう案もあったんだけどさすがに私にも見栄ってものがあって。
 でもひところのおヒョーロンーな現代思想的隠語はなしね。使う用語には意味説明あり。ストーリー紹介あり。どうか読み物として読んでください。
 とにかく「オレはなぁっ!」っていう積極的な感じがヤで、特に最近のアメリカさんの「強いぞ俺様はぁっ!」てのもヤで、どっちかってと「心細くて気弱で、でも可憐でいたい気持ち」が好きな人におすすめしたいです。みなさん清く美しく生きましょう。

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