サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 安原顕さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年6月)

安原顕さんのレビュー一覧

投稿者:安原顕

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本生きた貨幣 新装版

2004/04/10 16:44

自身のデッサン、写真家ピエール・ズッカの写真があしらわれた一種の奇書

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1905年生まれのフランスの作家、思想家、画家クロソウスキーがいつ他界したかは覚えていない。数年前だったような気がする。生存する唯一の巨匠、画家バルチュスは、彼の3歳年下の弟である。クロソウスキーの代表作は小説『ロベルト』3部作(邦題『歓待の掟』[河出書房新社]として刊行されている)、評論『ニーチェと悪循環』(哲学書房)などだが、日本の出版社はなぜか彼が好きで、全著書14冊の内、未訳本は評論『生きた貨幣』(70年)、評論集『ガリバー最後の仕事・サドとフーリエ』(74年)、同『北の博士』(88年)、対談集『感覚のひめやかな力』(94年)の4冊でしかない。その中の一冊『生きた貨幣』がつい最近出た。本書を読む気になったのは、冒頭に、1970年冬、故ミシェル・フーコーが著者に宛てた「礼状」があり、また本文には、クロソウスキー自身のデッサン、写真家ピエール・ズッカの写真(モデルの大半は著者の妻ドゥニーズ。またズッカは1978年、映画『禁じられたロベルト』も撮っている)があしらわれた一種の奇書だったからだ。しかし通読しての感想は、「難解なだけで、ちっとも面白くない」だった。この「難解さ」について訳者は、「原文そのものが、相当特異な語彙と概念構造、それに独特の文体で書かれていることに因るが、その<難解な>文章を<読みやすく>するのは著者を裏切ることになるため、そうはしなかった。その代わり、精緻な<解説>を付した」とあるが、ならば「本文」は不要、同じ出版社の雑誌『ユリイカ』あたりで「解説」を読めばそれで十分、2400円も出して本書を買う必要はなかった、とのイチャモンも言いたくなってくる。まあ、小説にしろ評論にしろ、クロソウスキーの著書の大半は難解なので、「ああ、またか」とは思ったとはいえだ。興味のある向きは評論集『わが隣人サド』(47年、69年。晶文社)、同『かくも不吉な欲望』(63年、同年。現代思潮社)、評論『ディアーナの水浴』(56年74年、美術出版社。後に水声社)、小説『バフォメット』(65年、85年。桃源社、後にペヨトル工房)などを読んでみて欲しい。
(※このコメントは初版刊行時のものです)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示