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先月(2017年6月)

わくわくどきどきさんのレビュー一覧

投稿者:わくわくどきどき

12 件中 1 件~ 12 件を表示

春の草花たちとともだちになってあそぶたのしい図鑑絵本です。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

春の草花たちとともだちになってあそぶたのしい図鑑絵本です。
ある日の朝、「おきてー」と、森のなかまたちが、やってきました。地面の洞穴で、冬眠していた妖精の女の子は、ねすごしてしまったのです。外は 春まっさかり。野にも山にも春がきて、虫たちはいそがしそうです。まず目にとびこんでくるのは 黄色の花たち。
白色や青色、むらさきいろの花たち。桃色の花や赤い花など、おなじ種類でも、色のうすいものから 濃いものまで いろいろあります。見あげた木のえだにも、花が咲いていて、水辺の木々や草花も芽ぶきはじめ、さまざまな生きものたちが活動をはじめています。
妖精の女の子は生きものを観察したり、春の山菜を食べたり、草花あそびをしたり、おし花やドライフラワーや染めたり、かざったり、森のなかまたちと夢中であそんでいたら、もう夕暮れだったという物語になっているところが親しみやすいユニークな図鑑絵本です。
春の草花を花の色でわけて紹介していますので、とってもわかりやすいです。
ハチは黒くて動くものを攻撃する性質があるので、ぼうしをかぶって髪をかくそう、とか、さわってかぶれたりする植物や虫たちなど、春の野山での危険や気をつけたいことや服装についても紹介しています。山菜の食べ方や草花のあそび方なども、たのしいイラストでわかりやすいです。<しぜんとともだちになろう>シリーズの5巻目。

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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13世紀のイギリス。伯父さんの城で小姓として修行をする11歳の少年トピアスの日誌の物語です。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 13世紀のイギリス、中世の城を舞台に、当時の人々の生活や行事を生き生きと描いた大型物語絵本です。
 この物語の主人公トビー(トビアス)少年の伯父さんは、ストランドボロー男爵として、その国の貴族階級の中でも、一番上の階層に属していました。このような大領主たちは、広大な土地とそこに建てた城を支配していました。
 トビー少年は小姓として一年間を過ごすために、父親の兄であるストランドボロー男爵ジョン・バージェス伯父さんの居城に行くことになり、これを機会に、自身の記録として日誌を書き始めることにします。この日誌が物語となっています。
 当時の貴族の息子たちは、本当に、たいてい7歳から8歳頃までには小姓として生活するために有力な領主のもとに送りこまれました。
 騎士の従者になるためのマナーを学んだり、武芸・剣や弓を修行したりする時が来るのです。
 冬からの四季の移り変りのなかで、初めての狩り、弓の練習、武術大会、馬上槍大会、いとこの騎士叙任式、祝宴会、ムギの刈り入れ、クリスマスを祝うなど、さまざまに繰り広げられる城の行事が、あたかもその場にいるかのように、表情豊かで、臨場感あふれるイラストで、トビー少年の気持ちを通して、生き生きと紹介されています。
また、伯父上、伯母上、司祭、城代、料理長、医者、密漁者、代官など、登場する城の人々の生活や小姓の生活をトビー少年の眼を通して、個性豊かに生き生きと描かれ、中世の城の生活をみごとに再現しています。
 雨が降らないため、城内の御不浄のひどく臭う様子や汚物を掃除する汲み取り人の仕事ぶりやフラスコそっくりの太った医者の「放血するという治療」を、あのひどい治療にもかかわらず、自分の病気が快復したと信じるなど、トビー少年の視点で、城での日常の生活が語られています。
 巻末にはもっと知りたい人のために、トビー少年の生きた時代の背景や身分制度、城の成り立ち、武器や時代の変遷などの解説があり、トビーの日誌に書かれた時代を理解するのを助けてくれています。ケイト・グリーナウエイ賞次点作。クリス・リデルとのコンビで作った『海賊日誌』はケイト・グリーナウエイ賞受賞。他に「輪切り図鑑」シリーズなどがあります。

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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ふしぎな鳥ペリカンとともに、時をこえて、世界最長の川の流れにそって、大いなるナイル川のめぐみと人びとのくらしに出会う旅に、でかけてみましょう!

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 ナイル川の源から地中海の河口まで、約7000キロの旅をたのしませてくれる大型歴史絵本です。わたしたちを案内してくれるのは、時代と場所を問わずに自由にページからページへと飛ぶ、ふしぎな鳥ペリカンです。この川が流域の人びとにあらゆる面で影響をあたえ、人類の歴史がはじまってから、世界最古の偉大なる文明のひとつを生み、多くの支配者、宗教、帝国の興亡を見守りつづけてきたことを、どのページにもいるペリカンを探しながら、わたしたち読者は目撃する旅にでかけることになります。
 最初の旅は、英国人スピークがヴィクトリア湖のそばで、湖の水が滝となって、ナイル川に流れ落ちるのを眺めている場面から、はじまります。これまでにも多くの探検家がナイル川の源を探しもとめたのですが、だれひとりとして発見できなかったのです。1862年7月28日、スピークはこの滝をリポンの滝と名づけました。
 ナイル川は、平原、高原、多雨林をへて、パピルスにおおわれた広大な沼地、砂漠、氾濫原の農村地帯を流れて、地中海にはいります。
 ナイル川の流れに沿ってくだれば、その岸にならぶ建築物、多くの村やいくつもの港などながめることができます。ヌビアの兵士、エジプトの農夫たち、カイロの街並みなど、地域の生活習慣をのぞいて見ることもできます。 クフ王の葬儀、メロエ王朝の戦勝祝賀記念の行事やテーベのルクソール神殿の当時の美しさを、まのあたりにします。また、この川の旅は流域に生息する生物、動物や鳥たちを観察するたのしみもあります。
 ナイル川を、歴史的に、地理的に、文化的に、民族的に、総合的にとらえて、どの分野をとっても興味深い、<ナイル川ものがたり>であると思います。
 見開きの画面の余白に、イラストの一部分を掲載して、説明の言葉や解説があり、よりくわしく理解できるように、工夫されています。
 著者はエジプト学の専門家で、エジプト遺跡発掘に従事してきました。イラストはいろんな分野を細部にわたって描いており、歴史への興味を呼び起こされます。同じコンビの『絵で見るある町の歴史』は2000年度ロングマン最優秀歴史書賞を受賞しています。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本雪国の自然と暮らし

2004/02/20 20:57

雪国の自然と暮らしは、実に豊かで、個性的であることが伝わってきます。

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 秋山郷は上信越高原国立公園の地端にある、中津川渓谷にそった山村で、日本でもっとも雪が深い地域のひとつです。この秋山郷を中心に雪国の自然と生活をわかりやすく紹介しています。
 秋山郷は山々が太陽の日射をさえぎって陽が十分に当たらないことから「半日村」と呼ばれ、昔から飢饉におそわれることの多かった村でした。その風土と暮らし、自然の美しさと独特の文化が、なるほどと理解できます。雪がよくふる理由や雪国独特の建築の特色や雪を解かす手段や、なだれに備える人びとの知恵にも感心させられます。
 雪害をもたらす雪は、一方、豊かな恵みを人びとにもたらします。「白いダム」と呼ばれる水資源と広葉樹林の林床と自然の恵みです。雪は厚く積もると、雪が毛布の役割りをして、地面が凍ることがありません。また、雪は植物性繊維を漂白する働きがあります。お茶とチューリップの栽培やそりの利用や伝統産業など、いずれもこれらの雪の性質を利用して、深くかかわっていることがわかります。
 雪国の地域文化は実に豊かで、個性的であることが伝わってきます。
 改めて雪を、新鮮な気持ちで、見直すきっかとなる本です。体験学習や調べ学習にも役立つでしょう。著者は風土研究の専門家であり、長野県立歴史博物館長です。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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女の子が、ベッドにはいって眠る用意をしていると、つぎつぎとドアーをたたいて、おそろしげなものが訪れて、女の子をおどかします。

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 国際アンデルセン賞作家アンソニー・ブラウンが、めずらしく他の人の文章に絵を描いた、ちょっぴりドキドキする、たのしい絵本です。
 女の子が、ベッドにはいって眠る用意をしていると、つぎつぎとドアーをたたいて、おそろしげなものが訪れて、女の子をおどかします。
 ゴリラ、魔女、カエル、おばけ、かいじゅう、おおおとこ・・・・。ドアーをたたく音も、それぞれによって、ふさわしいおそろしげな音です。
 ドアーのすきまから、ちょっぴりのぞく、けものの手や黒い三角帽子や透明の布や荒々しく吐く息・・・。壁紙の模様も訪れるものによって、変ります。
 今度は誰がやってきたのか、ちょっと、謎解きの面白さも楽しめます。
 ページをめくると、ドアーが開いて、入り口一杯にはみだしそうに、訪問者は正体を見せます。「おまえの部屋にいれとくれ。こわいめにあわせてやる!」と。
 「そんなのやだもん。いれてあげない!」と、繰り返す女の子。
 そして最後に、とん とん とん!
 「とを たたくのは だあれ?」
 「あったかくて、おおきくて、かじりつくのに ちょうどいいのは、だあれだ?」
 「とうさんだ、とうさんだ。わーい、わーい!」女の子は、ベッドから立ちあがります。
 「ゴリラに魔女、おばけに、かいじゅうに、おおおとこ。いろんなものがきたでしょ。あれ、みーんな とうさんだって、しってたもん!」
 どうしてわかったって?  この絵本を読むと、わかります。
 最後にほっとして、暖かな安心感に包まれます。そして、もう一度読んでもらいたくなる絵本です。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本グースにあった日

2004/02/20 20:17

作者自身の体験に基づいた野生の渡り鳥グース(カナダガン)と、少女との交流を描いた、ほんとうにあったお話です。

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 作者自身の体験に基づいた野生の渡り鳥グース(カナダガン)と、少女との交流を描いた、ほんとうにあったお話です。
 ある春先の日曜日、冬毛の残る犬のヘンリーが、グースたちをおいちらしています。
 わたしはじーとして動かない、一本足のグースに出会いました。
 わたしも、犬のヘンリーも、グースを見つめました。
 それから、わたしも一本足で立ってみました。「一本足で、どうやって生きていくんだろう」。
 いく日も過ぎて、ヘンリーも、あのグースをおいかけなくなりました。
 わたしはママとパパに内緒で、とうもろこしをやり、「一緒に強くなろうね」と、話しかけるようになりました。
 一本足のグースは夏のあいだ、少しも飛ぼうとしませんでした。
 でも、いつの間にか、ほかのグースにまじって、泳ぐようになっていました。
 そして9月になって、グースのむれが南へむかって飛んでいき、一本足のグースもいなくなりました。
 3月、ヘンリーの冬毛がぬけはじめました。
 そしてことしの春も、まっさきにグースの鳴き声を聞きつけたヘンリーがかけだしました。2羽のグースが降りてきました。
 あの一本足のグースが、大きいグースと一緒に泳いでいます。
 そして、5月のある朝、一本足のグースが、7羽のヒナを連れて、おかあさんになっていたのです!
 春から夏、秋、冬、そして春と、自然の一年のサイクルのなかで、力強く生きて、成長する美しさと、すばらしい再会のよろこびが伝わってきます。
 イラストは自然のなかで躍動感あふれる少女の日常を、生き生きと描きだして、コラージュを使った力強いグースの絵も印象に残る自然科学入門の絵本だと思います。
 訳の言葉も、少女の気持ちを自然にとてもよく伝えていると思います。絵者は『しーっ!ぼうやがおひるねしているの』で、コールデコット賞次席受賞。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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ネアンデルタール人類はどのようにしてこの地球上に出現して、どのように変化したのでしょう。ネアンデルタール人類は、人類の進化を考える上で貴重な化石人類です。

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 ヒトの構造や進化の過程を研究している人類学者がネアンデルタール人類についてわかりやすくまとめています。謎解きのおもしろさで、最後まで惹かれて、読みすすめます。
 現在、この地球上に生存するわたしたち現生人類は、見た目には多様ですが、遺伝子レベルでみると、だれもがホモ・サピエンス・サピエンスの一員であると考えられています。ところが、発見された化石からわかったのですが、人類500万年の歴史のなかではほんの少し前の、3万年前までのほとんどの期間にわたって、わたしたちホモ・サピエンス・サピエンスと同じ時代を、同じ地域で共存していた、種の違う別系統の人類がいた可能性が高いのです。そして、この人びとのなかでも、現時点で、最後にわたしたちに一番近い隣人となったのが、ネアンデルタール人類と考えられています。
 本書を読むと、現時点では、ネアンデルタール人類は、わたしたち現生人類の存在理由を考える上で、きわめて重要な鍵になることがわかります。
 そこで、著者はネアンデルタール人類を理解してもらうために、いろいろと推察していきます。
 化石人類としてのネアンデルタール人類のさまざまな特徴。彼らはどのようにしてこの地球上に出現して、どのように変化してネアンデルタール人類になってきたのでしょうか。彼らはどんな生活をしていたのか、遺蹟から、衣・食・住についても推察しています。
 さらに、ネアンデルタール人類はどんなことを考えていたのか、彼らが残した、墓、副葬品、装飾品の存在から、精神性や世界観をさぐっていきます。
ネアンデルタール人類にどの程度の言語能力があったのか、舌骨や舌下神経や脊髄の太さや頭蓋骨の内側のくぼみからも推察します。
 ネアンデルタール人類の出産、家族、人口、疾病、死などのライフサイクルについてもみています。
 最後に、ネアンデルタール人類がこの地球上からなぜ消滅したのか、その理由について考えます。わたしたち現代人はどうでしょう。機械の予測にしたがうことが多くなり、自分で考え、判断することがなくなるかもしれません。そうなった脳は、現在と同じ機能を維持していけるのでしょうか。肉体も脳もあまり使わなくなったわたしたちは、特殊化していないと自信をもっていえるのでしょうか。ネアンデルタール人類の消滅した理由を追及して原因がわかれば、わたしたち現代人の未来を予測して、わたしたちの進むべき道を示してくれるかもしれませんと、結んでいます。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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「森の幼稚園」はたった一つのクラスしかありません。しかも園舎がなくて、雨が降っても、風が吹いても、子どもたちはオーバーズボンと長靴をはいて、毎日森や原っぱにでかけていきます!

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 このお話の舞台は、ドイツのシュテルンバルト 星の森 という豊かな森です。
 3歳半になった、フェリックス坊やは、9月になって「森の幼稚園」に通うことになりました。この森の幼稚園はたった一つのクラスしかありません。しかも園舎がなくて、雨が降っても、風が吹いても、子どもたちはオーバーズボンと長靴をはいて、毎日森や原っぱにでかけていきます。森には出来合いのおもちゃはありません。四季折々の森の自然の恵みが子どもたちの創造力と空想力を育んで、子どもたちは自分でおもちゃを発明するようになります。森の中には、ソファーも、牛小屋も、汽車だって、なんでもあります。子どもたちは自分の好奇心がおもむくままに、森の中で発見し、冒険の旅に出かけることができます。毎日すてきな何かがみつかるのです。森はどのような子どもも受けいれてくれます。子どもたちはそれぞれが森の中で自分の居場所や遊びをみつけます。自分とちがうほかの子を、お互いにそのままの姿で受け入れるようになります。
 森の幼稚園に通うようになったフェリックス坊やの目を通して、ドイツの森の美しい四季の移り変りとともに、子どもたちの一年間の姿を、生き生きと描いています。
 まさにレイチェルカーソンのセンス・オブ・ワンダーの世界を体験し、感動している子どもたち。この本を読んでもらった子どもはもちろん、読者は、こんな森に行ってみたい!うらやましい!と、思うことでしょう。森が森の楽しみ方を教えてくれ、遊びながら、自然をこまかく観察する芽を育ててくれているのです。
「森の幼稚園」は、1950年代の中頃、北欧デンマークで、自然の中でのびのびと我が子を遊ばせたいと願ったひとりの母親の活動から始まったとあります。この本は、著者が住むドイツの近郊の町にある森の幼稚園で実際に見られたことや実例をもとに書いています。
 原作者はドイツの「生物のすみかを守る会」の設立者のひとり。訳者は『みみずのカーロ』の著者。幼児から小学校の子どもたちに読み聞かせしたり、母親にも紹介したい一冊です。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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ファラデーはどのようにして、大好きな科学への道を歩むことになったのでしょう。その魅力的な半生を描いた発明発見物語です。

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 ファラデーという科学者は、科学者の間ではとても有名ですが、一般の人々にはそんなには知られていません。しかしこの本を読むと、数々の大発見をしつづけた科学者なのがわかります。私たちは、電気がなければその日の暮らしに困る時代に生きています。大量の電気を起こしたり、その電気によって機械を動かすことができるようになったのは、実はファラデーの研究のおかげなのです。テレビやラジオ、携帯電話などで毎日のように電波を利用していますが、その電波(電磁波)の存在をはじめて予言したのもファラデーです。現代のエレクトロニクスでは、半導体というものが主役ですが、なんと半導体の存在を初めて発見したのもファラデーでした。化学分野でも大きな発見をしています。
 ところで、ファラデーという人はロンドンで貧しい鍛冶屋の次男として生まれました。小学校しか出ていないのです。数学はほとんど勉強していなくて、ファラデーの書いた、たくさんの論文には数式など全く出てこないそうです。そんなファラデーですが、この本を読むと、このように数々の大発見をしつづけた科学者なのがわかります。小学校を出ると、製本職人になるために7年契約で徒弟奉公することになりました。
 徒弟時代に知った科学の楽しさが忘れられないファラデーは、製本の仕事をしながらも、科学の勉強仲間をみつけ、デーヴィというすばらしい先生、大科学者にめぐりあうことができたからだとわかります。それは偶然でしょうか。偶然でしょうが、ファラデーが求めた結果ともいえます。いい先生にめぐりあえば、どのように生きれば楽しくなるか、どんなことを研究したらいいのかを知ることができます。
 自らも科学者であるこの本の著者は、すぐれた科学者になるためには、いい先生につければ、その勘所がわかると考えて、ファラデーがどのようにして楽しく研究したかということを、探ろうとして生き生きと描き出しています。
 本書に4人の子どもたちと、この本の著者を代弁するいたずら博士が登場して、ファラデーの気持ちや生き方や研究、発見等を読者が理解するのを助けてくれるので、楽に読みすすめられるようになっています。その点もユニークな伝記になっていると思います。巻末の年表はファラデーの研究やその時代背景を知るのにとても参考になります。『ぼくらはガリレオ』の著者です。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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昔の人は何のためにお化粧をしていたのでしょう。時代によるお化粧の歴史の流れを探っていくと、男女ともお化粧をしてきたことがわかります。

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 昔の人は何のためにお化粧をしていたのでしょう。日本では、縄文時代、弥生時代、古墳時代まで肌に赤い色をぬる魔よけのお化粧がされていたようです。この赤を使って魔よけをするお化粧は、世界共通のことであって、病気や死を防ぐ意味もあったとのことです。またお祈りのお化粧として、雨乞いで巫女は神と交信できる神聖で特別な人間であることを示すしるしとして、お化粧をしたり、お祭りに参加する村人も神聖で特別な場を示すしるしとしてお化粧をしたようです。
 お化粧は富と権力の象徴だったり、平安時代に貴族の間ではじめられたお歯黒は、武士の時代になると成人の証として取り入れられ、江戸時代になると、貴族の男女と結婚のしるしとして女性だけになったのです。昔の眉化粧としては、奈良時代の宮廷女性に流行した蛾眉。奈良時代の後半になると、柳眉が登場します。平安貴族の男女による、公家眉。江戸時代の町人の女性には結婚すると眉なしがひろまりました。千年以上も続いた日本の伝統的なメークは、表情をあまりあらわさないのが上品という意識があり、そうなりたいという思いに、メークで近づこうとした表れが、表情を消すメークとなったとあります。このように時代によるお化粧の歴史の流れを探っていくと、男女ともお化粧をしてきたことがわかって、興味深いです。それほどまでに人間がお化粧をしてきたのは、お化粧には何か大切な役割や力があるからではないでしょうか。著者は驚くべき力をもつお化粧について探っています。触れること・触れられることの力、心の支えになる、治療を助けるお化粧、化粧心理学。お化粧のことをよく知って、どうすれば自分らしく自分の個性を活かして、いろんな自分を表現できるのか、価値の多様性を認めあえる社会になっていくことなど、考えさせられます。その他、主な著書に『おしゃれの哲学』などがあります。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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アフリカのチンパンジー研究を15年と、東南アジアのオランウータン研究を20年。

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アフリカのチンパンジー研究を15年と、東南アジアのオランウータン研究を20年。二種類の大型類人猿を相手に、熱帯降雨林のなかでかくも長時間すごしてきた研究者は、世界でも著者のほかにいないであろう!

 本書は著者の研究テーマであるオランウータンの社会の仕組みとその成り立ちを解きほぐし、理解していく過程を描こうとしたものであり、著者自身の自然との格闘を述べたものです。
 オランウータンは、全身茶褐色の体毛におおわれた大型類人猿で、東南アジアのボルネオ(カリマンタン)とスマトラという二つの島の熱帯降雨林にだけ生息しています。
 アフリカでのチンパンジーをはじめとする他の類人猿研究に比べて、東南アジアでのオランウータンの研究は遅れています。その最大の理由は、オランウータンが熱帯降雨林の森のなかにいてバラバラで見つけにくく、樹上にいるので餌付けもしにくく、研究の対象としてあつかいにくい種だったからです。そのうえ、野生のオランウータンの生息環境は、高温多湿で不衛生で、森林火災、過剰伐採、政治的混乱などがあり、良好とはいえません。
 霊長類の社会学的研究では、自然のなかで、野外観察のフィールドを維持し、集団と個体の関係を長期間追い続け、観察を継続することが不可欠です。        
 20年以上にわたって調査・観察してきた著者は、研究のテーマであるオランウータンの文化的行動や、オランウータンの社会について、母子関係、性行動、行動域などから、興味深い生態を解き明かしています。「森の哲学者」とも呼ばれている由縁がわかります。
 メスが子どもを連れて、森のなかでひっそりと過ごし、それぞれの個体が特有の行動領域をもっていること。オスは集団でいることが少ないので、個々バラバラに遠くまで出歩くこと。オランウータンは、霊長類のなかで最長の育児期を母親とともに送り、その間にさまざまなことを学び、イメージ化するなかで、森のなかでの孤独ともいえる生活を豊かにおくっていること。その間に、社会のなかにある枠組みを学びとり、自らのものとして、自らの環境や集団の中で暮らしやすい方法を選びとって、そこに社会そのものが、文化である素地が養成されているとあります。さらにヒトに捕らえられたオランウータンの孤児を森に帰すことの問題、オランウータンの生きている森の現状について、熱帯降雨林の存続という課題に取り組まないと永遠に失われてしまうと、重要性を訴えています。
 著者は、オランウータンの本当の姿、本当の社会を知りたいと考えて、20年間を過ごしてきました。それでもまだ、それぞれの個体の血縁関係やオスたちがどこまで動きまわるかといった種社会を理解するうえでの基本的な問題も明らかにできたとは思っていないとしています。研究環境の厳しい状況のなか、著者は、未来を担う若者に期待して訴えています。著者は国際霊長類保護連盟日本代表。著書に『夕陽を見つめるチンパンジー』等。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本コウモリたちのひっこし大計画

2004/02/16 18:28

「ヒナコウモリ」という、日本でもめずらしい、絶滅が心配されている貴重な種類のコウモリをまもるために、コウモリの引越し作戦がはじまった!

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「コウモリ先生」と呼ばれる高校教師の向山さんに出会って、コウモリの話をきいた著者はこのままだとコウモリがどんどんいなくなってしまう、コウモリに起きている大変なことを伝えようと思って本にしました。淡々と、向山さんの少年時代から語られ、子どもたちがコウモリ先生の人柄といろいろな生き物にかかわる生き方に親しみをもつように、わかりやすく具体例をあげて書かれているのがとても良いと思いました。
 少年時代の向山さんはいろいろな生きものをとり、野山で鳥や虫を追いかけることが多かく、中学生になると、ロケットづくりに熱中しました。奨学金制度がスタートして、思わぬことに大学に進学することが出来、卒業して青森県の高校で生物を教えることになりました。自然科学部の顧問を引き受け、いろいろな生き物について調査し、豊かな自然を観察しその活動を記録し続けました。そのうち冬の活動を活発にしたいということから、はじめたのが、コウモリとの出会いであったといいいます。
 青森県内のコウモリを専門に研究する人はいないので、コウモリの調査を頼まれる機会も増えてきた、その頃、ヒナコウモリという絶滅危惧種の珍しいコウモリの大群が、青森県のとある神社に住みつき糞で汚すので、困っているという住民から、相談をもちかけられたのです。そこで向山さんは、人間とコウモリとの共生をめざし、神社の横に新しく専用の小屋をたてて、引越しさせることを提案しました。試行錯誤しながらのコウモリの引越し作戦やその後のコウモリの為にやっている向山さんの活動を通して、コウモリとはどんな生き物なのか、今、コウモリの世界に何が起きているのかが、読み手に伝わってきます。そしてコウモリの為にできることは・・・と考えさせられます。
 この本を読むと、コウモリが身近な生き物であること、鳥も獣も、害虫だって、自然は人間にはわからない複雑なしくみが絡みあって成り立っていることが伝わってきます。コウモリの生態や情報を伝える解説ノートもわかりやすく、巻末には、バットウォッチングの案内やバットボックス(巣箱)の作り方もあって、自分の住んでいる町に、どんなコウモリがいるのか観察してみたくなります。著者は、『カブトエビの寒い夏』などで、身近な生き物を素材にした作品も描いています。

★★★★★

(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)

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