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先月(2017年6月)

ウェッジさんのレビュー一覧

投稿者:ウェッジ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

内容紹介

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空腹を満たすのか、空疎な心を満たすのか──
人間の〈食〉には意味がある……だからときに狂おしい。

脳がスポンジ状になって立つことすらできない牛、むさぼり食っては吐き出す拒食症の若者。文明の進歩とともに、人間の〈食〉が狂いはじめた──。
「誰からも愛されないのに、自分はどうして生きているんだろう?」
「自分はどうして生きつづけようとして食べるんだろう?」
哲学者・鷲田清一が人間の心の闇をあぶり出す。

その他に、大平健(精神科医)、山極寿一(人類学者)、中沢新一(宗教学者)の論考を収め、人間の〈食〉の足どりをたどりながら、その問題点を考える。

また本書では三國清三(オテル・ドゥ・ミクニ オーナーシェフ)と松井孝典(宇宙物理学者)を迎えて、〈食〉の現場で起こっていることを検証し、人間が「食べる」ことの意味を、ディスカッションによって明らかにしていく。

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9990個のチーズ

2003/06/18 13:25

なんかちょっとヘンな小説。(編集コメント)

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本書に推薦文を寄せてくれた柴田元幸さんは、こう書いている。
「世渡りの下手な、無器用な男が、好きでもないチーズを売ろうと奮闘する。いや、奮闘というのともちょっと違うな。無器用すぎて、どう奮闘したらいいかもよくわからないのです。」
 そうそう。
 この男の頭の中は、どうやってチーズを売るかという前に、便箋や電話や中古のタイプライターや机をそろえることでいっぱいなんだからね。読んでて、おいおい、と突っ込みたくなってしまう。
 続けて柴田さんは、
「じゃあ、無器用な、でも愛すべき男をめぐる心温まる話? いえ、それともちょっと違うんです。」
 と書いている。
 そうなんだよね〜。こういうお話だよ、と言ったとたんに、いやいやホントはそうじゃなくって、と言いたくなるところがあって‥‥
「無器用なんだけど、けっこう見栄っぱりだし、つまらないことで妻と張りあったり。なのに、いわゆる心温まる話にはない独特の味わいがあるのが、この小説のチーズ、じゃなくてミソなのです。」
 やっぱり「独特の味わい」としかいいようがないなあ。
 この本をオランダ語から英訳したポール・ヴィンセントは、「ドン・キホーテかウォルター・ミティのような主人公」と書いている(本書に「解説」として収録)。
 そうだな。ドン・キホーテというより、ダニー・ケイが演ったウォルター・ミティ。あの成功する夢ばっかり見ていた『虹を掴む男』のほうが感じかな。
 ポール・ヴィンセントは、主人公はチャップリンやキートン、それに「イタロ・ズヴェーボの『ゼーノの苦悶』に匹敵する」とも書いているけれど、ワタシ的に「おおっそうだ!」と思ったのは、この本の英語版に推薦文を寄せているグレン・バクスターのこんな言葉だった。
「エダム・チーズには、なんかちょっとヘンなところ(something slightly funny)があると、ぼくはつねづね秘かに疑ってたんだ。この小さな本がそれを完璧に証明してくれたよ。キートンっぽいコミックとして最高だね!」
 グレン・バクスターは、バリー・ユアグローの『一人の男が飛行機から飛び降りる』(柴田元幸さんの翻訳だ!)のカバーのイラストを描いた画家。そういえば、ユアグローともどこか共通点があるかも。
 「おおっそうだ!」と思ったのは、もしかしたらこの小説は、チーズが主人公なのかもしれない‥‥ってこと。このお話は、チーズが主人公ラールマンスに見せた幻影なのかも、ってことなんだ。そういえば、あの真紅のエダム・チーズって、よく見るとなんか怪しげだよね。
 これは70年前のベルギーの小説なんだけど、ちっとも古いという感じがしない。むしろ、ほとんどポストモダンだといっていい。ベルギーって、ほら、マグリットやデルヴォーの超現実主義、クノップフなんかの象徴派の流れのあるところだから、シュールっぽいのが生まれる土壌があるんだね。
 この小説もリアリズムの遠近法を微妙に脱臼したところがあると思うんだけど、どうかな。

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