石原千秋さんのレビュー一覧
投稿者:石原千秋
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紙の本漱石と三人の読者
2004/10/27 15:02
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漱石文学がのちに「国民文学」となったのは、朝日新聞社専属作家だった漱石が彼の同時代の「中流知識人読者」に向けて小説を書くことを「仕事」と考えていたからだ。しかし、それだけでは満足できなかった芸術家漱石は、小説が本当に分かる超エリート読者にも、読まないで漱石を語る無責任な読者にも楽しめるような仕掛けを、小説に仕組んだ。
本書はその仕掛けを明らかにすることで、漱石文学を三倍楽しめるだけでなく、私たち「国民」の「顔」がどういうものかを見せてくれる。
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