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横山建城さんのレビュー一覧

投稿者:横山建城

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アリエス 05春号

2005/03/14 10:41

【02号巻頭言】新書2冊分のお値段で10冊分以上の刺戟があることは請け合います(抜粋)

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 お待たせしました。ここに『アリエス』02号をお届けいたします。
 2004年10月25日に誕生した01号は、おかげさまでたいへん好意的に迎えられました。朝日新聞は他の創刊雑誌とともに『アリエス』の紹介記事を掲載してくれましたが、その結びはこうでした(2004年11月9日付夕刊文化面)。
「こんな時代にあえて出発する小雑誌の志は、どこに届くか」
 それから5ヵ月。
 少なからぬ励ましのお言葉を各方面からいただきました。私はいま、たしかな手ごたえを感じています。感謝にたえません。
“歴史に生き、思想を問う”という『アリエス』の精神は寄稿家の共感を呼んだと自負しています。そして実力のある人たちの“ほんとうにやりたいテーマ”について、存分に語っていただくことに専心徹底した編集方針も読者の理解を得られたと思います。
 また、新人にできるだけ登場の機会をもうけた点も評価していただけたのではないかと考えています。
 いただいた感想をいくつか列記します。
「ここまでの発言が読めてスッとした」
「いいかげん予定調和的な企画には飽きていた。こんな挑発的な企画を待っていた」
「こんな殺伐とした時代のなかに一石を投じる、本格的な論壇誌に成長してほしい」
「思想的な発言の媒体など売れっこないという思いこみや、シニシズムのような雰囲気を打破しようとの意気ごみを買う」

 お礼のあとはお詫びです。
 01号において私はこう予告しました。
「次号の刊行時期は2005年2月下旬を予定。特集は“近代日本の〈神話〉総点検”」
 結果は、刊行が1ヵ月遅れ、特集もまったく違うタイトルになりました。当初の内容での特集を期待しておられた方々には、心よりお詫び申しあげます。
 横山個人の単独編集による恣意的変更ではないかとのお叱りは当然受けねばなりませんが、そのうえで今回の特集を“「平和」のつくり方”とした理由について、以下に記しておきます。

 近年「人間の安全保障」という理念が広まりつつあり、たとえ国家単位で安全保障が実現していても、その国のなかの個々の人びとが生存を脅かされていては無意味だとさえ考えられはじめているように思われます。たしかにそのとおりでありましょう。
 内戦、犯罪、飢餓、貧困、失業、疾病、環境破壊、地雷、人種的・民族的・宗教的抑圧からの安全と自由が重視され、そのための諸活動をおこなうNGOやNPOの存在もクローズアップされるようになり、読者の関心もそちらに向きはじめています。
 しかし、私は思うのです。死の恐怖から逃れる「平和」への第一の処方箋は、依然として国家ではないか、と。
 地球上には国家とは名ばかりの、破綻した存在もあります。また、世界から見捨てられたとしか思えない地域も。
 そこで生きる人びとにとって必要なのは、まずは「平和で安定した社会」のはずです。
 かつてヨーロッパで、「万人の万人にたいする闘争」や宗教戦争を経験し、血みどろの現実を生き抜いた先人は、真摯な思索の末に、それぞれの構想する「平和で安定した社会」を国家と名づけました。そうである以上、「国民国家」とはそんなにヤワなものではないはずです。たとえいわゆるグローバリゼーションや、超大国と対峙するだけの暴力を有する組織が出現したことが、いまや明白な事実であるにしても。

 贅言はこのくらいにいたしましょう。
 今回もお値段は税別1500円。けっして損はさせません。新書2冊分のお値段で10冊分以上の刺戟があることは請け合います。

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