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神沼克伊さんのレビュー一覧

投稿者:神沼克伊

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紙の本南極へ行きませんか

2001/03/21 17:08

著者コメント

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

21世紀は宇宙時代であるといっても、前半は宇宙ステーションでの活動が主で、宇宙旅行が一般庶民の手に届くのは後半になってからであろう。ほとんどの人にとって旅行は21世紀の前半までは地球上での旅行となろう。多くの人々が地球上の旅行となれば、最後に目指すのは南極大陸ではなかろうか。アウトドア派にとっては最後と言うより、最初の目標となるかもしれない。そんなことを考え、南極旅行を目指す人へのガイドブックとして、「南極へ行きませんか」を書いた。

 日本初の南極観光ガイドブックとしているが、実はこんな本は世界初である。本書よりはるかに簡単なガイドブックがオーストラリアで出版されているので世界初とは書かなかった。

 私の専門は固体地球物理学で、その分野の研究のために、昭和基地を含め南極に15回行った。日本人で私より多く南極へ行ったことがある人は一人だけである。南極点に行った回数は私が一番多いはずだ。6〜7回行っている。南極点はもちろん、その他の地域でも南極へ行くたびに新しい経験をする。南極の懐(ふところ)はそれだけ深いのである。

 南極は南極条約という国際条約に守られている。南極条約は「科学活動に限り」南極大陸内での自由な活動を認めている。領土宣言をしている地域でも、ビザなしで行ける。こんな大陸を私は「政治的パラダイス」と呼ぶことにしている。南極条約では認めていないが、南極観光は1960年代から行われており、1999-2000年のシーズン(南半球の夏が南極の観光シーズンである)には15000人が南極を訪れている。私は日本の南極関係者の中で、南極観光に最も強く反対していた。一般に南極観光への反対理由は環境破壊である。人が行けば南極は汚れる。観光業者は観光客が南極に滞在する時間に比べて、観測隊の滞在時間より長いので観測隊が南極を汚す割合に比べ、観光客の汚す割合は微々たるものだと主張し、観光を続けている。

 私が反対する最大の理由は南極で事故が起こったときの救援体制が無いことである。南極観光域が名峰エレバス火山に墜落して乗員、乗客257名全員が死亡したり、冒険家グループを運んだ船が氷に押しつぶされて沈没したりと、過去20年間をみても大事故が数回起きている。これらの事故は基地の近くで起きたので、観測隊により遺体が収容されたり、救助されたりしたのは不幸中の幸いであった。基地から離れたところで起こっていれば、救助は不可能であった。だから私は南極観光について聞かれたときは「万一事故にあったら遺体も遺品も戻らない」ことを家族に理解させてから出発しなさいと言い続けた。同時に、20世紀の間に南極観光のルールを作り、21世紀には南極を開放すべきとも主張した。

 その21世紀が来た。南極観光の国際ルールはまだ作られていないが、南極は科学者だけのものではないので、開放せざるを得ない。自分自身の主張にけじめをつける意味でも、本書を書いた。

 南極に行きたい人は、まず南極を知って欲しい。必要な最低の知識は本書に網羅したつもりである。自然を破壊しないためには各人が強い意志で自分をコントロールして欲しい。この二つが達成されれば南極観光を勧めたい。

 事故の場合の救援体制はまだできていない。しかし、南極半島付近ならば、救援は可能である。飛行機で数時間、船で50時間ぐらいかかるが、何か起こったらチリやアルゼンチンから救援隊が到着可能である。

 チリやアルゼンチンまで安い航空券を探して自分で行き、現地で南極観光船に乗れば、日本からのツアーの半額程度の料金で南極観光が楽しめる。そんなことを希望する人への情報も入っている。

 本書を読むだけでバーチャル観光を楽しんでいただけると思う。是非一度目を通し手欲しい。できれば批判や感想を著者に頂きたい。希望があれば、より本格的なガイドブックを書くことも夢ではなくなるから。

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