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りょうさんのレビュー一覧

投稿者:りょう

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一時間くらいでゲーム理論の初歩が飲み込めた

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

携帯電話の電波が途切れる。かけ直しても、相手は話し中だ。きっと相手も、こちらにかけているのだろう。いつも思うのだが、これは、いわゆる囚人のジレンマにも似たシチュエーションだ。互いに待てば、いつまでも会話は再開できないが、どちらからかけるべきというルールもない。なんとも悩ましい状況だ。
携帯電話のジレンマの場合、会話の内容や両者の関係性、通話料といった多様な要素が絡み合うためケースバイケースだが、要素が固定されている場合(たとえば、将棋やオセロといったゲームがそうだ)は、最良の選択を積み重ねることで、最も満足度の高い結果が導ける。その思考の道すじを理論化したのが、ゲーム理論である。
そのゲーム理論の初歩を分かりやすく解説したのが本書。基本の基といった内容で、具体的な事例を交え、分かりやすさに徹している点がいい。ごく一部に登場する複雑な数式は読み飛ばしても、すんなり内容は飲み込める。あくまで入門書であり、すぐに生活に応用して役立てられる知識が得られるわけではないが、こうした思考の訓練を反復し、半ば無意識でこなせるようになれば、いわゆる頭の回転の速い人になれそうな気もしてくる。
それにしても、あれもこれもゲーム理論で説明できてしまうのがおもしろい。ベトナム戦争で米越が採った戦術、オイルショックでの日本企業の態度、諸葛了孔明の天下三分の計など、一見、複雑に思える構図も、ゲーム理論に当てはめれば、いとも単純に説明される。もっとも、不確定要素は度外視しての理論化なので、物事そんなに単純じゃないよという言葉も出かかる。だが、少なくとも与えられたカードで最善を尽くし、「天命を待つ」ためには、やはりゲーム理論は有用な数学なのである。

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