高見もやさんのレビュー一覧
投稿者:高見もや
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2005/05/01 21:33
敵討ち法の存在するパラレル日本
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「敵討ち法」が制定され、合法的に敵討ちが許された世界。敵討ちは正式に国家試験に合格した敵討ち執行代理人に依頼する形で行われる。敵討ち執行代理人試験に合格し執行代理人となった主人公は、敵討ちを執行していく。
こういった設定のある本作ですが、帯にあるとおり、作中の空気管は絶妙だ。
登場人物も設定も世界観もほとんどすべてが狂っている。
にもかかわらず、現代日本とどこか通じているものがある空虚な世界。
心のゆがみを持つ叶ヒロシを主人公にすえ、同じ暗さを抱える登場人物ともども、暗い暴力と人間性をあらわにしていく。
ざらついた暴力をスタイリッシュに表現していくこの感じ。
なかなかない気がする
紙の本きみとぼくの壊れた世界
2005/05/01 22:12
どの視点で読むか
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ずばりこの小説の正体を言ってしまえば、推理できる材料を徹底的に排した叙述推理小説だ。
単純にキャラクター性だけに目を向ければ、ただのライトノベルとして読めないこともないが、小説中に配された物を読めば、けしてそれだけではないことがわかる。
徹底的に材料は排されている。
主人公は殺人が起きたことを人づてに聞くが、現場の状況はおろか、どうやって被害者が死んだのか知らない。
疑おうと思えば、本当に被害者が死んだのかすら、疑うことが出来てしまう。
そんな作りにこの小説はなっているが、こういうし掛けがはたして購買層とあっているのかな?なんて思わせてしまう佳作推理小説
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