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  3. QJ BOOKSさんのレビュー一覧

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先月(2017年6月)

QJ BOOKSさんのレビュー一覧

投稿者:QJ BOOKS

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本よあけ

2005/06/03 01:59

静かな絵本

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この絵本をながめると、心が落ち着きます。
表紙の『よあけ』の文字からして
希望の兆しがみえるようですが、
もっとも、効き目があるのは 最後から2つ目の絵。
「やまとみずうみが みどりになった」
この緑と水色と肌色の景色を眺めているだけで
水墨画のように 私自身が絵のなかに入り
ボートを漕ぎ、
気持ちがふーっっと沈んで、
悪いものが底にたまっていくような気がします。
湖が澄みわたるように、
ざわざわしていた私の気持ちも
山の中の湖のように 波紋がひとつもなく
静かにたたずみます。
このお話は、私が大好きな瀬田貞二さんの名訳で
「おともなく、」からはじまります。
「そのとき」のたった4文字のページもあります。
原話は、唐の詩人 柳宗元の有名な詩のひとつ『漁翁』です。
漢詩が趣味の主人は、朗々と暗唱しはじめました。
絵本とはちょっと違う世界だ とのコメント。
子ども(孫)は登場せず、老いた漁夫の孤独と
地方に左遷された自分の孤独を詠っています。
訳は、
年老いた漁師が、夜
江の西岸にある大きな巌に沿って舟どまりした。
暁に起きて、清らかな湘江の水を汲み、
楚竹を焚いて朝食の準備をしている。
やがて川霧もはれ、太陽が昇ると、
すでに老漁夫の姿は見えず、
はるかに、櫓のきしる音だけが
(静寂な川面に)ひときわ高く響いて、
山もそれを映す江水も深い緑一色の中にある。
流れのただ中を下りながら、
空の際をふりかえり眺めると、
あの巌上を 雲が無心に追いかけあうかのように流れている。
はじめは、ブルーグレーの夜明けの描写で
次第に太陽の光が差し込み 世界に色がつきはじめます。
キャンプ経験者なら 知っているあの感覚と色です。
闇が ブルーグレーになって 水色になって
生命感あふれる色彩の世界になる
あの新鮮な瞬間を、この絵本は捉えています。
大切な一冊になりうる本です。

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紙の本まっくろネリノ

2005/06/08 22:59

心をつかむ、かなり大胆な絵本

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

オーストリアの画家ヘルガ・ガルラーの処女作です。
ほかにこの方の作品を読んだことがないのですが、
こんなに、のびのびした気分を味わえる絵本は
めったにないと思います。
娘よりも、親の私が気に入ってしまいました。
黒い背景に、色鮮やかなパステル画で描かれえた
鳥?の親子のお話です。
いや、さえない末っ子ネリノの兄弟救出劇か?
本カバーの書評には繊細なパステル画とありますが、
いえいえ、とんでもない!かなり大胆な絵です。
まるで、子どもの落書きか、授業中、
電話をしているときに、何気なく描いたような線!
無意識の美とでもいいましょうか、
すごい感性の絵本です。
鳥かごの線の大胆な美しさと、
グレーと白と黒だけの夜の町の風景に
子どもに読んでやりながら、思わずうなってしまいました。
黒い背景に溶け込む、まっくろなネリノ。
まっくろだから、兄弟に仲間はずれにされ、
いつもひとりぼっち。
ふむふむ。存在感がないんだね。
絵本の中でも、黒い背景の中に目玉だけパチクリ。
どこにいるのかいないのか。
それが、だんだんと背景の色が変わって、
ネリノがみえてきます。
一番の見せ場!兄弟を助けるシーンでは、背景は黄色!
まっくろネリノが一番目立って、まるでスーパースター!!
かなり計算された大胆な絵本です。
きっと、この絵本を描いたガルラーさんは、
控え目だけど、心の中は大胆で
いつも素敵な空想家な女性じゃないかと
勝手に想像していまいました。

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紙の本あおいやまいぬ

2005/06/03 01:38

偽りの自分ではありませんか?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この絵本は、
アメリカの人気絵本作家、マーシャ・ブラウンのものです。
かた、こと、かた、こと
がた、ごと、がた、ごと
がたん、ごとん、がたん、ごとん のリズムが楽しい
北欧民話『三びきのやぎのがらがらどん』も、
マーシャ・ブラウン&瀬田貞二のこのお2人によるものです。
マーシャ・ブラウンの絵本は、
どこか潔さと諦めがあり、個人的に大好きです。
イソップ童話を男っぽくしたような絵本ばかりです。
絵のうまさが抜群で、特に『あおいやまいぬ』は版画で表現されていますが、荒々しく太い線に、生命力と躍動感がみなぎっています。
1ページめくったところの、水しぶきをあげる姿などは、
もう天才!としかいいようがないくらい、一瞬をとらえています。版画でこんなに動きがでるなんて!
この絵本、
中国の故事成語「虎の威を借る狐」のその後・・・っといった内容です。
虎に食べれそうになった狐が、
「わたしは、天帝から百獣の王に任命された。食べると罰(ばち)があたる。嘘だと思ったら、わたしの後について来い。」
と言い、動物たちは、狐の後について来る虎が怖くて、みな逃げ出します。まぬけな虎は、狐のいう事を信じてしまう・・・。っという寓話です。(虎が楚国王で、狐が重臣で、狐をつぶすことで国は滅びます。)
そして、このお話では、
狐にあたる、ただのやまいぬが、
ひょんなことから青いやまいぬになり、
森の獣たちから恐れられ、調子にのって、王さまになります。
あろうことか、仲間のやまいぬの一族は追い払ってしまいます。
青いやまいぬは、怠惰に豪勢に暮らします。
ライオンや虎・ひょう・象といった百獣の王たちを召使いにして。
ある日、山から仲間の遠吠えが聞こえてきて、
冠は転げ落ち、目にはうれし涙があふれ、ついに遠吠えをしてしまいます。
ただのやまいぬだということが、バレ、痛い目にあい、
なんだったのか?あのくらしは?あのつきあいは?
いったい、わたしはなんだろう?・・・っと述懐します。
そして、
「このことは かたときも わすれずに
むねにてをおいて かんがえるが かんじん」が結びです。
この「かんじん」という言葉に、
やまいぬの愚かさが凝縮されているように思え、
読み手の私にも、「偽りの自分、偽りの暮らしをしていないか?」と、同じ問いが突きつけられます。
やまいぬはやまいぬであり、私は私なのです。
偽りには、偽りの関係しか築くことができず、
涙できるのは本物ということでしょうか?
インドの昔話が原話なので、教訓じみていますが、
「かんじん」「かんじん」と、常日頃つぶやけば、
最後に腹をなめている、やまいぬの轍を踏むことはないでしょう。
子どもに見せてあげたい、版画が素晴らしい一冊です。

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紙の本ゆくえふめいのミルクやさん

2005/06/16 12:23

プチ蒸発で知る本当の自由とは・・・。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

5歳の娘が一番気に入ってしまって、
毎晩、何度も読まされ、
読んだ後も「もう1回」とおねだりされる絵本が、
これっ!『ゆくえふめいのミルクやさん』(笑)
長いんです。このお話。読後は口の中カラカラです。
おまけに、
現代サラリーマンの苦悩を予見していたかのような内容。
子ども向けの絵本じゃないな〜と、以前は思っていましたが、
子どもに受けるところをみると、やはりスゴイ絵本です。
しかし、うちの娘は、
5歳にして、こんな人生の奥義を極めつくしたようなお話に
魅入られてしまうなんて!!!
ミルクやさんは、朝4時に起きて、
愛犬シルビアと愛車アメリアと一軒一軒ミルクを配達する毎日。
いつも奥様とかわす会話は、あたりさわりのないお天気のこと・・・。
ある日ミルクやさんは、こんな日常に嫌気がさしてすべてを放棄!
いつもの道を気の向くままに進んでしまいます。
(ハハ:ちょっと。これって蒸発じゃないっ!)
車に積んだミルクやチーズをガソリンと交換したり、
食べたりしながら、満足そうに野宿して過ごします。
(ハハ:わっ。浮浪生活のはしり!)
ついに、美しい湖のほとりで過ごすことに決め
楽しく愉快な毎日を送ります。
(ハハ:うへっ。自給自足生活でおさまるの?)
ある朝、ふと、街のひとたちのことを思い出して・・・。
この絵本、なぜうちの娘が好きなのか?
おそらく。ミルクやさんが最高に楽しそうだからでしょうね。
自由を満喫。あらゆるものを放棄した解放感があります。
はじめて野宿した牧場で、星空を眺めてミルクやさんが飲む
牛乳がおいしそうよ・・・っと
何度もそのページを開いて、うれしそうに笑っています。
このお話、社会的には許されがたい行為ですが、
誰もが一度はやってみたいな〜っと
心の底で願っていることではないでしょうか。
現実にはもっと大騒ぎになるでしょうし。
せめて、絵本のなかだけでも、
社会の軌道からはずれることを楽しんでもいいかな。
でも、決まりきった日常の中にこそ、幸福はあるんでしょうね。
規律の中にこそ本当の自由が存在する、
と教えてくれているような気がします。
みんなに心配されていたミルクやさんも、
結構幸せ者だったりします・・・。ふふっ。

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紙の本こんとあき

2005/06/06 16:36

オトナはうるるっ。子どもははらはらわくわくの冒険物語です。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

5歳になる娘が、女の子なのに、
ぬいぐるみやお人形遊びをあんまりしないので
娘と同じくらいの年の
「女の子とぬいぐるみ」が主人公の絵本を
図書館から借りてきて読んであげることに。
なので私、林明子さんの
『こんとあき』をはじめて読みました。
心があたたかくなる絵本でした。
産まれてくる孫(あき)のためにおばあちゃんが作った
きつねのぬいぐるみ(こん)。
あきはだんだん大きくなるけど、
こんはだんだん古くなってきます。
とうとう、腕がほころびてしまい
砂丘町に住むおばあちゃんになおしてもらうため
電車にのって2人きりででかける冒険物語です。
途中いろいろなことがあります。
お弁当を買いにいって、
電車の扉にしっぽをはさまれてしまう、こん。
砂丘がみたいというあきのために、
犬にくわえられ連れ去られてしまう、こん。
こんはいつも、大丈夫じゃないのに、
あきを安心させるため
「だいじょうぶ。だいじょうぶ。」とくり返します。
最後に暗くなるなか
あきはこんを背中に、おばあちゃんちを自分でみつけます。
こんのように、いつも傍で自分を見守ってくれる人や物が、
小さい子どもだけじゃなく、オトナにだって必要です。
そばで「だいじょうぶ。」とささやいてもらいたい・・・。
あきは、いいなぁ・・・。っと思ったら、
私のまわりにも「こん」がたくさんいるじゃないですか。
例えば、旦那!?(笑)
あきのまわりには、愛情がたくさんあふれかえっていて
オトナが読むとうるるっときます。
いじらしい・・・こん。
子どもの頃はこんな風に
愛情たっぷりのなかで育ってほしいと願います。
読んであげると、
子どもは、はらはらわくわくの冒険物語に真剣なまなざし。
犬がぱくっというところが、本当に心配らしい。
なんと今、この「こん」の作り方と型紙が
福音館書店のHPでダウンロードできます。
ちょっと難しいかも・・・。

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紙の本どうぞのいす

2005/07/05 11:46

名セリフ「あとのひとにおきのどく」で思いやりをしる絵本

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ロングセラーを感じさせるこの絵本。
一番の魅力は、このかわいらしい絵でしょう。
表紙のウサギさんが、
しっぽつき!の椅子を作っているところなんか
とてもほほえましいです。
そして、人気の秘密は、本のタイトルだと思います。
『どうぞのいす』・・・。
なかなか思いつかない言葉です。
幼児期の他者(お友だち)との関わりを、
なにげな〜く示唆しています。
幼児が、自分以外の世界へ踏み出す、はじめての一歩は、
『どうぞ』という言葉からはじまるんじゃないかと
私は思います。
『わらしべ長者』のような展開かなっ?
と思いつつ、読み進めると、
ロバさんが置いた「どんぐりのカゴ」の隣の
「どうぞのいす」の立て札が
次つぎとやってくる森のどうぶつたちの、
幸せな誤解を生み、
「あとのひとにおきのどく」という名せりふで、
子どもに思いやりの大切さ、幸せのリレーの楽しさが
伝わってくる絵本です。
この絵本、言い回しがよくて、とても読みやすいです。
最後に、この絵本の最大の魅力は、
椅子を汗水たらして!?作った
ウサギさんには、何の報酬も無いところでしょう!
報酬どころか、
ウサギさんが置いた椅子がもたらした
森のどうぶつの幸せな気持ちのリレー、
次つぎと起こる事件を
ウサギさんは、全く知らないというところに
むしろ、おもしろさがあります。
2〜3才に特におすすめの絵本です。

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紙の本ごろごろ にゃーん

2005/07/11 23:43

飛び魚型ジェット機でゆく、ネコ空の旅。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005年6月に、お亡くなりになった、
絵本作家・長新太さんって、スゴイ方でしたね。
「ごろごろ にゃーん ひこうきはとんでいきます」
これしかない絵本です。
ネコたちが、飛び魚型ジェット機に乗り込みます。
飛び魚型ジェット機は、満席で定刻に離海(リカイ)。
途中、釣ったサカナの機内サービスがあり、
クジラが、本物の飛び魚と間違えて、
食べそうになります。
ようやく、上空を飛ぶ「飛び魚ジェット機」!
快調です。高度は土星に近づくほど高くなり、
そろそろ、目的地がみえてきました。
砂漠のヘビの上空、大都会の上空、
敵対国「ワンワン共和国」の上空を飛び、
山越え、谷越え、
本物のジェット機とならび飛び、
無事、高度を落として着海(チャッカイ)です。
ただいま〜。
「飛び魚型ジェット機でゆく、ネコ空の旅」
あ〜、たのしかった。爽快です。
あれっ?ちっとも荒唐無稽じゃないですね。
淡々としたところに、この絵本のおもしろさがあります。
爽快だけど、疲れる夢をみている気分です。
説明できるけど、なんだかオカシナ感じが・・・。
それにしても、なぜ、ネコは
いつも海へ、ボートで漕ぎ出すのでしょうか?!
『11ぴきのねこ』しかり。
おまけに集団行動です。
海に魚がいるから、そこに冒険ロマンがあるのでしょうか。

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