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NOBUNOBUさんのレビュー一覧

投稿者:NOBUNOBU

2 件中 1 件~ 2 件を表示

生誕の災厄

2005/07/18 00:39

シオランの入門書

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シオランの著書としては、彼の「生誕とは、一つの災厄である」という告白からも分かる通り、最も明快な反哲学的著書。シオランの著書の多くはアフォリズムで書かれている為、非常に読みやすいが、猛毒性では、世界一かもしれない。そこら辺にある毒舌が裸足で逃げ出すであろう、「真実」に近い透徹した視線がある。ビジネスで成功を邁進している若者が彼の著書で会社を辞め、放浪の旅に出るであろうし、自殺志願者がこの世への怒りから現実に回避するという、人生の視点が遅かれ早かれ「必ず」180度変化することが保証できる本。とにかくシオランという人はどの著書でも同じことを語っているから、売り切れていたら別の著書を購入しても良い。しかし、彼の思想の根幹が最も分かる著書として是非読んで欲しいし、現代の病根が、実は「生きる」ことの肯定を強制する暴力=権力なのだと気づかせてくれる。学校制度はこのことを真摯に受け止めるべきである。シオランは夜、頭が冴えてわたって眠れない時に読むと特に有効で、なぜか彼の考えが良く理解できる。

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紙の本告白と呪詛

2005/07/18 00:22

シオラン最後の著作

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

激烈のアフォリズムで鳴らし、日本ではほとんどの著作が翻訳されているというシオランの最後の著作。彼の本国ルーマニアでは禁書扱いだそうだが、彼特有の危険極まりない激烈な毒舌と嘲笑は、かつての様に文章から感じられないが、言っていることは全然変わらない。もっとも、激烈で毒性が高いのは「生誕の災厄」や「歴史とユートピア」が上であるが、これは訳者の言う通り、シオランが年を経て、激情をそのまま激語に托すのがうっとうしくなったのかもしれない。そういう意味では読みやすくなったというべきか。だが言っていることが優しくなったとはとても言えないが。彼の著書は渡世の人間にあまり悲しく映るらしく、安部譲二が推薦するのも何となく分かる。はっきりいって現代は、薄いきれいごとに飽き飽きしており、かといって「真実」を覗くにはあまりに臆病になっていると言える。特に日本人は、彼の著書からどれだけの絶望を見出したのだろうか。もっと彼の著書は広く読まれても良いがシオランばかりの日本人というのも恐ろしいものがあるけど。シオラン初心者にはとっつきやすくお勧め。

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