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先月(2017年6月)

笹岡さらさんのレビュー一覧

投稿者:笹岡さら

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本終末のフール

2006/04/09 20:06

まるで、呼吸のような物語。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

毎回毎回、突飛な設定で私たちを楽しませてくれる伊坂幸太郎さん。今回の設定も、3年後に、隕石落下によって滅亡してしまうかもしれない地球が舞台。隕石落下、そして人類の終焉という情報によって、殺人、強盗、なんでもござれな最悪の時代をくぐり抜けた、小康状態な状況設定が、登場人物たちの心情を、より一層、ひきたたせているように思う。最悪でもなく、かといって、勿論最高でもない。不穏で、不安で、窮屈で、けれど、とても静かな時間が、そこには流れている。
3年後に「死」が、或いは「滅亡」がまちうけているとは言っても、人間、死なない限りは生きて行かなくてはならない。生きていたくなければ死ぬしかないし、死にたくなければ生きていくしかない。生きているしか、ないのだ。そして、その呼吸は、止まらない限りは、続いていく。そんな当たり前の、至極当然な人間の、人生の営み、時間の流れが、登場人物たちの呼吸とともに、文章から伝わってくる。まるで、呼吸そのもののような短編集。
個人的には、とある登場人物の「できることをやるしかないですから」という言葉が、この物語を象徴しているように思う。3年後であろうと、明日であろうと、1秒後であろうと生きている人間は、必ず、死ぬ。死ぬとわかっていながらも、喜び、笑い、傷つき、苦しみ、悩み、あらゆる事を体感していく。呼吸を、していく。呼吸を、している。それこそが、生きている人間の「できること」なのだ。
伊坂史上、最も静かで、最も深い物語だと、私は思う。

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