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はちべえさんのレビュー一覧

投稿者:はちべえ

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本管仲 上

2006/08/01 21:00

自分のことを自分以上に知ってくれている友がいなければヘコタレてたろう天下の名宰相・・・管仲

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 父は死に、兄は家財を使いつくし、家も借金のかたに無くす。当然、貧しくお金もなく、やとってくれる君主もいない。そんな時、自分の唯一の希望の光だった美女との婚約を兄が勝手に解消してしまい将来はもう真っ暗という気分。その後も何をやっても運がない。才能だけは豊かにあるはずだが、それを認めてくれるのも友「鮑叔(ほうしゅく)」のみ。・・・と、この本の主人公「管仲(かんちゅう)」はもう、どうしようもなく不遇である。
 ところが、その唯一の友、これがまたどうしてここまでできるのかと唸るほどのできた友なのである。ひょっとしたら管仲はこの友を得るために生まれ持った全ての運を使い果たしてしまったのかもしれない。後のことを考えればそれでも惜しくないと言えるだろう。決して生ぬるい友だち関係ではなく、敵と味方に別れて戦うこともある。しかし、いつでも鮑叔は管仲を本人以上に知っていてその才を認め続けている。さすが「管鮑の交わり」。
 話は変わるが、宮城谷さんの本を読んでいて、中国の偉人・賢人・聖人という人は、共通して「大成する人は小成をしない」かあるいは「大成のために小成を捨てる」人が多いように思う。また、大きな成功を得る直前までまでは、ずーっと穴ぐらの中でもがくような苦労や不幸を続けている。宮城谷さんの本を読んでいて爽やかな気分になるのは、不遇続きな中でもたまにはへこたれても、逆境で人格を磨いて成長する人たちの姿に、読者も励まされるからかもしれない。

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紙の本楽毅 第1巻

2007/01/11 00:14

孫子兵法の最高の具現者・・・楽毅

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「孫子」は現代でもビジネスに生かすとかいって多くの人に読まれる兵法書なのですが、実際どれぐらいの人が実際の生き方に生かすことができてるかというと難しいだろうなと思います。
 というのも「孫子」は、一つ一つの教えは平易でも、それを生かすにはどこでどのようにどれを用いるかというセンスと深い理解を求められるものであるから、ちと読んでみたところで、凡人にはどうしようもありそうにありません。孫子兵法、本当に難しい。
 ところが、この本を読むと「楽毅」の兵法の巧みさとその生き方に、孫ピン・孫武という本人方を除いたうちで最も孫子を理解し戦場で生かした人が「楽毅」であるのではないかと感じました。その辺に孔明が楽毅を尊敬してやまなかったという理由がありそうです。
 とはいえ、楽毅は完璧ではありません。滅びゆく祖国、中山国を守るため打つ作戦中にもミスはあり、また他にも打つ手を間違えてる、それだとヤバイと読みながら突っ込みいれたくなる時もあります。けどもうその時点で「楽毅」の戦いのさまがその場にあるように見事に描かれているということになるでしょう。本当はえらく昔、資料も少ないことを思えば驚異的なことです。
 またこの「楽毅」は、同じ時代の「孟嘗君」は合わせて読むことで、この時代がより立体的に浮かび上がり、楽しむことができたと思います。

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紙の本宮城谷昌光全集 第16巻

2005/11/02 12:05

まねることのできそうな天才の形呂不韋

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 第十六巻に、秦の宰相であった呂不韋の生涯を描く「奇貨居くべし(上)」と特別書き下ろしとして春秋名臣列伝(十六)斉の晏嬰(晏子・晏平仲)」、次の十七巻には「奇貨居くべし(下)」と春秋名臣列伝(十七)「呉の季札(延陵の奇子)」となっています。
 私が「奇貨居くべし」を読んだのは、今回で二度目になります。一度目読んだときは、親に愛されない少年である呂不韋が旅に出てから巻き込まれる数々の歴史的事件や出会う大物の人物たちに眼を奪われて、天才的な少年が天意を受け天才的な術をもってして秦の宰相になったような印象が残りました。
 ところが今回読むと、呂不韋という人物がひどく内省的な人であることに気づかされました。精神と肉体の強さをもってただ突き進むような英雄ではない。呂不韋は、自分のことを天を駆ける羽を持つ天馬ではなく、駑馬(のろい馬)であると思っています。そのために人の何倍もの努力を積み、学ぶことを大切にします。そして力をつけるためにまず人は与えることによって与えられることを知っており、そしてつけた力は民の幸せのために向けようとします。この人が悩むときはまた、著者である宮城谷昌光さんの哲学のようなものに読者が触れられるときでもあります。したがって内省的な呂不韋を描いたこの本はまた、他の著書以上に宮城谷さん自身が探求した哲学のようなものにより多くふれることのできる書であると言えるような気がします。
 史書では、秦の始皇帝の父かもしれないとされ奸臣のそのもののように描かれることの多い呂不韋ですが、宮城谷さんの呂不韋は、人として生きていくのはこのようにありたいと思えるすがすがしい気格を持つ人であり、また悩みを持ちながら生きるその姿が読者にとっても身近に感じられる部分を持つ人なのです。

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紙の本宮城谷昌光全集 第4巻

2005/10/05 11:20

伝説の賢者伊尹(いいん)

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第4巻には「天空の舟 小説伊尹伝」と、特別書き下ろしとして「春秋名臣列伝(七) 魯のゾウ孫辰(ゾウ文)」(ゾウは原文は漢字です)が収録されています。
 伊尹(いいん)は、今から約三千四百年前にあったと言われる夏王朝から殷(商)王朝への革命に殷の湯王を助け、大きな役割を果たし、後々の賢人にまで長く名宰相の代名詞と理想とされますが、はじめは料理人でした。
 さらに遡れば、生まれたての嬰児の時、村が大洪水で人も家も残ることなく流されてしまいます。伊尹の母は、夢で河の神からこのことを事前に知らされわが子を桑の木に隠します。この桑の木が流れ着いて、伊尹は拾われ、料理人の子として育てられます。
この小説を読むと、夏王朝と殷(商)王朝の戦争の勝敗の行方が、よくぞ殷が勝ったと言えるぐらい微妙なものであったと感じます。その微妙な力を殷のものにしたのはやはり伊尹という賢人であり、人こそが大事であると知って料理人にすぎない伊尹のボロ小屋を師に仕えるようにして自ら尋ねた湯王の行動力と、伊尹に来てもらえる決め手となった湯王自身の徳を高めたことに全てがあると思わされます。
 今の世の中も「徳」がある人こそが王となるような世の中であってほしいと思うからこそ、古代の歴史の中に遊んだ後、すがすがしい読後感がのこるのでしょう。

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紙の本墨子

2005/11/30 12:05

弱きをたすけ強きをくじく。実在した正義の味方・・・墨子

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 墨子(ぼくし)の侵略戦争を否定する「非攻(ひこう)」の思想ってどんなんだろうな。戦乱の世の中で、強い国の侵略戦争をやめさせようと強い国に説き、弱い国の側についてその城を守ったという墨子とはどんな人だろうと興味を抱き、購入しました。
 一読し大変興味深い本でした。結局は、国がどう、とか分け隔てすることは意味がなくこの地上の人全てが幸せになるためには戦争は益もなくするべきではないと考え、戦争も人殺しに過ぎないのだと大きな国にさえ立ち向かった人でした。そして「戦争反対」と声高に叫ぶだけでは侵略者には話が通じないので、自分で弱いものを守り戦う術を身に付け、実際守り通し、大国には侵略の益のなさを説いて侵略をやめさせた稀有の人でした。中でも、ドラマティックな展開の「公輸編」で紹介されていた出来事を適当な省略文ですが書き残しておきたいと思います。
 昔、公輸盤という人が城を攻めるためのハシゴのような武器を発明します。楚の国の王はその武器を使って、宋に侵略しようとします。
 これを知った墨子はまず弟子300人に宋を守るための武器を持たせ、楚の侵略に備えさせます。
 そうしておいて、墨子は、城攻めの武器を発明した公輸盤に会い、あなたのしていることは殺人となんらかわらないと、理詰めで公輸盤を説得し侵略をやめさせようとします。が、公輸盤は「既に王が決定されたことで、私に止めることはできません。」と答え、楚王に引き合わせることだけを承知します。
 楚王に会った墨子はまたあなたのしていることは盗人となんらかわらない、また結局は何の益ももたらさないと、理詰めで王に侵略をやめるよう説得します。王は頷きながらも、「しかしもう公輸盤はここまで準備を進めてるのだから、宋攻めを行おうとするだろうな」と言います。
 それならばと、墨子は公輸盤に、「仮に帯を城に、蝶を武器に見立てて策を出しあって戦ってみませんか」と誘います。公輸盤は墨子の守る城を攻める策を次々と出しますが、どれも墨子の守城の策を破ることはできません。公輸盤はそれでも「まだあなたを倒す方法はあるが言わないだけだ」と負け惜しみを言います。墨子はそれを聞いて「わたしもそれを知っているが言いません」というので、楚王は「それは一体どうしてだ。」と答えます。墨子は説明します。「彼は、私を殺してしまいさえすれば、宋を守るものがいなくなり簡単に宋を落とせると思っているのです。しかし、私は既に弟子に武器を持たせ宋の城を守らせています。私を殺しても城を落とすことはできません」
 これを聞いて楚王は「わかった。宋を攻めるのをよしにしよう」と諦めます。
 墨子が帰る途中、宋を通過しているとき雨が降り出したので、ひさしを借りて雨宿りしようとしたが、宋の人は墨子のことを楚のスパイだと疑って近づけなかったということです。

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