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    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

リッキーさんのレビュー一覧

投稿者:リッキー

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本スキップ

2006/11/21 07:05

“時と人”というキャッチボール

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

北村薫さんの名作『スキップ』。『ターン』『リセット』とともに、“時と人”と冠された三部作のうちのひとつです。
たくさんの方がこの作品の魅力について語っていらっしゃいますので、今さらな気がしないでもないのですが、大好きな作品なので私も一言。
この“時と人”というテーマは、北村さんの中で特別なものなのでしょうね。
北村さんのデビュー作『空飛ぶ馬』に始まる“円紫さんと私”シリーズの第3作『秋の花』と本作との関連—ここでは、第4作『六の宮の姫君』のなかの言葉から、物語と物語を行き交う“キャッチボール”と表現させていただきます—は、しばしば指摘されるところです。
過ぎ去った時、真理子の決意、そして、生きたという意味。
これは北村さんの最新作『ひとがた流し』にもキャッチボールされていますよね。
『空飛ぶ馬』の「砂糖合戦」にあるように、「相撲のひいき力士とは違いますから、いくら応援しても、今日はマクベスが勝ったよ、というわけには行」(p.102) かない過ぎ去った“時”と、今という“生”。
それらを、キャッチボールして響き合うような作品たちを通して、北村さんは我々読者に伝え、問いかけているように感じます。


ところで、北村さんは『六の宮の姫君』では、芥川龍之介の作品を通した“キャッチボール”について描いています。
一方で、作家の加納朋子さんは、北村さんの“円紫さんと私”シリーズから受け取ったボールを、『ななつのこ』に始まる“駒子”シリーズを通して“キャッチボール”(加納さん自身の表現では、“ファンレター”ですね) しています (この両作品、物語やトリックの構成などを比べてみると、とても面白い!)。
マクベスのように変更できない“円紫さんと私”シリーズの悲しい部分を、ひいき力士を応援するかのように“駒子”シリーズを通して描き換えている、とも言えるでしょう。

さて、こうなると、北村さんから加納さんへの“キャッチボール”もあるのでは?という興味が沸いてくるのですが、
改めて作品を見てみると、『空飛ぶ馬』に登場する“ゆきちゃん”に対して、『ななつのこ』では“真雪”ちゃんが登場していることに注目したくなります (聞くところによると、加納さんとしては、これは偶然の一致だったらしいのですが)。
真雪の“真”は、『秋の花』の真理子の“真”。
そして“時と人”の主人公の名前を見てみると、『スキップ』では真理子、『ターン』では真希、『リセット』でが真澄と、全員に“真”の字が共通しています。
これは偶然なのでしょうか?
私には、加納さんからのボール—“円紫さんと私”の悲しい部分を描き換えてみせた—を受け取った北村さんが、
“時と人”三部作、特に本作『スキップ』—かえられない時—を描くことを通して、“キャッチボール”していたかのように感じられました。

思いっきり見当違いな推理かもしれませんけれど、こう考えるとちょっと素敵じゃありませんか?

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紙の本てるてるあした

2005/10/08 21:23

本を読む楽しさを、そっと、でも鮮やかに伝える物語

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書の主人公は、照代という名の15歳の女の子。親の夜逃げのせいで高校に進学出来なくなり、一度も会ったこともない祖母を頼って“佐々良”に訪れたところから物語は始まります。
 この照代、加納さん自身がおっしゃっているようにかなり「いやな女の子」。でもその本心は、人の温もりが欲しくて近づきたいと何よりも願っているくせに、近づいて傷つくかもしれないことが怖くて人を遠ざけてしまう…、というような、いわゆる“ハリネズミ・ジレンマ”の女の子です。まぁ、照代の生い立ちを考えると仕方がないことなのかもしれませんが。
 私たち読者は最初、そんな照代にイライラさせられます。でも、自分が彼女ぐらいの年齢の時をちょっと思い出してみれば、誰でも大なり小なり同じような悩みは抱えていた覚えがあるはず。こんな照代が、前作“ささらさや”に登場した人々との厳しくも優しいふれあいによって、徐々に徐々に成長していく姿が微笑ましい。また、読み進めるにつれて当初のいらだちが消えて、自分自身も照代と一緒に気持ちが楽になっていることに、ふと気づきます。今まで加納さんの作品を読んできた者としては、この主人公にはビックリですし、もしかしたら最初から彼女を毛嫌いしてしまう人もいるかもしれません。でもそう決めつけないで、最後まで読み進めてください。本書の感動は、前作のヒロイン・サヤを安易に物語の視点にしないで、あえて「いやな女の子」照代を主人公にしたからこそです!そして、最後に久代さんの口を通して語られる言葉(341ページ)や照代の気持ち(345ページ)は、加納さんから私たちへのメッセージなのでしょうね。これだから読書は止められない!
 この物語は、まるで自分の心を映し出すような鏡のような作品。いろんな考え方があるけれど、でも「やっぱりこれだよなぁ〜」そして「いつまでもそんな気持ちを忘れないようにしたいなぁ」と思わせてくれる、素晴らしい一冊でした。

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エラリー・クイーン、ここに蘇る!!

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本ミステリ界の巨匠・北村薫の手による最高のエラリー・クイーン・パスティーシュであり、本格ミステリへの深い愛から生まれた珠玉の一冊。

 本書は、“北村薫さんがエラリ・クイーンの未発表作『ザ・ジャパニーズ・ニッケル・ミステリー(ニッポン硬貨の謎)』を翻訳した”という体裁で書かれています。ミステリ好きとしてはもうこれだけでたまらないのですが、この作品中で展開されるエラリー・クイーン作『シャム双子の謎』に関する鋭い考察、そして様々な謎が物語の最後で集束し解決する快感が、物語をより一層魅力的なものにしています。

 ただ、読む時にちょっと注意いて頂きたいことがひとつ(余計なお世話かもしれませんが、よろしければもうちょっとおつきあいください(笑))。
というのは、“本書を文字通りに眺めているだけだと何か物足りないように感じてしまうかもしれない”ということ。
 でも、そこで物語を閉じる前にちょっと考えてみてください。北村さんが敬愛するエラリー・クイーンに捧げたオマージュというべき作品、しかも十余年も構想を練ってきたというこの作品が、ただこれだけで終わってしまうわけがない。だとすれば、“意図的に”このように書いているのではないだろうか?
そのように考えると、物語の中にちりばめられた様々な“不可解なこと“が浮かび上がってきます。

“なぜ、こんな体裁で書かれているのか?”
“なぜ、『シャム双子の謎』論が展開されているのか?(自分の意見を単に発表したかっただけではないでしょう。もしそうだったなら、このような作品の体裁にする必要はなく、“北村薫著 エラリー・クイーン論”としていつでも発表できる機会はあったと思われます)”
“なぜ、こんなにも「注」を多用しているのか?”
“なぜ、日本人としてはそのままでは理解し難いような描写・展開がなされるのか?”etc.

ひとつひとつの“なぜ”だけでは意味のわからなかったものが、ひとつの物語に織り上がると・・・。それら全てが、綿密な計算の上に成り立った必然であったことがわかります。
 自分が“なぜ“と問い掛ければ問い掛けるほど、その答えが返ってくるような本作。作品の中の世界のみならず、それを読む私たちまでもが作品の登場人物 となり謎を解いていくかのようです。まさに名作!!

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紙の本紙魚家崩壊 九つの謎

2006/05/25 23:47

文字の中に秘められた文字

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「文字の中に秘められた文字」
とでも表現すればよいのでしょうか。

例えば、日本のお札。よくよく目を凝らすと、いろいろなところで小さな文字が線を描き、その線が文字や絵を描いていることに気づく。

北村薫さんの作品を読んでいて、いつも感じるのがこの感覚。
個々の物語を楽しみ、その中に隠された物語(まさに「謎」でしょう)に触れ、それがいっそう物語を豊かにする。
そして本作のように、一見バラバラであった物語が、約15年の時の流れの果てに一冊の本にまとまると、その個々の物語が組み合わさり、さらに大きな物語を構成してるかのようです。
まるで、この本のこの場所にあるために、生まれてきたような感覚にとらわれます。
進めば進むほど奥がどこまでも続いていくかような、見つめれば見つめるほど底が深くなっていくかのような作品です。
何度も読み返して、味わいたいように思います。

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紙の本モノレールねこ

2006/12/17 06:41

“絆”が生まれるとき

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

とても加納さんらしい、優しさ溢れる作品です。
カバー装画や章扉イラストが、個人的に加納作品にベスト・マッチだと思っている菊池健さんの手によるものなのも嬉しいところ。

本作のテーマは“絆”。
8つの物語の中で,さまざまな“絆”が描かれていますが、その底に流れるものは“想い、信じること”なのでしょうね。
近くにいても,いや近くにいるからこそ、時にはすれ違うことがある。上手くいかないことがある。傷つけ合うこともある。
だけど、見えずにいた“想い”に気づいたとき、それを“信じる”ことができたとき、新たな“絆”が生まれる。それは、もう決して揺るぎはしない。

『モノレールねこ』によって繋がれていく絆に始まり、
巧妙な謎の提示により読者をすっかり物語の中に引き込み、また描写の妙によって鮮やかなパズルを作り上げる『パズルの中の犬』、
ヴィクター・ヤング作曲、ネッド・ワシントンの作詞の名曲 My Foolish Heart ならぬ『マイ・フーリッシュ・アンクル』、
恋愛ホラー・アンソロジー『勿忘草』にも収録されていた『シンデレラのお城』、
同様に『黄昏ホテル』にも収録されいた『セイムタイム・ネクストイヤー』
某有名作家の超有名作品をあえて連想させて鮮やかな着地を決める『ちょうちょう』、
人物の名前を出さずに描くことが、非常に効果的に働いている『ポトスの樹』、
そして、堂々のラストを飾る『バルタン最期の日』。
加納さん、ほんとうに巧いなぁ。

初期作品では、作者が主人公の手を引きながら一緒に歩んでいるような印象で、それはそれで魅力的だったのですが、
近年、特に『コッペリア』以降の作品は、視点が一つ高くなって、作品全体を暖かく見守っているかのように感じます。
加納さん、まだまだ進化していますねぇ。これから益々楽しみです。

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紙の本ひとがた流し

2006/12/09 08:54

一つの「形」から生まれるもの

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

朝日新聞の夕刊に2005年8月20日〜2006年3月23日の期間連載されていた『ひとがた流し』。
間違いなく、作家 北村薫の一つの到達点といえる作品です。
 
連載直前の8月15日、作者の北村さんは紙面上に次のような文章を寄せています。
 
「どうにもならない障害があるため愛が一層輝くーといった物語は数多くあります。そういう「形」を、読者の涙を絞るためのあざといものと眉をひそめる人も、多いと思います。ところが、そうした人間関係の「形」も、現実には泣けるだけのものではありません。そんなところを見つめながら、書き始めようと思っています」
 
これが、本作を描く上での北村さんのひとつの決意だったのでしょうね。
純愛・感動物のブームで、あまりにも安易に読者の涙を搾り取ろうとするような作品が存在する今だからこそ、この“人間関係の「形」”通りの中で何を描けるか、真っ向から挑戦したのでしょう。
この決意は、本文p. 113から始まる類から玲への言葉の中にも感じられます。
 
それゆえ、本作のストーリーは特別なものではありません。
まさに一つの「形」通り。
 
しかし、そこに描かれるものは決して平凡ではない。
“北村印”の美しい言葉によって丁寧に紡がれていく世界を読み進めるにつれ、私たち読者は、確かにそこに存在する「生」を感じるはずです。
二つと同じものは存在しない、二度と繰り返されることのない、かけがえのない「時」を。
そして、「人が生きていく」という意味を。
 
「形」通りという決意、付記に記しているように>という言葉を使わないという決意、
その上で生み出されたこの物語が、なんと切なくも暖かいことか!
平凡に見える日常の中に、どれほどの輝きが秘められていることか!
 
2006年、いろいろな本を読みましたが、やはりこの作品が最も感動し、印象に残っています。
これから>を食べ、ふと思い出すたびに、読み返していくだろうなぁ。

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紙の本ななつのこものがたり

2005/10/04 11:52

あたたかい出会いの一冊

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ついに発売されました!
絵本版『ななつのこ』。
発売されるとウワサを聞きつつ、ずっと心待ちにしておりました。
さっそく物語を紐解くと・・・
目の前に広がったのは、どこまでもどこまでも美しく、懐かしく、優しい世界。
素晴らしい絵、素晴らしい文、もう最高!!
また、嬉しさが半減してしまわないように詳しくは書きませんが、
“駒子シリーズ”ファンにとって思わず微笑んでしまうような嬉しい仕掛けもいっぱいです。
“はやてくん”と“あやめさん”の出会い。
“加納さん”と“菊池さん”の出会い。
そして『ななつのこものがたり』と“私たち”の出会い。
あたたかい気持ちがいっぱいの全ての出会いに、ありがとう!!

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紙の本野球の国のアリス

2008/09/15 23:37

読み手によって、その時の気持ちによって

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

北村さんの新刊、講談社の“かつて子どもだったあなたと少年少女のための”ミステリーランド・シリーズからの一冊“Alice’s adventures in the baseball land”。

やっぱり北村さんは良いなぁ。
美しい日本語、ルイス・キャロルに通じるような言葉遊び。
<<ウサギ>>さん、ニヤニヤ笑う<<猫>>、<<大変だ、大変だ!首をちょん切られちまう!>>、ウサギさんとの<<お茶会>>、<<赤の女王様>>などなど、『不思議の国のアリス』や『鏡の国のアリス』からの小道具で楽しませてくれると共に、
子どもたちに、<<はてな>>を感じることができる心(=“ミステリ”の心、ですよね)、より多くの幸せをキャッチするための心を育むような、暗喩に満ちた上質な物語に仕上がっています。
ある人は、“アリスの冒険”を楽しむかもしれない。またある人は、“野球の面白さ”を受け取るかもしれない。はたまた、“友情”を感じるかもしれない。“別れ”かもしれない、“成長”かもしれない、“再会”かもしれない。

読み手によって、その時の気持ちによって、いろんな味わいで楽しめるとても素敵な一冊でした。

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紙の本1950年のバックトス

2007/08/28 04:25

一瞬と永遠

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

北村さんの待望の新刊、「もったいない、もったいない」と思いつつも途中で止められず、一気に読んでしまいました。
1995年に『小説新潮』に掲載された『百物語』から、今年 『yomyom vol.3』 に載った『ほたてステーキと鰻』までの23篇が収められています。

不思議な話、笑える話、心が暖かくなる話などなど、いろいろなタイプの物が収録されていますが、
その底辺に流れるのは、北村さんの作品に共通するテーマ“時と人”。
本作はその中でも、“一瞬と永遠”に重きを置いているように感じられます。

特に私が好きだったのは、

p. 9、6行目の理由を考えるとまた深い 『百物語』
物語の進め方とタイトルが妙の『包丁』
心の動きの謎を描いた『恐怖映画』
ラストがにくい『洒落小町』
本格推理と小説が幸福な結婚をした“日常の謎”作品『凱旋』
素直にいいなぁと感じされられる『雪が降ってきました』
夫婦の刻んできた時・刻んでいく時を描いた『石段・大きな木の下で』
表題作『1950年のバックトス』
林檎ジュース色の道『林檎の香』
そして『ひとがた流し』の続編『ほたてステーキと鰻』

・・・って、ついつい、いっぱいあげてしまいましたが(笑)、どれもこれも絶品なんです。
『ほたてステーキと鰻』がラストに来ているのがまた絶妙ですよねぇ。
p. 239 の最後の1行に、各篇の一瞬・永遠と表紙が繋がったように感じられました。

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