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先月(2017年8月)

ミムラ・エ・ミーさんのレビュー一覧

投稿者:ミムラ・エ・ミー

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本星の王子さま 新版

2005/08/29 12:08

なんて美しい物語

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 最近、新訳が次々に出て話題になっているが、懐かしいこの本を、久しぶりに再読してみた。砂漠の夜に星がさえざえと輝くような美しさに、やはり陶然となる。小さい子供の悲しみや孤独が感じられて、胸が痛むような気もした。そして今までと同じく、愛の真髄を語るキツネのけなげさが、とりわけ心に残った。いってみれば、王子さまへの愛の告白をし、別れた後も、王子さまの思い出を大切にしようとするキツネ(なんと、いじらしい)。その愛は、語り手である飛行士にも、(そしてもちろん読者にも)生まれる。みんな、王子さまを愛さずにはいられない。だが愛は悲しみを伴う。飛行士の悲しみ。これはこたえる。たまらなくつらい。その一方で、愛情はあっても、その描写は抑制が効き、節度が保たれている。この適度な距離感もまたダンディーでいい。
 王子さまの星に咲く花も、王子さまの大事な愛の対象であり、物語の随所で話題にされているが、そのモデルは、作者の美しくもわがままな妻だったようだ。この本を読むと、作者は相当、奥さんに振り回されたのかな、とも、その美しさに、だいぶ参っていたらしい、とも思える。
 ともあれ、飛行士だった作者の砂漠での遭難体験が、このような美しい物語に結実したことは、まるで奇跡のように、うれしいことである。

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紙の本ライオンと魔女 新版

2005/09/15 12:30

印象的な衣装だんすの導入部

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

映画化決定で話題になったことなどもあって、久しぶりに手に取ってみた。子どものころに読んで以来である。当時は、家の洋服だんすや、押し入れの奥を、本気で確かめたほど夢中になったのに、なんと、それ以外の内容は、すっかり忘れていた。主人公が四人の兄弟姉妹だったことも、題名のライオンや魔女がどういうキャラクターなのかも、結末さえも、てんで覚えていなかった。読んでいるうちに思い出すだろうと思っていたのに、まったく思い出さず、われながら、あきれたが、その代わり、初めて読むように楽しめたので、得したわけである。
主人公が兄弟姉妹で、しかもその中にやや悪役に近い子がいるという設定は、割と珍しいのではないだろうか。兄弟間の争いが緊張を生み、意外な人間くささも感じさせる。また主人公に女の子二人が含まれているせいか、おかみさん風のキャラクターも活躍するせいか、『ホビットの冒険』や『指輪物語』より、身近で親しみやすくも感じられた。
やはりあの衣装だんすの導入部は、不滅の設定なのだろう。わたしの場合、あの印象があまりに強くて、ほかのことが頭から飛んでいってしまったようだ。今でも、洋服だんすに首を突っ込むと、ふと心躍ることがある。いつまでも夢を届けてくれるファンタジーだと思う。

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紙の本風と共に去りぬ 改版 1

2005/07/02 13:57

壮大な愛と時代と、そして……

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アメリカ南部の情熱的な女性を主人公に、南北戦争をはさんで、時代に翻弄されながらも、たくましく生き抜く姿を描いた大作、とわたしはとらえています。人種問題では批判もある小説ですが、魅力的な登場人物たちの恋の行方に、胸躍らせて読んでしまいます。
映画の印象が強い作品ですが、登場人物の中で、主人公の恋敵メラニーのキャラクターが、映画と原作とで微妙に違っているように思いました。映画では従順で誠実な古風な女性というふうに描かれていたと思いますが、小説を読むと、意外と活動的で強い面もあることがわかります。夫とも文学論争などしていますし、戦中戦後という特殊な状況下ではありますが、負傷者の看護などの奉仕活動に奔走しています。愛情や優しさからとはいえ、外での活動に非常に積極的なのです。彼女が行動的な主人公スカーレットを好きだったのも、案外、自分との共通点を感じていたからかもしれません。そして人々から尊敬を集め、広く地域社会のまとめ役やカウンセラーのような役割も果たしています。おとなしくて善良なだけではない、非凡な女性なのです。
一方スカーレットも、美貌や気の強さが強調されがちですが、暗算や分数などの計算が得意という特技も持っています。男を追いかけることと金もうけに熱心なのも、結局、戦前のように楽しく遊びたいからであり、そう考えると哀れでもあります。過去を振り返ることを嫌いながら、心の底では過去の幸福な時間こそ、彼女が求めてやまないものだったのかもしれません。それでも危機には立ち向かい、自分だけでなく家族のために苦難を乗り越えようとするのですから、やはりたくましくて、非常に責任感の強い女性だともいえるでしょう。
家族への愛にあふれ、人のために生きたメラニーと、家族を守るためにがむしゃらに頑張ったスカーレットと、どちらも少し前の世代の日本女性に通じるところがあるような気がしました。
大まかにいって、作者自身がスカーレットのモデル、母エレンとメラニーは作者の母親がモデルだったそうで、人間的に偉大な母親と出来の悪い娘という構図もみえます。この小説は壮大な愛と時代を描くと同時に、母と娘の物語なのかもしれません。

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