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マリンさんのレビュー一覧

投稿者:マリン

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本チーム・バチスタの栄光

2006/08/01 01:09

最近の新人賞作品では白眉

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作のこの作品。
新人賞を取った作品は大体読むようにしているけど「本当に新人の作品?」と驚いてしまった。満場一致で大賞受賞するのが理解できる。久しぶりに先が気になる本。新人とは思えないリーダビリティでした。
拡張型心筋症例の高難易度手術「バチスタ」。
天才外科医・桐生を中心としたチームはこの手術を30回連続で成功し「チーム・バチスタの奇跡」と呼ばれていた。
そんなチームが3回連続手術を失敗し、患者を術中死させてしまう。
執刀ミスなのか医療事故なのか、それとも殺人なのか。
調査を依頼されるのは、出世意欲のない万年講師の田口。
田口は不定愁訴外来の医師。
不定愁訴外来は患者の苦痛や悩みや訴えを聞いてやる所。
その性質と田口の名前から「愚痴外来」と陰で呼ばれている。
田口は持ち前の聞き取り能力を用いてチームメンバーをインタビューするが解決の糸口はつかめない。
そんなところへ調査の助っ人として厚生省から白鳥という男がやってくる。こんなストーリー。
この作品の魅力は選考委員たちが口をそろえているとおりキャラクター。主人公田口はもちろん、厚生省の役人とは思えないはちゃめちゃな白鳥。天才外科医の桐生も人間味に溢れているし、助手たちも個性的。普通こういうテーマでは悪く描かれる病院長も
こんな上司がいたらいいなあと思わせる人物。
特に白鳥はシリーズ化してほしい。それと会話には出てくるが登場しない白鳥の部下は次回作でぜひ見たい。
夢中になって読み終わり、最後に選評が載っていて
「あ、そういえば新人だった」と思い出したくらい
最近の新人賞作品では白眉。

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Op.ローズダスト 下

2006/05/02 00:22

熱い熱い熱い

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

福井晴敏3年半ぶりの長編。「亡国のイージス」から6年後の2006年。「亡国の
イージス」が1999年発行だからリアルタイムで小説内の時間も動いているという
ことになってます。如月や仙石が出てくるわけではないのですが、「亡国のイー
ジス」や『ステイン6』収録の短編「920を待ちながら」などを読んでいると思わ
ずニヤリとする場面が出てきます。「亡国のイージス」を読んだ方は是非読んで
ほしいし、読んでいない方でも問題なく楽しめると思います。
冒頭は眼前に日本海が広がる崖の上。入江一功、丹原朋希、堀部三佳の3人の少
年少女の言葉遊びから始まります。その遊びは新しい言葉探し。
「国益」「古い」
「主権」「古いなあ」
やりとりをする間に海から『波の花』が舞い上がる。朋希は「薔薇みたい」とつ
ぶやき、一功は「綿埃じゃねえか」と茶化す。二人の言葉を聞いた三佳が「ロー
ズダスト」と言う。朋希と一功の言葉を合わせた新しい言葉。古い言葉から新し
い言葉を作り出す。古い物から新しい物を、古い考え方から新しい思想を、そん
な希望のある少年少女の姿からスタートするのです。この数ページ読んだだけ
で、もう福井ワールドにやられてました。私。
興味ある人は本屋でこの場面だけ立ち読みしてみてください、いいシーンだから。
この「ローズダスト」を名乗るテロリストに日本が襲われるというストーリー。
簡単に言うとそれだけなんだけど、それはそれ福井晴敏ですから。二転三転して
驚愕の結末へ・・・という感じです。
本の帯に「もはや映画化不可能!」とありましたが、そりゃそうだろと読み終
わってから思いました。ビルの地下駐車場を爆破するテロから始まり、お台場で
のカーチェイスや銃撃戦。これだけでもすんごいことになってますが、最終章は
こんなもんじゃない。とんでもない事態になります。こんなテロシーンが小説で
描かれたことはかつてないと思います。
日本の旧態依然とした官僚主義や、生ぬるい危機管理体制。米国主導の外交や、
近隣諸国の脅威への無知。自分たちのミスを隠すことしか考えない上層部や、実
戦経験に乏しい自衛隊。テロリストたちは容赦なく弱点を突いて翻弄し、現存す
るシステムでは対応できない対策本部は右往左往。結局は事にあたる個人の信念
が、テロに対抗する唯一の光となっていきます。この登場人物たちがとにかく熱
い。冷静に描かれていた人物たちも、信じられない状況を目の当たりにして冷静
ではなくなっていきます。登場人物たちが徐々に熱くなっていくのにつれ、読ん
でいる者の心も次第に熱くなっていく感じ。
大変な最悪の事態になっていくんだけどクライマックスが近づく頃には、個人個
人は誰も悪くないんじゃないかと思えてきます。テロリストにでさえ、その熱い
気持ちに心動かされます。
大事な人のため、大切な仲間のため、そして愛する日本のために戦う、火傷する
ほど熱い人間たちの物語。上下巻1100頁超というボリュームですが少しも無駄な
部分がない作品だと思います。お薦めです。

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