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ふくろうさんのレビュー一覧

投稿者:ふくろう

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紙の本『イーリアス』日記

2005/09/26 13:29

無名が相応しい著者による出色の読書日記

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「(なんとか)日記」と題する本が流行っている、氾濫しているといっていいくらいだ。本書も語り口は軽く(時には軽薄すれすれのくだりまである)その流れに掉さしているかに見える。しかし本質は違う。凡百の類書とは全く次元を異にしている。
365日をかけてホメーロスの詩篇を原文に則して丁寧に読み解いていく。すると『イーリアス』の出来事と平行して綴られる著者の日々の出来事との間に不思議な照応が成り立っていることに気づく。
日記なので日々の出来事に脈絡はないはずなのだが、『イーリアス』を鏡にすることで人生を貫く原理が照らし出されていく気がする。
大古典をこれだけ親しく読んだ例は寡聞にして知らない。いや他の大古典ついてもこれほど身に引き付けて読んだ記録は稀なのではないか。
著者はどんな人なのか。俳人らしいがいろいろ検索しても出てこないので無名に近い人なのだろう。もっともそのほうが本書の著者としては相応しいようだ。

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