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虹釜太郎(http://www.360records.net)さんのレビュー一覧

投稿者:虹釜太郎(http://www.360records.net)

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スターシップと俳句

2005/11/04 23:28

光笑と過夢が裂衝飛沫する、タイの現代音楽家による異色「俳句クジラ」SF!!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイ国籍で、タイのバンコク生まれの、現代音楽家にしてSF作家ソムトウ・スチャリトクルのこの小説にはスッポコな俳句がいろいろでてきます。「赤とんぼ 羽をむしれば とんがらし」とか思わず脱力してしまいますが、なぜかその脱力っぷりにひかれて読み進んでしまいます。百万年におよぶヒト=クジラ間の通話不能状態がついに破られることになるこの舞台ではなぜかスッポコな俳句が鍵を握っています。ウルトラマンの異色シリーズとしてタイで制作された映画『ハヌマーン』を見直し、「Electronica with baroque polyphony」と評されるねじれたメロディーとパカスカイなキュートさにあふれるタイ人クリケットパールによる、タイの「デクネェ〜オ」も大喜びのタイで突然変異した戦闘妖精雪風のようなアジア発の機械生物を想像してしまう、変容と変形を重ねるビートがここちいいタイ発スッポコ最新電子音楽『エンドジョイ』(http://blog.goo.ne.jp/clayinfo)を聴きながら読み進めると、スッポコな俳句にすっかり調子を狂わされ心地よい気分に。「サマザマナ モノオモイダス サクラカナ」な俳句をタイ人である作者が、つくり出してるかと思うと、可笑しいです。著者はホラー映画ファンにして、ローラー・コースター狂であるということですが、そんな著者のデザインする遊園地でぜひ遊んでみたいものです。ヒチリキやシャクハチの響きとクジラの超越的な啓示がどうシンクロするのか!? 同じ著者の『ヴァンパイア・ジャンクション』 に比べるとずいぶんリラックスして書き飛ばしていて、人類とクジラとのファースト・コンタクトという一見硬質なテーマからは想像できない脱力な笑いを誘発することに成功している異色作! 光笑と過夢が裂衝飛沫する衝撃の展開は、くじら座タウ星に達する頃には、あなたもパソコン黎明期の対話ソフトの奏でる俳句のような「HAIKU」を口ずさんでいるかもしれません。

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