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ひろぽんさんのレビュー一覧

投稿者:ひろぽん

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本もうひとつの島の時間

2008/11/18 16:26

場所も時間も色もそぎ落とされて

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『島の時間』(06.クレオ)に続く、琉球諸島を撮りためた写真集である。前作と編集方針が少し違うようで、モノクロームにて統一されている。1983年から2008年のあいだに琉球諸島16の島々で撮影したという大枠なデータしかなく、私は初め、無意識に、この写真はいつごろのものか、どこで撮ったか推測しようとしていた。でも、これがわからない。何度も見返すうちに、場所や時間なんかとっても小さなことで、厳然と、綿々とそこにある島の暮らし、人の暮らしを見つめるのにそんなものは必要ないことがわかってくる。
 庭の片隅の資材にまぎれてちょこんと在る白骨化した山羊の角の見開き対ページには、灌木の中の初々しい子山羊。この二つは血縁関係があるのか、同一の個体なのか、なんなのか。また、ひっそり佇むこの商店は廃業なのか、開店休業なのか、れっきと開業しているのか。そんなことは些細なことで、凝縮されたもっと大きな大きなバトンワークを想い馳せらされる。そしてどこへ続くのか年季の入った石積みが縫う林の小径にはキジムナーの声がこだましているようだ(どんな声かはしらないけど)。
 前作の評で、私は「(匂い湧き立ち、むせかえるように濃密だけど、)読者にとっては他人の日常だから淡白だ」と書いた。最早そんな悠長な事を言っている場合ではない。場所も時間も色もそぎ落とされて、読者は本質を突き付けられ、きちんとした対峙を迫られる。もちろん前作と連動しての本作であるが、似て非なる本作である。

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湧き立つ匂い

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ひょんなきっかけで手にすることになったこの写真集、それぞれのページからはまるで匂いが湧き立ってくるようだ。草いきれのなかの水牛や、じゃれあうネコの動物臭。築百年ものの住宅の生活臭。鴨居にかけられた紅型の晴れ着からは樟脳の香り。たすきがけして祭の身支度を整える青年の顔からはドーランの匂い。そして土手で足を投げ出し、おそらく祭を見物しているのであろう、おっちゃんやおばちゃんの足の裏の匂いまでしてきそうだ(そんなに臭そうじゃないよ)。
 南国八重山諸島の日常を切り取った本書は氏の初の写真集となるそうである。00〜05年に3度にわたって開催された個展「島の時間1〜3」の集大成といったところなのでしょう。
 よくある観光写真も南国の島の一面には違いないが、ここにあるのは、この島に暮らす人々が毎日毎日、ずっとずっと、まとい続ける日常、『島の時間』だ。だから濃密で、むせ返るほどでありながらも、それは他人の日常ゆえに、本著を手に取る者の心にとってはとても淡白だ。

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紙の本めしもり山のまねっこ木

2009/02/04 15:51

夢なんか叶わなくってもいいんだよ、逃げたっていいんだよ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 川を越え、野原を越えてずんずん山道をいくと、めしもりやまがあって、そのうらには、まねっこ木がそびえ立っている。まねっこ木の前に立つと、その木はいろんなものに姿を変える。ニンくんが立つと消防車に、あさがおの水やり係のクミちゃんが立つと大きなくるま付きのじょうろに、・・・。ところがコウタくんがまねっこ木の前に立つと、木は大蛇に…。
 
 帯のキャッチコピーには「夢のコラボレーション」とあり、まさにその通り、絵も文も圧倒的な勢いで最後まで突き進む。だが、表面的にはいろいろ唐突に展開するのだ。まねっこ木は何を体現してくれてんの? なんでまねっこ木が変身したものにみんな姿が突然変わんの? なんでコウタはそのままなん? えーっ、おおぐちだににたどり着けたかどうか結論出てへんやん? ??? いくつもの疑問に取付かれて、行きつ戻りつ読み返す。何度も読み返す。・・・ 少しづつ、見えてくる。
 説明不足か? 否。一から十まで懇切丁寧に説明する取り合扱い説明書みたいにヤボな仕掛けにはなっていないのだ。文字間、絵間?! に必要なものだけ詰め込んで、あとは読者の消化力にあわせて吸収・排泄。すぐれた作品って絵本に限らず、どんなふうに表現されたものでも、本来そういうものだけど、これも、そういう噛めば噛むほどの「するめ作品」である。

 みんなそれなりになりたいものになってるのに、コウタはいつまでも小さいまんま。さらに自分の後始末をつけられないどころか、コウタの招いた災難に皆は振り回される。それでも皆はコウタを見捨てず、なんでものみ込むというおおぐちだに目指して逃げる。
 にっちもさっちも八方塞がりでも、拾う神あり、周りに迷惑かけたおしてでも、なんとか、走り続ければ、走れなかったら誰かにおんぶにだっこでも、それでも、きっとおおぐちだにはあるのだと、おおぐちだにを目指せばよいのだと励まされる。
 そして、こんな野暮な小理屈を捏ねなくても、この、圧倒的な勢いを楽しめば、それだけでよいのである。

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野菜のハナシ、てんこもり!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 編集を担った会の年報第30号ということで、長編論文ばっかりだったらどうしよう、と不安もよぎったが、なんの、全くの杞憂。野菜万歳と書いて「やさいまんさい」と読まし、「ばんざい・マンザイ・満載」と3通りの読み方そのとおり、野菜への賛歌が面白おかしくてんこもりであった。野菜ジュース飲み比べレポートあり、料理人側からの寄稿あり、トウガラシ考、うどんや大豆の話・・・。なかでも、食糧生産史上欠くことのできない下肥と、女性の立小便をからめたレポートの切り口は面白かった。女のタチションって、何なん?とがっちり惹きつけておき、汚れネタであるにもかかわらず、読後はご先祖様たちのささやかで等身大の叡智に誇りを覚えた。
 また、会員各人の野菜への思い入れコラムにも多くのページを割き、会報であるのだな、と慮られ、これがまた、皆さん自由闊達饒舌流暢に語られ、気楽に読ませてもらえる。会の重鎮とみられる方に至っては野菜賛歌がテーマである本書にして「ワシは野菜は嫌いや」との豪語である。懐の深い会報である。
 関西を拠点にする会ゆえに、どうしても、他地方からしてみれば馴染みや実感が湧きにくい題材もあろうが、普遍的なところは外れてないので、野菜好きも野菜嫌いも楽しめる1冊である。

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すばらしき大和撫子

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 不肖・宮嶋、満を持して女性自衛官写真集第2弾。撮りためた自衛隊で活躍する数々の美女を不肖節でコメントしまくる。今回は航空自衛隊に限ったので「空飛ぶ大和撫子」。
 配下の方々に花になってもらい、周りも被写体もセッティングされたポーズで遊んでみたり、ネクタイを締めた正装系の制服では緊張した面持ちの方もいらっしゃるが、訓練服や普段のリラックスした姿はどなたの表情もなんとすばらしいことよ。なんと輝かしく清々しく颯爽としたことよ。なんと頼もしいことよ。
 当方、不肖ファンとは言え、コアなミリタリーものは不得手。宮嶋茂樹の撮影でなければ絶対手にしないジャンルだ。しかし、自衛隊世界の端くれを垣間見るいい機会となった。防衛の是非、自衛隊の是非、派兵の是非、あれだけの配備の是非等はここではちょっと横に置いておき、現場の人間の魅力を堪能しよう。
 表紙などの第一印象(ぱっと見)ほど禁断の世界では決してない。メディア一般の「プロのお仕事拝見もの」としても通用する部分は十分に兼ね備えている。
 巻末おまけ:不肖・宮嶋 航空学生受験レポート

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素語り「情報対処術」

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本シリーズ「14歳の渡世術」のキャッチコピーは「中学生から大人まで」。そこそこメディア露出度のある濃い執筆陣で固めてある。その中の一冊ということで、十代に語りかけるメッセージ形式をとり、いつもの不肖節は無し。
 ともかく、メディアという得体の知れないものの受け止め方だけにとどまらず、ありとあらゆる情報に対する姿勢、とどのつまり、自分に必要なものは自分の目で足で五感でついでに第六感も総動員してオノレの身をもって体得せよ、バーチャルな世界に閉じこもるなかれ、という宮嶋氏のポリシーが述べられる。
 確かに普段不肖宮嶋シリーズに慣れ親しんでいる者にとっては当初戸惑ったし、突っ込みどころもあるが、主旨は素直に伝わってくる。毒気を抜いた「子供に安心して渡せる宮嶋本」である。むしろ、不肖節でこの手のことをまくしたてられると、初めて手にする者は引いてしまうかもしれないから、これで成功している、と思う反面、ここから次に手記ものの本来の不肖節に触れた時こそ引いてしまって、結局不肖宮嶋の神髄を味わうきっかけを逃してしまうのではないか、とも、あれこれ杞憂。しかし不肖節と一口に謂えども、いくつかのパターンがあるので、これも数のうち、いろいろ、すべて宮嶋茂樹氏なのだ。
 読者対象は「中学生」とあるが、かつての中学生にとっちゃ、「なるほど、そらそうや、そこんとこきっちり言うとかんと」と再確認して納得させられる内容である。

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紙の本不肖・宮嶋青春記

2006/11/24 16:01

トークショーなるファンブックと質疑応答マニュアル

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 おなじみの不肖節が役者で言うところの舞台や映画であるならば、花田編集長相手にくっちゃべったハナシの再録である本著は、役者が素顔らしきものをさらす「トークショー」にあたる。よって、ぼそぼそした語り口に終始し、不肖節は無し。ネタもあとがきにあるとおり、既出モノが多い。
 じゃあ、この本の意義ってなんだ。
 ひとつは、講演会後などで必ず聞かれるであろう、「自分は写真をやりたいが、一言アドバイスを」という問いに、「覚悟せなあかんことは、これに大体のこと書いたから」と手渡せるような質疑応答マニュアルだ。『青少年に的を絞った』『マスコミの学校叢書』とはそういうことだろう。
 ふたつめは、前述、素顔らしきものをさらす「トークショー」を楽しむファンブックだ。一連の代表作とは一線を画する余興だ。「不肖宮嶋」自体、報道カメラマン宮嶋茂樹の余興で始まったみたいなものだから、さらなる余興か。
 そもそも、「不肖宮嶋」は周知の通り、勝谷誠彦氏と共に産み出され、宮嶋茂樹が育て上げたキャラである。宮嶋茂樹が不肖宮嶋の口(筆?)を借りて演ずる作品である。そして、7の事実と3のハッタリの向こう側に、見えそで、見えない11番目の真実があるのかどうかと思い巡らすのが、不肖宮嶋を2倍楽しむ方法だと私は思っている。
 それを本著は、真実かな、素顔かな、と思わせられるようなものが6割くらい楽しめるのだ。残り4割は『そのまま活字にしたら命がいくつあっても足りないので薄めた』部分でしょう。離婚のくだりなんかは、既著のハッタリに包んだ表現と違い、リアルな分だけ身勝手さも目立ち、男てこんなもんかと呆れるが、(大多数の男性諸氏はそんなことないと思いますが)そうとしか生きてこられなかった不器用さをさらけだすのが初めからの目論見と思われるので、「惚れるな」というメッセージも成功している。
 見えそで見えないなんて、スケベ記事みたいな安っぽい表現だが、妖艶なおネエさんであっても、エエ男の胸のウチであっても、御簾の向こう側に焦がれる心理は普遍だろう。宮嶋茂樹に惚れるわけにはいかぬが、不肖宮嶋には心酔しているからね。

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