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ポプリさんのレビュー一覧

投稿者:ポプリ

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本重力ピエロ

2006/08/02 10:57

自分を肯定して生きていく為に

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

異色なミステリーだ。28年前に30回以上の連続レイプ事件が起こり、その時美人の若い母親も強姦され妊娠した。夫は迷ったけれど心優しくて、出産の許可を出し、そして主人公である私・和泉に2歳年下の弟「春」が生まれたのが、事の始まり。幸せな家族だったが、妬みもあって近所からは強姦魔の子どもだ、との陰口が続いた。
その春が27歳の時に、昔の連続レイプ事件と同じ場所で、連続放火事件が発生した。そこに謎めいた落書きが発見され、そしてかつての強姦魔が殺された。その事件の現場には、必ず春が居合わせていたのだ…。この春は、育ての父親を深く愛し兄とも強く心が結ばれ、優しさや悪を憎む強さがかっこ良くて、読後感をとても良いものにしている。
春を追いかける整形美人のストーカーが面白いし、春の母親(レイプの被害者)は魅力的で、人物が、強姦魔以外はみな素敵で華やかに登場する。
レイプの結果生まれた子、という設定がシリアスで真正面からレイプを扱ってこの作品はゆるがない。遺伝子DNAの二重ラセンがキーワードになって少し複雑な感じがする。タイトルの「重力ピエロ」の意味は、《空中ブランコのピエロは楽しそうだから落ちるわけ無い》《楽しそうに生きていれば地球の重力なんてなくなる》、という、春の両親の会話の中にある。
読み終わって、「あ〜面白かった。本当に面白かった」と、心のそこから思えた。本当は、こんな風には生まれてきたくなかった春、自分の中にある強姦魔の遺伝子を憎む春が、自己を肯定して生きるために、赤の他人の実父を仇にするという、重いテーマだけれど、ユーモアたっぷりに楽しく書かれていて、涙が出るほど楽しめる。(あっ、つまりは、春はピエロなんだろうか、哀しく切ない憐れな、ホンモノのピエロ)

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邪悪な人は何処にでもいて周囲の人を傷つけている、という事実を伝える本

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者は米国の精神科医であり、心理療法カウンセラー。
 私は嘘をつく事は悪い事だと信じていました。「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるよ」との表現通り、偽りは真実を隠して虚偽の世界を自分に都合よく描く、愚かで虚しく悪い行為であると思っていました。正直であることが当たり前と思っていました。
 大人になって、嘘も方便で、使い分けたりしてますが、基本的には、心の中に罪悪感があり「嘘を付く事」を一人恥じ入っていました。そして、誰もがそのようなものだと思っていたのですが、この本を読んで、その考えが覆りました。そうでない人がいるのです。
 身勝手な人は、他人を支配し貶(おとし)めることが面白くて止められません。そのためには、嘘をついたり騙したり欺いたり、あの手この手を使うのです。自分だけを愛するあまり、他人を受け入れる心の余裕を持たず、またそれを必要としないのです。過度のナルシストです。自分には欠点が無いと思い込み、意志が異常に強く、罪悪感や自責の念に耐えることを絶対に拒否し、他人をスケープゴートにして責任を転嫁し、体面や世間体を繕い、他人から善人だと思われることを強く望む…こんな邪悪な人たちがどこにでも普通にいるのです。
 私はこの本を読んで、今まで長い間、自分が苦しめられ悩まされていた理由がわかって晴れ晴れとした気分になりました。もし人から責められ傷つけられ続けて、苦しんでいる人がいたら読んでみると良いです。その相手の心の中の邪悪さが見えてきて、自分を守る方法が分かってきます。

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芯が強く魅力的なちひろは、潔癖だった?わがままだった?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 いわさきちひろが再婚だとは知っていましたが、最初のときが悲劇で終わったとは知りませんでした。
 親が決めた結婚で、当時で最高の挙式をあげ、華々しく始まった新婚生活でしたが、相手が嫌いなちひろは、一度も体を触れ合わせず、一年余りで相手が傷心して縊死してしまったのです。こういった彼女の暗い過去をもう時効でしょうと黒柳さんが出版する運びになったわけです。
 ちひろさんがどんな人であったか、インタビューを中心に関係者の話から実像に迫ります。

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紙の本福祉と人権

2006/08/23 16:12

差別のなくなるのを願って書かれた本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者は千葉敬愛短期大学の教授です。現在の差別の実態と、福祉の面からの対策を提言しています。
 差別とは、弱者に対してなされるのです。障害者差別・女性差別・高齢者差別・人種差別・学歴差別・地域差別・外国人差別・部落差別などで、すべて強者による弱者の差別なのです。それらの差別について、学生のレポートや、差別を現に受けている人からの手記を豊富に紹介しながら、分かりやすく問題提議をしています。
 特に身近で深刻な差別として「部落差別」を取り上げています。本来ならば歴史の中に埋もれ過去の遺物と化していくであろうと誰もが信じていた問題ですが、現実は根強く残って人々を苦しめているわけです。これは放置できないと、この問題に光を当てさらけ出した著者は差別のなくなる日を強く願って書かれています。
 実はこの先生の講演を聴き、人柄に触れて感銘を受けたのが読むきっかけでした。

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紙の本あの道この道

2006/08/10 10:20

少女の清らかな心の表現が抜群にすばらしい

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 生まれてすぐに母親と死に別れた富豪の娘と、貧しい漁師の家に生まれた娘が、取り替えられて育てられた。氏より育ちなのか、血は争えないのか、それぞれの少女の翻弄される運命を涙を誘う独特の文章でつづる。
 お金持ちで意地悪で傲慢な少女と、貧しく可憐で賢く美しい少女が、係わり合いながら、最後には貧しい少女が幸福になる吉屋信子の典型的な物語なのです。

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