happysadさんのレビュー一覧
投稿者:happysad
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2004/10/05 22:16
カネに関することだけでなく、暮らしの全てを自分のアタマで考えるトレーニングに役立つ本。
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題名、そしてカラー写真がふんだんに挿入されるが、帯に「黄金の羽根のエッセンス!!」とあるように、その手の本。
「ささやかな幸福を実現することは、それほど難しくはない。必要なのはほんの少しの努力と工夫、自らの人生を自らの手で設計する基礎的な知識と技術だ。」
PART1の「幸福の法則」は、氏のほかの書物と共通する主張。
「ほとんどの人は正義のために生きてなどいない。自分と家族の幸福を守るために生きている。」
たとえ遠い世界で多くの命が失われようとも、私たちの日常は変わらない。だから、ニュースを見ながら小さなため息をつき、日々の仕事へと向かうのだ。
理不尽な世界で、私たちは目の前にある問題を、一つ一つ解決していくしかない。」
すべてをひっくり返す方法などない。
社会やシステムについて吼えたり正義をかざしても仕方がない。
もし変えたければ自分のできることから変えるべきだし、それができないならそもそもが転嫁でしかないのだ。
自分がいまできることの最善を尽くす、そこだけに真の生活があるのだろう。
よく考えよう、という話だ。
一方、PART2の「正しさの問題」では、社会システムについて吼えている。勿論、こうすべきだ!などとは言わない。提言である。こうした考え方ができるのでは、ということだ。煽動するようなものではない。行動を起こそう、なんてことも言わない。そこがいい。
デリケートな話題が多いが主張は合理的。
私は、もちろん全てに同意するわけではないが、この書物にあるような考え方、バランス感覚を忘れないようにしたいと思う。
紙の本バッテリー 1
2004/10/05 22:26
野球の話?ならいいや…というアナタにこそお奨め。
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題名から野球小説と思いがち(え? 充電池の話だと思ったって? そいつは読んでみたいねぇ…)だが、そうでもない。キャッチボールやピッチング、バッティングくらいは出てくるが、何せ少年は足し上げても9人も出てこない。小説の時間も、入学式まで流れず、その手前で終わる。ごく短時間の物語である。
その中で、自分の力だけを信じて生きてきた主人公の心の中の動き、母親や弟、地元の少年の様々な考えや事情、思いが交錯する。
児童文学という範疇にとどまらない名作と評判高い、成長物語である。ある種の新しい体験をし、新しい感情が芽生える、それに気づくというお話。しっかりした小説。
続編も買ったまま、きっかけなく本棚に眠っていたんだが、
読み始めたら、一日でした。
ムダ遣い日記
2004/10/05 22:08
構成の妙
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ふだん「面白いなぁと漠然に感じながら読んでいるが、構造が見事なのだろう。見知ったエピソードであっても組み立てに妙がある。
「マネー・ボール」のような話がある。
1人の有名選手の放出と引き換えに3人のダメ選手をトレードした球団。最初のうち、前者は好調、後者のチームは低迷する。が、3者3様に利点をいかして活躍し、一方の前者は持病から登録抹消となる。
勿論、この話は主ではなく、「マネー・ボール」のごとく、才能を見抜き、仕掛けた人物がいる。その人物とコレクションを合致させ、キャラクターづけをしている。
きっちり美術品をめぐる話を展開させながら、他の要素を取り込み、しかも「ギャラリーフェイク」として違和感のない展開にまとめる。この話は登場人物がやや多いものの、料理の仕方が上手い。骨格が揺らいでいないので、きちんと面白く仕上がっている。
最終面にはBESTの広告が載っている。まぁ全巻持ってるし、と思っていたら「若き日の藤田を描いた未発表の描き下ろしを特別収録!!」って商売上手いね。
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