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masaさんのレビュー一覧

投稿者:masa

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紙の本アイルランドの薔薇

2002/07/21 12:48

現代の名探偵とは

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 ミステリの定番として閉ざされた場所を舞台に、限られた登場人物だけで物語を展開するクローズド・サークルというジャンルがあるのは、ご存知の通り。館モノや孤島モノ、「雪の山荘」ものなど名称は数あれど、このジャンルでは「警察が介入しない」ということが大きなポイントとなる。
 革新的な捜査技術の進歩は、「名探偵」が活躍する場をなくしてしまった。科学的な現場検証や人海戦術による初動調査を知る現代の読者にとって、警察を出し抜いて真犯人を見つけ出す「名探偵」にリアリティは感じられない。それは推理という個人の才能が、警察の組織力に敗北したといってもいいだろう。ホームズに代表される「名探偵」は、いまや警察のいない世界でしか存在意義を保てないのだ。

 こうして「名探偵」の活躍する場所として発表されたクローズド・サークル作品の中で本書が異彩を放っているのは、今までのクローズド・サークルが主に交通、通信手段が遮断されるという物理的な理由によっているのに対して、アイルランド和平という政治的理由を導入したことにある。これにより現代でベーシックな本格推理を展開するという舞台装置を整えると同時に、現実の世界情勢をバックグラウンドに持つことで物語に更なる奥行きを加わった。各キャラクターの描き分けや全体のボリュームには物足りないものがあるものの、過去の名作の縮小再生産になりがちな本格ミステリの中で、新しい可能性を垣間見ることができた秀作である。

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