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顔面上流君さんのレビュー一覧

投稿者:顔面上流君

1 件中 1 件~ 1 件を表示

遺伝って?

16人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 突然だが、この本のタイトルは正しいのだろうか。格差は遺伝によって生ずるのではなく(IQや人格の核の一部は遺伝するかも知れない)、生活環境や親の収入に影響を受ける部分が大きい。その面では、三浦の著書の内容の一部は間違いとは言いえないが、タイトルの「遺伝する」というのは、明らかな誤用である。正確にいうのなら、「格差は遺伝する」ではなく、「環境に影響されて生まれる」である。ここでも、三浦は一刊目の「下流社会」(この著書は10人にインターネットでインタビューしただけで統計を出してしまっている様な、甚だ疑わしい内容だ)と同じく、初歩的な科学的な誤謬を犯している。
 三浦展は先日の朝日紙上で、格差が拡大した理由として「企業が正規雇用を減らしたという一部の学者の説は、一理あるが、大卒の若者が就職しても3年で辞めてしまっている事実に着目すべきだ」と述べ、飽くまで若者の精神論に責任を帰している。しかし、就職した若者も過酷な労働を余儀なくされ、恋愛や結婚する時間すらなく、20代の過労死が激増している事実を知らないとは言わせない。非正規雇用を増やし、低賃金・長時間労働を強いる政府及び経営者の姿勢を厳しく問うのは当然の事であり、三浦の主張は的外れだ。この本でも、社会や政治の責任は余り問われておらず、収入が低いのは、親が悪い、自分が悪いと、専ら自己責任に帰している。
 そも、社会常識があるのなら、他人様を「下流」などと蔑むものではない。また三浦は、成績の良い子の母親は23区内に多いなどと、地域 差別も相変わらず行っている。何せ、三浦の上・中流の定義は、(ある流通専門紙での彼の文章によれば)「渋谷の百貨店や成城石井で買い物をすること」だというのだから、開いた口が塞がらない。
 三浦が、下流本を書き続ける原動力になっているものは、彼の若者への憎悪とい気がする(三浦自身、今の若者は嫌いだと別著で言明している)。20年前、三浦世代も散々浴びせられであろう「新人類」という言葉が流行ったが、あの言葉には若者への大人たちの感情的な反発が含まれていたが。「下流」を「新人類」に置き換えれば、何としっくり来ることか。
 つまりは、昔から繰り返されている「今時の若者論」に、「下流」というエッセンスを加えて繰り返してい
るに過ぎない。
 私も二十歳前後の今時の若者に怒りを覚える事は多い。何かに付け、「オヤジ」「うざい」「キモイ」「加齢臭」などと品のない言動を発し、年配の男女の容姿を侮辱する様なことも平然と言う。
 しかし、そんな若者らに下流という言葉を投げ付け、復讐した処で何になろう。
 三浦氏や、もう一人、格差本を書き続けている山田昌弘氏は、低収入層を相手にするより、上流ついて分析・批判を加えてみたらどうか。総資産7000億といわれる孫正義、6800億といわれる森トラストの森一族、、年収数百億の黒川紀章氏らに勝負を挑んでみるといい。三浦の一連の下流本は、月給10万のパートを相手に、さげすみ、嘲笑し、一部の読者に「自分より更に下がいる」との安堵感や優越感を与え、ひいては差別意識を植え付けているだけだ。
 これは、日本社会の階層間コンフリクトを促してしまうだけでマイナスだと思う。
 もっと生産性のある、前向きな仕事を三浦には望みたい。

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