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LINさんのレビュー一覧

投稿者:LIN

3 件中 1 件~ 3 件を表示

玉響

2004/01/13 00:03

歴史書の空白を埋める、美しい物語

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この著者の「古代幻想ロマンシリーズ」の「葦の原幻想」「天離る月星」に続く3冊目である。
舞台となるのは7世紀後半の日本。中大兄皇子や中臣鎌足が活躍する時代といえばわかりやすいだろう。そしてここに収録されているのは、白村江の戦いの後から壬申の乱の起こる少し前までの話だ。
歴史上の実在の人物と架空の人物が入り混じり、史実に沿った、だが歴史書にはない人々の「生」が描かれる。
物語の主人公は中大兄皇子(天智天皇)の皇子、大友皇子に仕える田辺史。
田辺史は架空の人物だ。だが、このシリーズの続きを読んでいただければわかるが、実は次の主人公へ受け継がれる物語の、伏線そのものでもある。しかし、それはここでは敢えて触れずにおきたい。続きを読んで頂いた方が、拙い文章で説明するよりもいいに決まっているからだ。
この本には表題の「玉響」のほかに、「枯野」「月の琴」が収録される。
どれも著者の歴史への造詣の深さに感服する。そして、歴史書の隙間を縫い合わせるような見事な物語と美しい絵、漂う情感は、極上の小説に勝るとも劣らない。
歴史上の人物たちは、教科書ではその事跡でしか語られることはない。そういう人物たちに新しい命を吹き込み、歴史という言葉で語られる過去を、生きた世界として甦らせた。
ここでは実在の人物も、架空の人物も、人知の及ばない運命に巻き込まれ喜び悲しむ。
これが少女漫画ということだけで、一部の人々にしか読まれていないのは非常に残念である。手にとりやすい文庫版になったことでもあるし、歴史に興味のある方にはお勧めしたい。
できればこのシリーズ、「葦の原幻想」から、今後出版されるであろう最終巻までお読みになることをお勧めする。

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大人になるために捨ててきたもの。誰もが気づかないふりをするそれらを、見事に描いた傑作

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 雑誌掲載から12年を経て、やっとやっとの単行本化である。とにかく嬉しい。14歳の少年ハリは、2年前レジオン国王ユクサームに国を滅ぼされてすべてを失った。ユクサームを殺すことだけを願って生き抜いて来たハリと、彼に付き添ってきた青年キシュは、ようやくレジオンに辿りつき、占い師の孫娘クリールと出会う。

 ただの復讐譚ではない。少年が手にする栄光、あるいは挫折がテーマのファンタジーでもない。雑誌で読んた時、とても驚いた。少女漫画とは思えない重いテーマに度肝を抜かれた、と言ってもいい。同じ作者の大ヒットした『ここはグリーンウッド』はご存知の方も多いだろう。私個人としてはこの『嵐が原』や『ダーク・エイジ』などの、人の心の中の暗い部分を描いたものの方が素晴らしく上手い作者だと思う。
 人は生きていくために、生きやすいように自分を変えていく。けれどもどこかで、変わらないまま生きたかったと思う時が一度はあるだろう。少年ハリは、大人になることができるとわかっていながら、あくまでも「こどものままの自分」で生きることを貫いた。キシュとクリールは自分たちが大人になるために捨ててきたものをハリの中に見て、力を貸した。どんな結末が待っているのかわかっていながら、3人ともそうせずにはいられなかった。
 この作品は少し辛くて痛い。けれどすごい。ハリは完全にこどもなのではなく、キシュたちも完全な大人ではない。ハリも大人の世界を知っているし、キシュたちもこどもだった自分を覚えている。こどもの世界と大人の世界があるのではなく、不可分な世界の中で揺らいでいる人間がいるだけだ。
 那州ファンのみならず、ファンタジーの好きな方、癒し系といわれるものに飽きた方にもぜひお薦めしたい傑作である。

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世界情勢について興味はあるけど、実はよくわかってないんだよね、という方にオススメします。

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 アメリカの同時多発テロ以降、書店の店頭には関連書籍が山のように積まれている。新刊、既刊合わせると膨大な量で、自分自身が何を知りたいのか明確にわかっていないと、何を読んでよいのやらさっぱりわからない。しかも、明らかに便乗出版だろうと思われる怪しげなものもあって、ますますわかならくなる。そこにこの本が出た。
 著者はNHKの『週刊こどもニュース』の「お父さん」だ。私は年齢的には充分オトナなのだが、『こどもニュース』はなるべく見るようにしている。わかった気になっていたことが、実は全然わかっていなかった、ということに気づくこともしばしばあるからだ。テロの解説だけ取り上げてみても、テレビは饒舌過ぎるし、新聞は簡潔すぎる。この本はちょうどよい情報量だと思う。何よりとてもわかりやすい。扱っている問題は非常に複雑だが、できるだけわかりやすく解説してくれる。すべてが理解できなくても、問題点がどこにあるかはわかる。
 私たちひとりひとりの姿勢を問うこの本は、テロを含めた国際関係、世界平和を理解するための手引書になると思う。

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