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鵜飼英一さんのレビュー一覧

投稿者:鵜飼英一

ゴールデン・エイジをふたたび!いま甦るレーサーズ・スピリット

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 クルマ好きの私がまだハナタレ小僧だったころ、『少年ジェット』、『マッハGO!GO!GO!』を卒業して、次に憧れたヒーローは北野元、黒沢元治、滝進太郎といった往年のレーサー達だった。5リッターを越える超ド級のレーシングマシンを腕一本で操り、安全対策もまだ不十分なサーキットを、それこそ力でねじ伏せるように走る(ABSやトラクションコントロールなんてなかった時代だ)。その勇姿はまさに超人的だ。そんなこと出来る人は一体どんな人なのか、と思っていた。
 それから数十年、クルマ業界に飛び込んだ私は憧れの黒沢元治さん、通称ガンさんと出会うことになる。すでにガンさんは50歳を過ぎていたが、そのドライブテクニックはまさに神業。一度箱根で撮影のため助手席に乗ったことがあるが、富士急ハイランドのフジヤマもビックリというほど過激だった。しかも激しいだけじゃない。実にスムーズにクルマが動くのだ。しかし運転している当人はいたって冷静。ステアリングを電光石火で動かしながらも涼しい顔ときた。「この人はやはり天才だな〜」とシートにしがみつきながら、駆け出しの私は思ったものだった。

 走り終えて助手席でグッタリしていると、独特の茨城弁で「ダイジョ〜ブカ、ダラシネ〜ナ」と毒づくガンさんだったが、それ以降もいろんな自動車評論家、レーサーの助手席に乗るが、いまだガンさんのときの感動を越える人はいない。聞くところによると、メーカーお抱え第1期レーサーとなるガンさん達の時代、クルマの挙動を覚えるために、それこそメーカーは何十台もクルマが壊れることをいとわず、レーサーたちを徹底的に走らせたのだとか。1960〜70年代はレーサー、メーカーともに力の入った日本モータースポーツ黄金時代だった。そして当時のクルマファンは、そんな伝説となるドライバー達が競い合ったレースシーンを思う存分楽しむことになる。

 トヨタと日産の闘い、スカイライン対ポルシェの名勝負、そして富士スピードウェイで開催された第1回F1日本グランプリ。いま、30代後半から40代、50代のクルマファンにとってあまりにの懐かしさで涙が出てくるに違いない。
 それら史実は多くの本で紹介されているので、すでに知っている人も多いが、物事には裏がある。その裏側というか語られなかった話を当事者達(及び関係者)の徹底取材でまとめたのが[むかし、狼が走った](井出耕也著/双葉社)だ。最初、なんだ昔の思い出話か、程度の認識で読み始めたこの本だったが、読み進むに従い「ア、アレはそういうことだったのね」とか「なるほどそういうワケか」と何十年もたったいま納得する事実に出くわす。私がこの業界の端くれに身を置くから面白いのではなく、あの時代のレースファンの一人として大いに楽しめるのだ。だからこの本、オジサンクルマファンには特にオススメしたい。いや、オジサンファンばかりでなくセナやシューマッハしか知らないいまのファンにも読んで欲しい。現代ほど管理されていなかった当時のレースシーンは、ホント凄い話ばかりなのだから。
 で、黄金時代を楽しむもう一冊は元カーグラフィック編集部員、下野康史氏の「自動車熱狂時代」(東京書籍刊)。こちらはレースの本じゃないが日野コンテッサから、ホンダS800、マツダサバンナGTなどなど、涙ものの往年の名車がインプレッションとともに紹介されている。

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