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レビューアーランキング
先月(2017年6月)

karasuさんのレビュー一覧

投稿者:karasu

10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本茶色の朝

2004/07/03 02:54

現状を確認させられた一冊

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ヴィンセント・ギャロの名を見て手に取った本でした。茶色の朝という柔らかくも感じる様な題に、気を抜いていた私としては、とても衝撃的な内容でした。
 この短い寓話の中に、人間の性格、習性、集団の意識が凝縮されていて、この本を手に取った人は、何かしら思うところがあると思います。私には、耳の痛い話でした。
 「茶色の猫以外禁止」から静かに、しかし、素早く忍び寄る茶色の日々。自分にとって、納得のいかない事である筈なのに、些細なこととして、目先の安心を取ってしまう自分。周りが何でもない事の様に流れていく様を見て、それが当たり前だと思ってしまう自分。全てが手遅れだと気づいた時にさえ、言い訳を思ってしまう自分。誰でも少しは見に覚えがあるのではないでしょうか?
 この本に出てくる「俺」の日常生活は、そんな人間の特徴と、集団の中での意識がよくとらえられています。
 そして、本編と同時に必読すべきは、高橋哲哉さんのメッセージです。茶色を柔らかいとも思った私に、しっかりと意味を教えてくれました。なぜ茶色なのか、その意味や、現代の日本に当てはめた時の考えなどは、本編同様考えさせられる内容でした。
 面倒事を避け、妥協してしまっている自分というものを、再確認させられてしまった一冊。分かっているけど改善するのは難しい。しかし、読んで再確認し、改善しようという気持ちを持つということも良いことだと思います。

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紙の本博士の愛した数式

2005/02/26 02:48

何故だか懐かしさを感じる話

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本を読むと、その本の世界の空気に触れられる様な気がする。この本の空気は、ほっこりとした感じがした。
 温かくて、そこら中に子供や素数への無償の愛などを感じられる。ポカポカやサンサンと言う様に感じないのは、忘れるという事の残酷さが、常についてまわっているからなのだろう。
 家政婦をしている「私」の語り口調のせいか、何処にあるとも知れない郷愁を覚える。それがまた、この本に一層引き込んでくれるのだ。
 「私」やルートが、博士から数式や素数の話などを聞いた時の様に、私も、素晴らしい発見を知ることが出来た気になれた。

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紙の本小生物語

2005/01/07 23:21

ますます乙一好きにさせられる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ついつい笑ってしまう。納得し共感してしまう。「ハイ、うそ」と心の中で突っ込みを入れてしまう。そんな本。

 この日記、小生というキャラクターが綴る日記である。なので、有りえない事、現実とも空想ともつかない事、これは現実だと良いなという事が、入り乱れている。
突っ込みどころと、現実どころを探しつつ、読んでいくのが楽しい。

 行った先が込んでいたから、何もせずそのまま帰ってくる。ゴミを出し損ねてしまったなどの日々が、やる気を出しすぎず進んで行く日記内容に、共感してしまう。そんなところは、乙一本人の現実どころだったら良いなと思う。天才と称される様な人にも、そんな、ほのぼのどころが有って欲しいという、私の希望。
ますます乙一好きになってしまった。

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紙の本失はれる物語

2004/12/20 03:34

切ないがぴったりくる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 6話からなる本作は、悲しいとか、暗いというばかりになってしまいそうな事件、と言うか状況の話が詰まっているが、ソレを切ない、というものに変化させているのは乙一だからだと思う。

 切ないと言うのが、やはり一番ぴったりくるのだろうか。それ以外に上手い言葉が思いつかない。こういう時に、言葉を勉強しなくてはなぁと思ってしまう。

 どの話にも救いがあるから、悲しいだけでも、暗いだけでもなく、切ないというものに変化するのだろう。
 各話に出てくる人達は、それぞれが苦しい状況や、切羽詰ったところに追いやられたりしているが、自分の中で昇華し、進んで行っている。「失はれる物語」の時間の感覚がもうなくなってしまっている彼も、進んだのだろう。

 自分が、ツイていないと思う時や、最悪な気分の時でも、時間は流れて、朝が来て夜が来て、朝が来て夜が来てというのを止められないのだ。引きずるしか無く過ごすのと、昇華して進むのとでは、同じ時間でも全く違う。この物語では、進んでいるところに救いのような物を感じた。
 止まるのは大事。止まらないというのも不自然だけど、進んでこそだなぁと思う。
 ささやかな幸せに憧れてしまいそうになる本かな。

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紙の本西の魔女が死んだ

2005/04/14 01:56

魔女修行

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

光に満ちた自然を、ありありと想像させられた。なるほど、児童文学賞受賞者!

誰もが日常から、一時離れ、こんな生活を送ってみたいと思わずにはいられないのではないだろうか?
主人公の少女まいが、“西の魔女”おばあちゃんの元で暮らした一ヶ月余りの生活は、本書を読み終えた私にも、清々しさを残してくれた。
自然と共存している、おばあちゃんとの生活。そこに近所のおじさんや、鶏事件など、まいにとって不快な現実面も、しっかり書き込まれていて、より、まいの過ごした一ヶ月余りを輝かせてみせるのだ。
まいの様に、感受性が強いと言う事は、確かに生きにくい。他者からしてみれば扱いにくいだろう。けれども、欠点なんかではないのだ。おばあちゃんの“魔女トレーニング”は魔女への修行と言うだけではなくて、自分というものをしっかり持つ為のトレーニングでもあるのだ。素晴らしい。
ただし、魔女トレーニング、中々厳しい。少し読み進めただけで、私は落第だと悟ってしまった。不健康すぎる。私より若い人には是非読んで、トレーニングに励んで欲しい。まだ間に合うかもしれない。

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紙の本野ブタ。をプロデュース

2005/01/17 02:20

笑いあり、シリアスあり

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 帯にあった、「野ブタ。」を読んで笑いなさい。有難うございます。笑わせて頂きました。しかし、笑いばかりではない、哀愁もしくは、今の時代の世知辛さまで感じさせて頂きました。

 小谷信太こと、野ブタの、人気者への荊の道、その過程。勿論、桐谷修二プロデュースで。笑いあり、涙はあったかしら? 中身は良い人でも、外見だけで認知されないなんてことは、往々にしてあるものなのだ。
 それに比べて桐谷修二、彼の着ぐるみの装着っぷりは、いっそ嫌味なほど完成されていたようだ。着ぐるみには努力を惜しまずなのだから、多少驕ってしまっても仕方が無いのではないだろうか。たとえ着ぐるみに裂け目ができていても、中々自分では見つけにくい。円滑そうな人間関係も、着ぐるみ一枚のペラペラなものだなんて気付かず、着ぐるみを着続けてしまうのだ。

 修二の、着ぐるみを「着る」、「剥がれる」、そしていかなる時も、死守しようとする心情など、後半部分はシリアスモードでかなり読まされた。

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紙の本エミリー・ザ・ストレンジ

2004/07/24 00:43

エミリーの目力同様、濃い一冊

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 インパクトのある表紙。赤、白、黒で、エミリーという子が良く表現されている。宇多田ヒカルの訳でも話題になっていたが、今回この表紙を実際に見て、手に取ってしまった。
 
 黒で描かれるエミリーの目力をひしひしと感じつつ、短い文でまとめあげられる語呂の良さが、その内容を文字通りに伝えてくる。絵本ではあるが、ある程度大人向けのようだ。
 本の所々に散りばめられている、隠れたように、しかし、しっかり主張している絵や文字も必見。
 文章のみとは違った、絵本ならではの間の取り方が、説得力を増している。特に「エミリーは変わらない…」のところなど、6ページにわたり、何が起きても変わらないエミリーがそこにいる。

 エミリーは自分をしっかり持っていて、自分の思う通りにのみ行動する。そこが、めちゃくちゃな子の様に表現されていて、実際にエミリーそのものの様な人は、中々お目に掛かれないと思う。しかし、何だか「分かる」この内容。
 「…欲しいのは喪失感」から、「迷子になろう」という流れは、突飛もない事のようだけど、「何だか疲れた」から、「温泉に行こう」というようなものだと思う。エミリーの中に、共通点を見つけられる人は多くいると思う。

 最近、暑い。とにかく暑い日が続いている。この季節ホラーやミステリーは風物詩ではあるが、私の様に暑さに負けて集中力を欠いている人は、絵本なんてどうだろう? 短時間でも濃く伝わってくる、そんな1冊。

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紙の本グッドラック

2004/12/05 21:48

あたたかい気分で読み終える

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 買おうか、買わないか迷っていたが、やはり買ってしまった。読んでいる間中、お伽話を読んでいるように、ほんわかとした気分でいられた。

 作中の人物マックスが、何十年ぶりに再会したジムに聞かせたお話。マックスも祖父から聞いた、運と幸運の違いのお話。
 このお話が、7日後に生えるとされる、限りなき幸福をもたらす魔法のクローバーを二人の登場人物、黒いマントの騎士サー・ノットと、白いマントの騎士サー・シドが探しに行くというお話で、それまでの7日間こそが、幸運をつかむカギなのだ。

 黒いマントの騎士ノットの行動や、考え、心の動きには、大いに思い当たる所があった。そして白いマントの騎士シドの行動や考えには「そうだよ。そうだよ」と、素晴らしい考えを発見したような気になった。

 日々の心がけ一つで、自分にも幸運を掴む事が出来るのではないかと、感じた。取り合えず、今日出来ることは今日やろうと、改めて思った。中々難しいけど、忘れた頃にはまた読んで、少しずつ出来るようにしていこう、と思わせてくれる本だった。

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紙の本GOTH リストカット事件

2004/07/28 00:35

装丁同様黒い内容

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 私が最初に読んだ乙一作品は「夏と花火と私の死体」だったのだけれど、その時、とても衝撃的だったのを覚えている。素晴らしく表現が上手いと思った事もだけれど、最後に「これはやられた」という、嬉しい充実感があったからだ。GOTHでもそれは変わらなかった。

 GOTHの装丁の様に内容も黒い。そして猟奇的の表現部分も多数出現していて、想像したく無いところもあったが、焦点は人の心である。「普通」と括られる人達とは少し違う、猟奇的な一面が表にでてしまった、あるいは、心の内に強く持っている人達の事件が1話ごとに、全6話から成り立っている。
 そのどれもに登場する主人公の高校生男女。この二人も嗜好がいわゆる「普通」とは違っているのだが、主人公というに相応しく、何故か愛着がわく。
 
 主人公の高校生男子は自分の趣味にとても貪欲だ。趣味の殺人現場巡りと、殺人犯に会うということにかけての行動力は凄い。夜中だろうが、遠方だろうが、かまわず出向く。事件の第三者的な立場をとるというのが、彼のルールだった様だが、それも場合によりけりである。というより、誰より事件に一番近い所でながめているのだ。実際の殺人犯に会った時の彼の態度も、自分が殺す側の人間寄りだと思っているところから、納得できる。そういったものを内に秘めていても、自動的に「健全な僕」というものが発動されて、見た目平穏な日々を繰り広げているのだ。自分というものと、世間に認識されている自分というものの違い。
 ここまででは無くとも、人との関係で、自分が本当の自分では無いと感じる瞬間は誰しも有るのではないだろうか。GOTHでは、誰もが少しは持っている邪悪な部分が、猟奇的という分かりやすい形をとって表現されている。

 もう一人の主人公、森野夜も、無表情で人を寄せ付けない雰囲気、そして自殺思考まであるというのにも関わらず、何だかどこか抜けた所が憎めない。
 彼女がメインの話、第4話「記憶」は彼女の過去から、今に至るまでが書かれている。森野夜が、猟奇的殺人犯に目を付けられやすいのは、昔死体ごっこをしていたせいでは無いのだろうか?と思ってしまった。それとも、彼女の黒髪や陶器のように白い肌、整った顔立ちがそうさせるのか、本人は知らずに彼女も大きく事件に関わっているのだ。

 そんな趣味から繋がっている二人。主人公の高校生男子が「愛情ではありません、これは執着というのですよ」と森野夜への感想を心の中で呟くところがある。殺人犯寄りの彼と、被害者寄りで自殺思考の彼女では、これが最大限の愛情の様な気がする。

 その他に登場してくる方達も、とても濃く書かれている。

 一話完結。しかもシリーズもの。私としてはとても読みやすい形式だった。

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トップラン&ランド完

2004/07/07 18:51

真の完結

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 「トップラン&ランド完」というタイトル通り、今回でこのシリーズは完結したらしい。「らしい」と言うのも、シリーズの前作で一度完結していたからだ。しかし、あの形での完結に納得していない読者は、私だけでは無かったのではないだろうか?
 シリーズの前作となる「トップランド2002 戦士エピソード1」の初めの方で、何故完結とするかなど、筆者の言葉が綴られている。筆者なりに思うところがあるのは分かったが、「トップラン」「トップランド」と読んできた私としては、「ここで終わりなの!?」という感想を抱かずにはいられなかった。
 
 「トップランド」を書くにあたり、一話完結という点に筆者は拘っていた様だが、正直「トップランド」は一話完結になっていなかった様に私は思う。捕らえ方は人それぞれだと筆者も書いていたが、私はそう感じた。そう感じる方は他にもいた様で、故にシリーズ前作で完結という形がとられたのだが、読者としては一話ごとの完結よりも、シリーズ自体の完結を望んでしまっても仕方の無い事だと思う。なので、この本が出てありがたく思っている。やはりスッキリしなかったからだ。

 「トップラン&ランド完」は、2シリーズの完結というのに相応しく、両シリーズの流れが組み込まれていて、「これで完結したのだな」という思いが素直に出てきた。
 今まで、中途に投げかけられてきた事件が、今回で消化されている。貴船天使という人物について、生まれてすぐの恋子誘拐事件、藤兵侍の失踪、天草翔という人物、メラニィについて、今まで登場した人物達や、これまで起こった事件について。それらの謎が全て明かされている。これを読まなくては、私の中で、このシリーズの完結は無かったと思う。

 いつもの如く、年号ごとの事件が年表の様に並んでいるが、今回ほどその役割を果たしたことは、今まで無かったのではないだろうか? いつもなら、読むのが少し億劫になってくる所だが、今回は「そんな事もあったな」と事件を振り返るだけでなく、話の筋に関わってきているせいか、しっかり読めてしまった。
 それと共に健在の、言葉遊びと言うか、音遊びと言うか、筆者のソレのバリエーションの豊かさには感心してしまう。ただ、少し多用されすぎな感じがする。多用されると、「上手い」と思うより、目に付いてしまう。

 もし、今まで「トップラン&ランド」を読んでいて、この作品を読んでいない方がいたら、是非読むことを薦めたい。やはり、今回こそが完結だと思うから。

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