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高橋 波子さんのレビュー一覧

投稿者:高橋 波子

2 件中 1 件~ 2 件を表示

家族のベクトル

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一日を無事に終えて帰宅した我が家には家族が待っている。そういうおもいが足を家路に急がせる。誰にもそういう時期も確かにあった。しかし、家に帰って想像していた団欒の風景が、まったく違った気配となって居心地の悪いときもある。太いベクトルのなかの細かい光線が交差して何かがゆがむ。なにが悪いのでもなく、日々の暮らしに慣れ親しんであらゆる感覚が麻痺してくる。そうすると処方箋が必要になり、それは生活の剰余とも言われる芸術の分野に委ねられるのだろう。そのひとつで私にとってもっとも親しみやすいのが高橋留美子ワールドである。
彼女は昭和30年代生まれ、てんびん座という2点で私と共通する。あの「めぞん一刻」の作者である。面識はないが私の中の高橋さんはあの音無未亡人である。
ある日疲れて家に帰ると妻と子供が出前の寿司を食べているプロローグから始まり、そのラストシーンにいたるまでの現実にしみじみする「日帰りの夢」他数編の珠玉の作品集で、この短編集の表題作「赤い花束」に泣かない男はいない。泣く前にまずうろたえてしまう。そして読者それぞれが、おもいおもいのテーマ曲を心に流して観客席に座ることができるのだろう。

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禁断の木の実

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最近書店で目に付くのは、会社をやめるな、という題や副題のついた本である。この構造不況のなか、サラリーマンはとにかく恵まれている、と私も自分を省みてそうおもう。
高任さんのこの本は、転職と退職の勧めである。
そしてキーワードは「省事」である。付き合いでの酒を飲まない、つとめて残業をしない、たった20日の有給休暇はぜんぶとる。かれにしてはさして支障がなかったという。あったとしても考課が多少悪くなるというくらい、と喝破する。さらに、その多少がサラリーマンにとっては肝心なのだ、という反論に「すべてを犠牲にして評価が多少よくなって一体何を手に入れるのだ」と老子ばりのこという。高任さんが、時間の作り方で悩んだことが書かれてある。結論のひとつには大好きな酒をやめることを上げている。おもいきり飲めないくらいならやめようということだ。少しわかるこの気持ち。だけど酒は文化だから、食事にあわせて少量とるという方法もある。まあ、この本では酒と同等に会社も自分の時間を奪うものと位置づけているので、過激でもある。
忙しい彼が禁断の木の実を食った。43歳のとき、マロリーワイス症候群という大病で6週間の病欠をしたのである。学生時代以来の「長期休暇」である。そして50歳を前に退職してしまったのである。
私も昨年脳血管の手術をして2ヶ月会社を休んだ。私も禁断の木の実を食い、会社・職場・仕事などについての考えを変えることができた。「省事」をモットーにサラリーマン生活を続けている私の懐刀のひとつが本書のおもに高任さんの体験部分なのである。文庫本は切り抜いて手帳に挟み持っているのである。

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