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先月(2017年1月)

あんこさんのレビュー一覧

投稿者:あんこ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

姜尚中教授は金正日のサポータ?

18人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 過労死、過労自殺、労災などを中心に弁護活動を続けている社会派弁護士、川人博さんが緊急出版した本書は驚きの連続だった。東大教養学部で講師として「法と社会と人権」ゼミを10年以上続けている川人さんは、どちらかというと地味な、しかし誠実で確固たる信念を貫く弁護士。その人が、今年に入り何度か週刊誌に、今をときめく政治学者であり東大教授の“「姜尚中」にかみついた”という見出しで名前が載り、いったい川人さんに何が起こっているのか、と疑問に思っていた。それが本書でようやく解けた。
「姜尚中は金正日のサポータか」という本書のキャッチ・コピーにみられるように、川人さんが北朝鮮による日本人拉致被害者を支援する活動を続けているうちに、どうも姜尚中氏の発言が腑に落ちない、おかしいと感じるようになった、という。それは2002年9月17日、小泉首相が訪朝し、第一回日朝会談終了後に始まったという。
 姜尚中著『日朝関係の克服』(集英社新書)は次のように記している。『あえて繰り返すが、<首領>が<告白>し<謝罪>してしまった以上、もはやそれ以上の政治的決断などありえない。つまり、北朝鮮は、拉致問題について<最後のカード>をすでに切ってしまったことになる。だとすれば、拉致問題に関して、北朝鮮が失うものは、もはやないとみるべきである』。(増補版 p161より)
 この発言に対して、川人さんは「日本国民に対して、北朝鮮の発表どおり、横田めぐみさんらが死亡したことを認めよ、北朝鮮が自白した13人以外には拉致被害者がいないことを認めよ、ということにほかならない」と反論。この記事だけではない。姜尚中氏は「くれぐれも拉致問題の解決を日朝正常化の前提にしてはなりません」など、日本人の国民感情を刺激しさまざまな誤解を生む発言を繰り返しているようなのだ。そこで、川人さんは弁護士らしく、法廷での手法を用いて論点をはっきりさせて姜尚中氏に質問しても、その答えはいつも論点がずれてはぐらかされる、と本書で嘆いている。
 どちらが、正しいのか、それは本書を読んだ読者にゆだねられているが、詳しく読んでいくと、金正日の発言に呼応するような姜尚中氏の発言が確かにある。本書を書いた川人さんに対して、姜氏がどのような反論を展開するのか、楽しみである。
 とにかく久しぶりにドキドキする本面白い本に出あった。200人以上もいると言われている北朝鮮による拉致被害者家族とともに体を張って闘っている著者たちの活動も本書には詳述されている。

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紙の本シブミ 上

2011/05/08 16:00

シブミとは雄弁なる沈黙

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『シブミ』を読み終えるのがもったいなかった。じつに読書の充実感と満足感を与えてくれる小説。
これは今年の三月に早川書房からトールサイズの文庫として新しく発売されたが、初版はじつに古く1979年。
著者トレヴェ二アンの本は『バスク、真夏の死』をずっと昔に読んだことがあったけれど、これほどに深い印象はなかった。自分が年齢的に老いたので理解力が出てきたのだろうか。
人生を囲碁にたとえて考える大竹さんや岸川将軍に育てられたニコライはフリーランスの殺し屋。だが、ただの殺し屋ではない。これを読むと、生きるとはどういうことか、凡人とはどんな人間か、アメリカ文化とはなんて薄っぺらい文化であるか、アメリカ人とはなんとつまらない商人か、などなど、最近の世界情勢に照らし合わせてみてみると、はっと気づくことがいっぱいある。
ニコライにとって生きることはシブミを体現することにほかならない。日本文化の深い理解が背景にあり、日本人としては読むとスカッとする。
この本の素晴らしさは、訳者の菊池光さんの翻訳の力も大きいと思う。これほどの深みのある日本語を使って訳せる人はめったにいないのでは? 菊池光さんはディック・フランシスをはじめとして、ものすごい量の翻訳をしているが、この人の生き方自体がハードボイルドというかシブミを意識していると思う。それは本書の著者トレヴェアンと共通しているように感じた。

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