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先月(2017年4月)

NewAgeStepperさんのレビュー一覧

投稿者:NewAgeStepper

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本サマースプリング

2007/08/02 21:48

ジュニアハイスクール 1989

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

このドキュメントの主人公である「アタシ」、すなわち、作者である吉田アミの過去の体験は、あまりにも壮絶だ。それはまさしく逆境としか呼びようがないものであり、安易な共感や同情を拒んでいる。
しかし、その最中で往還している「アタシ」の感情の動きは、平凡な人生を送ってきた一読者であるわたしにとっても、まったくの他人事ではなかった。

たとえば、主人公は「完璧な少女でありたかった」と語りながら、自らがそのような少女では決してありえない可能性に恐怖する。
思春期ならではの自意識のドラマがそこには介在している。
理想の自分と現実の自分の間にギャップがあって埋めようがない。
完璧で、特別な、理想の自分がありえるはずなのに、
この現実の自分は、一体、何?
しかし、前者と後者の二重化のジレンマに気が付いたからと言って、思春期とやらがすぐさま終わるわけではないのである。
(その滑稽さを最近では「中二病」と呼ぶらしいが)
『サマースプリング』には、そうした思春期特有の心理の流れが、
極めて鮮烈に、生々しいままで、封じ込められている。

さらに、1974年生まれのわたしは、『サマースプリング』の1989年当時、中学3年生だった。
つまり、違う土地の違う学校で、『サマースプリング』の「アタシ」と同じ女子中学生として、同じ時代の空気を呼吸していたのであり、それゆえに、『サマースプリング』の描写の端々に、何とも言えないノスタルジーを感じずにはいられなかった。
あの頃、『宝島』を読んで、スーパーモカの錠剤をこっそりと飲んで、悦に入っていた女子中学生は、自分だけじゃなかったんだなあ……!

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