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先月(2017年6月)

片山友彦さんのレビュー一覧

投稿者:片山友彦

1 件中 1 件~ 1 件を表示

悪魔とラブソング 桃森ミヨシ「悪魔は世界を変えてゆく」

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

主人公の可愛マリアは相手の図星をつき、本質をみぬくから、周囲から嫌われる悪魔、ってわけじゃない。
相手が彼女の中に、鏡にうつった自分の嫌な姿を見させられる。
だから悪魔。自分の中に暗闇の心を持つ人にとってはマリアが悪魔に見える。

この悪魔の定義は、普通にファンタジー的な悪魔というよりも意味合いが深く気に入った。
「あんたは人を汚れさせる」と言われた主人公が、周囲の世界や人を変えてゆく話。と同時に、マリアも少しずつ居場所を獲得していく物語。
まわりのキャラも、自分のことを好きになれてない、つまり自分の生き方に負い目があったり自信がなかったりする人が多い。それがマリアによって、自分を受け入れたり自分のことを好きになっていったり変化するんだろう。

最終的な目的は、登場人物キャラ全員が胸をはって「自分のことが好きだ」「大好きな人がいるんだ」と言えるようになる事だと思う。その中心にいるのがマリア。
そしておそらく物語の終盤に関わってくるのが、マリアが退学になった学校に関係のある人達だと思う。
孤高で清廉潔白なマリアが、意識せずその不器用さにより人を傷つけている、そんな自分を嫌っている。それを乗り越えて自分を好きに、そして誰かを好きになる為には、周囲の人を変えるだけでなく、周囲によって自分も変えられなければならない。

しかしマリアがあまりにも孤高で潔癖で白く、精神的に強い為、それが魅力になってはいるのだが、彼女を変化させるのは相当な労力を要するとも思う。日常で見せる靴に名前をつけたり、ちょっとした表情の変化などはとても可愛らしく感じさせる。ギャップの勝利か。

つまりこれは、かなり長い話になるように思える。1巻だけ見ると序盤に感じられるのだ。まとめて読みたい漫画かもしれない。

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