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先月(2017年1月)

ビーケーワン****さんのレビュー一覧

投稿者:ビーケーワン****

1 件中 1 件~ 1 件を表示

北野幸伯氏へのインタビュー 1

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

★1.今回の新刊を拝読して、ものすごくわかりやすいのに驚きました。こんなにわかりやすくていいのかなと心配なくらいです。どうしてこんなにクリアに見えているのですか?
まずは北野さんの物の見方の秘訣を教えてください。

★回答1

どんな分野でも、ものごとの本質はシンプルなのです。

例えば、「どうすればやせることができますか?」という質問に答えるのは簡単です。

「食べるカロリーより、使うカロリーを多くすればやせます」
あるいは
「食べるカロリーを、使うカロリーより少なくすればやせます」
これが答えです。

しかし、世の中にはダイエット本が何万冊と出ていますね。

世界情勢や国際関係の分野でも同じことがいえます。
本質を一言でいえば、「すべての国が国益を求めている」ということです。
そして(外交上の)国益とは、「金儲け」(経済的利益)と「安全の確保」(安保)である。
これが腑に落ちれば、各国の動きが手に取るようにわかるようになります。

なぜ、私がクリアに世界を見れるようになったか。
第1に、ロシア外務省付属のモスクワ国際関係大学で学んだことです。
この大学はソ連時代、「卒業生の半分は外務省に、半分はKGBに」といわれていました。
ここで、「国益とは何か?」を徹底的に教え込まれました。

第2に、ソ連崩壊とその後の混乱期、そしてロシアの復活期をモスクワで過ごしたことです。
国と経済が崩壊すると、人々は欲望をむき出しにして生きるようになります。私は、大学で学んだことが、この世でも通用することがわかりました。

第3に、ロシアトップ層との交流をとおし、世界情勢の見かたを学んだことです。
体系的に教えてもらったわけではありませんが、事件に関するコメントを聞くことで、「彼らはこんな風に世界を見ているのか」と理解したのです。

当たり前のことですが、「見方」は誰でも学ぶことができます。

★2.それにしても「ドル基軸通貨体制の崩壊により、アメリカが世界経済の覇者である時代が終わる」というシナリオは衝撃的です。ちょっと信じがたいのですが、書かれていらっしゃる通り、もうこれは具体的にどんどん進んでいるのですよね?

★回答2

前著『ボロボロになった覇権国家』を出したのは、05年の1月でした。
あれから、かなり状況が変わっています。

ロシアのトップは当時、「仮想敵NO1はアメリカ、NO2は中国。願わくは米中戦って両方滅べ!」と考えていました。
ところが、ロシアの石油最大手(当時)ユコスの買収を邪魔されたアメリカは、ロシア周辺国で革命を起こし、次々と親米反ロ傀儡政権を樹立するようになっていった。
(この辺の詳細と資料は、新刊にあります。)
怒ったロシアは、仮想敵NO2の中国と手を組むことにしたのです。

私はアメリカを幕府にたとえています。
そして、中国とロシアが倒幕で一体化したことを、「(悪の)薩長同盟」と呼んでいます。

その他、06年末にユーロの流通量がドルを超えたとか、ロシアが(ドルではなく)ルーブルで石油を売り始めた、中東産油国が「湾岸共通通貨」導入を検討し始めた等、時代は急速に変化しています。

一般人も「アメリカがボロボロである」ことに気づきはじめました。
しかし、大部分の人は、「イラク問題」「サブプライムローン問題」などが原因と考えているでしょう。
しかし、それらは根本問題ではありません。
この本では、アメリカ衰退の真因を明らかにしています。

★3.ではアメリカが覇権を守るために対外政策をソフト路線に転換したるり中東諸国やロシアに対して大幅な妥協をする可能性はないのでしょうか?

★回答3

「アメリカが覇権を守るため」に、対外政策をソフト路線に転換したり、中東諸国やロシアに対して大幅な妥協をする可能性はありません。

しかし、「アメリカが覇権をあきらめ」、対外政策をソフト路線に転換したり、中東諸国やロシアに対して大幅な妥協をする可能性はあります。

「対外政策をソフト路線に転換したり、中東諸国やロシアに対して大幅な妥協をする」というのは、「アメリカが覇権をあきらめた」というのとイコールなのです。

なぜでしょうか?
アメリカがイランやロシアに妥協すれば、イランはユーロでの石油輸出を、ロシアはルーブルでの石油輸出を遠慮なく増やしていくでしょう。
これは、「アメリカがドル基軸通貨体制崩壊に同意した」ということです。

そうなれば、世界の主要国は、世界恐慌が起こらない程度に、緩やかにドルを下げていくでしょう。
アメリカはゆっくり没落し、いくつかの極と基軸通貨が並存する多極世界が到来します。

これを私は、「アメリカ幕府の大政奉還」と呼んでいます。

→北野幸伯氏へのインタビュー 2へ

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