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先月(2017年8月)

N.Yamaguchiさんのレビュー一覧

投稿者:N.Yamaguchi

1 件中 1 件~ 1 件を表示

非常に上品な「随筆集」

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

流行り所を抑えただけの社会学系の新書かと思いきや、まったく違う内容。「マスメディアが用意したネットカフェ難民像」を期待してしまった人は失望するだろうが、そうした既成の言葉に抵抗を覚える人は、きっと拍手喝采となること請け合いの一冊。自らを「ネットカフェ難民」と断じる著者は、しかしどこまでも明るく、淡々と生きている。単純に思いつくような格差問題などへの言及はまるでなく、むしろ流浪の生活を楽しむ節が読み取れる。日雇い労働にいそしんだり、街から街へをぶらぶらと歩きながら、著者はひたすら思考する。それはありがちな自分語りではなく、身の回りのあらゆる事象へ客観的な視線を突き刺す、いわばカルチュラルスタディーズの容赦ない実践である。ひょっとすると、新しい行動哲学の様式としての「ネットカフェ難民」を、著者は提唱しようとしているのかもしれない。
二十六歳とは思えない流麗な文体は、ときにおかしく、ときに悲しい。そこから立ち現れる情緒と思想は、大袈裟に言えば「枕草子」の読後感にも似た、洗練された随筆としての完成度を持っている。社会を騒がす(?)「ネットカフェ難民」問題を考える上ではあまり役に立たない本だが、小説本来のおもしろさに飢えている人、「たまには〈愛〉だとか〈涙〉だとかが出てこないを物語を読みたいなあ」と考えている人には、とてもオススメしたい本。

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