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TACHOさんのレビュー一覧

投稿者:TACHO

6 件中 1 件~ 6 件を表示

何とアーティスティックな…浴場万華鏡を愉しく誤読せよ

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ハドリアヌス帝時代のローマ人が現代日本にタイムスリップし、その浴場文明に打ちのめされて帰っていく。それも毎回。
彼我のテクノロジー・ギャップを測るよすがとしての時間差は二千年近く。一頃流行った架空戦記にも、こんな大人気無い話は無い。
 もっとも、主人公ルキウスは自ら目の当たりにした知識を活用して名声を得る。とは言え、彼の事蹟は今に伝わっておらず(笑)、過去改竄型のタイムトラベルものに付きまとう成金趣味ともこの作品は無縁である。日本の風呂文化に驚愕、ローマ人としての誇り故に葛藤する彼の姿は確かに滑稽だが、もとより真剣に苦悩している人間の大半は、傍から見れば滑稽で、からかいたくなるものだ。では何故、読者はそんな彼を笑いつつもエールを送ってしまうのか?
 この愛すべき主人公―真面目で堅物、職人気質ながら己の独創性に疑問を持ち、仕事熱心のあまり家庭崩壊の危機まで招いてしまう―が、つい昨日までの日本人の似姿に他ならないからだ。そして作中の『日本』像はこの視点人物を介して読者に提供される。これは単なる自惚れ鏡ではなく、合わせ鏡が生み出す鏡面回廊である。こんな人生の皮肉さえ感じさせるコンセプトが面白くないはずが無い!
 主人公の(楽しくも)不幸な『すれ違い』は彼我の時間差を認識できていない点にある。とすれば、この作品を楽しめなかった読者は(日本人を想定しています)、主人公と自身との同質性を認識できなかったのだ。作品の内外でコンセプチュアル・アート的状況を構築してしまう、恐るべきギャグ漫画…と誤読しておこう(笑)。

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田中ロミオ版『魔女ジェニファとわたし』?

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 …と、タイトル通りにまとめてしまうと少々大人しすぎるのですが、『青い魔女』との邂逅で始まる本編は夢と現実の関係性、その関わりの中で生まれる絆を描くと言う基本プロットは共通。しかし…何度読むのを中断して笑い転げ、また悶絶したことか(^^;;!
 作中の『妄想戦士』達ほど極端な挙に及んだ人間は多くはないだろう(そう思いたい)が、思春期に捕われた妄想や幼稚な勘違いなどは誰にも覚えはあるはず。『読む竹本泉』という高評価を既に得ていた作者の、毒の部分が今回は色濃い。
 教室、学園内の権力地図や人間関係の力学が生々しい割に読後感が陰惨でないのは、あの長谷川裕一的とも言える祝祭的なラストと、カニグズバーグ作品同様、人との関わりの中で人は自らを発見すると言う健全なメッセージゆえだろう。
 ある意味『ハルヒ』を超えてしまった作品とも言えるが、この二作品のヒロインを比較してみるのも興味深い。

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紙の本世界が終わる前に

2016/03/17 15:54

ミステリであることにこだわり抜いた結果

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

元来、ホラー、ミステリ、SFは深い類縁関係にある。初期の合流地点にポーがあるわけだが、それぞれが自らの特性を突き詰めた結果、ジャンルを超越した傑作が生まれることがある。本書がそれだ。
 SF作家である山本氏が隣接するジャンルであるミステリに真摯に挑んだが故に、ジャンルを突破するというパラドクス。この構図こそが謎ときの後で更に作品を楽しむためのキーであるとも言える。その割にはあのクリスティ作品への言及が無いようだけど、これは『ラプラスの魔』で宇宙を蜘蛛の巣に例えつつアトラク=ナクアの名を出さないようなもの。秘してこそ花と言う事か^^。
 幾重にも仕掛けが施されたメタ・ミステリ。完成度は恐ろしく高い。あと、ギリシャ神話ファンは解読に有利かも。

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紙の本若獅子の戦賦

2007/10/27 23:57

古い革袋に新しい酒を

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 世界初のRPGたるD&D。ゲームを取り巻く環境は往時とは変わり、またゲームシステムそのものにもその変化はフィードバックされてきた訳だが、それでもなおこれが良くも悪くも枯れたシステムであることは論を待たない。
 変化の最たるものはやはり『遊ばれ方』に尽きる。RPGという概念自体が目新しかった時期の試行錯誤を経て、コミュニケーションや戦略性、物語の再現といったセッションを成立させる要素をバランス良くクリアしつつ目標達成を目指す、という当たり前といえば当たり前のプレイスタイルが主流となったのだ。
 RPGにおいて『枯れた』システムであるということはそれだけ長く遊ばれ、信頼性の高いシステムであることを意味する。しかし、それはクラシカルなゲームを愛するファンにとっての話であって、数十年の時を経て培われたプレイスタイルに耐えられるか、疑問に思われる向きもあるかもしれない。本書はその疑問に答えてくれる。
 日本語版公式背景世界『トーチポート』を舞台に、一人の従騎士を中心としてゲームは始まる。家名を地に落とした事件の真相に迫っていくというストーリーラインの基本はシリアスながら、一癖も二癖もあるプレイヤー達のやり取りは、プレイの実際を臨場感を持って伝えてくれる。ゲームにおける『ロールプレイ』の実際が『演技』よりも『演出』寄りであることを考えれば、プレイヤー視点とキャラクター視点の併記は必然であり、リプレイの手法として主流となって久しい。
 かつてD&Dに熱狂した古強者も、新世代のゲーマーたちも、充分に楽しめるはずである。

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紙の本滅亡の星、来たる

2009/09/02 01:25

良質のジュヴナイル

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ディティールへのこだわりが良い。
『トワイライト・ゾーン』へのオマージュでにやりとさせつつも、異常事態を精緻に描き上げ、伏線も怠り無い導入部(最小生存可能個体数? 安全とは言えないもののクリアしているし、ヒロインの設定にもリアリティが備わる)。そして一気に読者は夢の白亜紀に放り込まれる。
 本編においてもまた、くすぐりを交えつつ、変貌した中生代そして何より人間社会が丹念に描写され、そして…満を持しての大ネタが投下されるのである。この当たりの手並みは流石の職人芸としか言いようが無い。
 小惑星衝突による恐竜絶滅説は人口に膾炙してはいるが、古生物学者からは支持されているとは言い難く、作中で語られる21世紀の『伝説』の一つに過ぎない。試しに適当な語句で検索を掛ければ、一見してこの説が現代の神話となっている事が実感出来る筈だ(『ジーンダイバー』も手がけたサイエンスライターの金子隆一氏もこの件では大いにぼやいている)。
 その『破滅の星』の脅威を敢えて主人公たちの克服すべき最終目標に設定した作者の意図はどこにあるのか。じっくり腰をすえて謎解きに挑む価値は大いにある。シェアード・ワールドという作品形態であれば必然的に、細部に至る世界設定は要求されるが、この作品はそれを単なる設定の羅列に終わらせていない。未だ謎の部分も多いながら、伏線の回収に充分期待が持てる理由だ。
 山本作品は『子供向けでない』と評されることが多いようだが、作品を介しての思考実験から、子供たちにモラルとは何かを考えてもらいたいものである。
 評価、星1個分は完結まで保留。

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解説文が・・・

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「矢野俊策版『Fate/stay night』は『アライヴ』で終わったんじゃ無かったんですかー!?」
 …という困惑が第一印象で、充分に楽しめなかったのですが(個人的には)。
 『アライヴ』で語られた“銀なる石”事件との関連も否定できないし、これも一種の伏線と見て今後に期待。ただ、次のような読者にはお薦めできません。
 「娯楽作品において哲学的主題や思想を扱う事に過剰な拒否反応を示す、およそファンタジーとも石ノ森章太郎作品とも無縁の嗜好をお持ちの方」
 早い話、劇場版『ディケイド』を見て腹を立てた方は対象外です。別段海のように広い心は要求されていないはずですが(でも輪廻の獣とか住んどるねん)。
 
 追記:作品とは無関係ですが、裏表紙の解説文を書いた編集者は猛省すべし。レネゲイドにとって媒介は瑣末かもしれないけどさ…

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