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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

オタク。さんのレビュー一覧

投稿者:オタク。

634 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本一九八四年 新訳版

2009/07/21 21:42

古典文学の新訳と言えば光文社だが。

17人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 オーウェルの著作権が切れるのが戦勝国加算があるので、今年だからか、早川書房が新しく翻訳を出したのだろう。
 「星の王子さま」の時みたいに、色々な版元が出すかどうか、は分からないが。
 旧訳と違って、訳語を造語しないでカタカナ書きにしているのが目立つが(まあ、確かに旧訳の「偉大な兄弟」よりビック・ブラザーの方が通りがいいが)、訳語でも表現を変えているのも目につく。「思想警察」→「思考警察」(最初は馴染めなかったが、党幹部から一般人民までの思考を監視しているから、この方がいいかもしれない。頭脳警察みたいだが。)はいいが、旧訳の"duck speak"をそのままカタカナ書きした「ダックスピーク」を新訳は中途半端な「アヒルスピーク」というのはいただけない。
 訳文の文体は甲乙付けがたい、といったところか。
 原著の解説がそのまま訳されていたが、付録の説明にはなるほど、と思った。旧訳と違い横組みにした解説「ニュースピークの諸原理」は、過去形で書かれていて、付録が書かれた2050年か、それ以降の時点では(極端に言えば)「革命前」の世界が復活している、と読める、といった記述(507頁)は、それが作者がそれとなく作中に描いた恐怖政治の消滅を暗示したかったのだろうか。この作品が書かれた頃はソ連に占領された東欧圏が-英米の黙認で(代わりにギリシャは同志スターリンとソ連に見捨てられたが)-共産主義国家に変わり、中国で三大戦役が戦われた頃であり、朝鮮が大韓民国と以北に事実上の分裂国家になった時期だが。それには気がつかなかった。

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紙の本天皇陛下の全仕事

2009/01/20 22:03

案外ない本。

14人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 時代が止まった世界に生きる保守派や反天皇制論者の本は数多あれども、天皇の御公務や宮中祭祀について書かれた本は案外ないものだ。この本は結構細かく書いている。ただし皇族に選挙権・被選挙権がないのは「政治的に中立である必要」ではなくて、戸籍が適応されていない(代わりに皇統譜)から選挙権・被選挙権がない。それと三種の神器について南北両朝に「激しい奪い合い」をした、というより、後醍醐天皇と南朝が御自らの正当性のしるしとして三種の神器を利用した、という方が正しいのでは?戦前の皇国史観じゃあるまいに。北朝にしても観応2年の正平の一統で崇光天皇が廃された時に南朝に没収された後醍醐天皇から渡御された「偽器」とされる神器を持っていたわけだし。参考文献に挙がっている高橋紘氏の「象徴天皇」に賢所の御神体は二座あると書かれているが、一座は明徳3年に南朝から渡御された八咫鏡にしても、もう一座は何だろう?後光厳天皇が践祚される時に使われた、南朝に没収されて空になった「偽器」が入っていた櫃?それとも北朝の神器?
 この本は現在の皇室制度については細かく書かれているが、戦前の制度との連続性については書かれていないのが欠点と言えば欠点だ。新旧の皇室典範をはじめとする法律(出来れば戦前の皇室令も)も収録してもいいのでは?

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紙の本室町幕府論

2010/12/12 22:12

寺院建立とつかの間の安定期。

12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「室町幕府論」と銘打っているが、正平の一統と後光厳天皇の践祚から足利義持の時代までを書いた本である。
 正平の一統による崇光天皇の廃位と破綻後に半ば強引に幕府が擁立した後光厳天皇の践祚が朝廷の権威の低下を迎えた事や「室町の王権」とは随分違う足利義満像(特に永楽帝から封ぜられた「日本国王」号についてや後円融天皇との関係)が興味深かった。
 ただし「室町の王権」に書かれているような義満が征夷大将軍を返上してからの彼の地位がどうなっているのか、が書かれていないのが惜しいところだ。
 建武3年の足利尊氏への院宣宣下から正平の一統までの光厳院院政下の北朝と室町幕府はどういう関係だったのか、知りたくなった。

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紙の本選択本願念仏集

2010/10/11 01:49

読み易い「選択集」。

11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 以前は手頃な文庫本がなかった「選択本願念仏集」も平成9年に岩波文庫から刊行された後、角川ソフィア文庫からも出て、今度はちくま学芸文庫として出版されたのは慶賀するところだ。
 書き下しに簡単な註を付しただけの岩波文庫版や編者の主観がにじみ出てくる現代語訳や解説が目立つ角川ソフィア文庫版とはまた一味違って、このちくま学芸文庫版は読み下し(白文の読み下しでの異読が註についている)に語釈と要旨がついているが、はなはだ読み易い。出来れば白文も参考として付録にすれば、なお良かっただろう。解説も詳しく、読者の益になるだろう。

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増補版。

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 親本は筑摩書房から出た本だが、原書が改稿されたものを訳し直している箇所がある。親本が小学館から出た「バウッダ【仏教】」と言い、この本といい、講談社学術文庫で続けて、いい宗教書を覆刻したわけだ。
 ただ2001年に改稿された本にしては、イランのゾロアスター教徒についての記述がイラン革命前で終わっている。そこが物足りないところだ。
 ゾロアスター教についての本が少ないから、この本を入れて何冊か読んでも、教義についてはともかく、ゾロアスター教の歴史についての記述が本によってバラバラだ。それだけ史料が少ないのか、史料の名前を列挙しても読者の方が馴染みがないからか、両方かもしれない。

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紙の本〈証言録〉海軍反省会

2009/08/03 22:26

海軍士官達の反省録。

12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 帝国海軍讃歌ではない海軍士官達による海軍の体質批判自体は評価出来る。しかし、特務士官以下の海軍軍人達の視点から見た海軍批判もあった方がいい。
 この本にも出て来るが、兵学校出身の海軍士官の方が階級が低くても機関学校出身の機関士官より指揮権がある、というのも、帝国海軍という軍隊は、英国海軍仕込みの階級社会を無批判で明治日本に導入した結果なのは分かっていても、どこかおかしな存在だ。陸軍だったら少なくとも指揮権に関しては階級が全てなのに。
 なお、口絵写真のキャプションで、「華頂宮博信少佐」とあるが、臣籍降下されているので「侯爵華頂博信少佐」の間違い。

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紙の本皇族に嫁いだ女性たち

2009/03/10 23:31

王公族については…。

12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「梨本宮伊都子妃の日記」以来注目してきた著者の新著だ。皇族方についてはともかくとして、王公族方については?がつく記述が目につくのは相変わらずだ。韓国併合直前の英王来日から王世子殿下薨去までの百年間は大韓帝国の旧皇族-韓国併合から現憲法公布による身分消滅までは王公族-と日本の皇室との関係については、もっと語られても然るべきだが、せいぜい語られるのは李王垠殿下と李王妃方子女王殿下だけだ。李鍵公妃も秩父宮妃殿下や方子女王殿下と従姉妹だが完璧に忘れられた存在だ。
 何しろ李王殿下に直接取材した張赫宙作「李王家悲史 秘苑の花」に一言も言及していないで、他の方が書いた、どうでもいい小説は引用までしている「李方子」という評伝を書かれた方だ。本当は「秘苑の花」抜きで李王垠殿下の前半生は書けないと思うが、そうなると植民地時代から戦後の朝鮮人の法的立場から張赫宙論・朝鮮人による日本語文学論(戦時下の朝鮮人による日本語や朝鮮語での親日文学だけではなくて)まで手を広げないと理解出来なくなるだろうが。

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日本共産党の戦後秘史

2008/11/04 06:51

題名を改名した方がいいのでは?

12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この文庫本は親本から相当加筆されている-特に戦前や昭和20年代の共産党について。ただし言及されている事柄が、どこから引用されているのか、触れていないのは如何なものか?-から、題名が内容と食い違っているので、「戦後」は取った方がいい。
 著者が党を除名されたきっかけは、拉致問題から手を引かなかったからだが、日本共産党と在日朝鮮人の関係について、もう少し説明が必要では。「無謬」のコミンテルンによって朝鮮共産党が「一国一党制」の名の元に解党させられてから六全協決議までの四半世紀だが、そこは触れないと、著者が救う会から追い出した佐藤勝巳氏-彼は六全協後に入党して中国派に近いとして党籍が無くなったと彼は書いているが-の世代あたりまでの日本共産党員と北朝鮮や朝鮮総連との関係が分からなくなる。
 考えようによってはコミンテルンは朝鮮共産党を解党後は朝鮮を「国家」として認めなくなっているのに、祖国光復の為に朝鮮人が日本や中国の共産党に参加したわけだ。謝雪紅のような台湾人をクートヴェの日本人班に配属していたというし。
 旧版に無かった人物評を読んでいると、案外野坂参三氏について甘く書いているなあ、と思った。彼が天皇制度について共産主義者にしては、よくいって柔軟な、悪くいって特異な考えを持っているから?もっとも、それでないと延安で反戦同盟を組織出来なかったろうが。共産党も「護憲政党」が「君主制の廃止」を掲げた旧「党章」から現綱領に変えた時に、彼の主張に似た表現に変えたが、野坂氏が党を除名される直前にロシアで発見された「天皇退位、皇太子践祚」という保守派の一部にも見られた主張の文書が見つかった件でNHKの取材を受けた時に自己批判をさせられたが。
 この本には言及されていないが、新潮社と不倶戴天の関係にある創価学会と中国との関係は、案外日本共産党と中国共産党がケンカ別れしてから急に親密になっているような気がする。池田会長の「提言」や公明党の訪中が始まるのが、その時代からだから。
 しかし片手で「蟹工船」が売れて、もう片手で日本共産党批判の本が同じ新潮文庫で販売するとは新潮社も商売上手だ。

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合本から。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 今までフランシスコ会訳の新約聖書は合本が刊行されていたが、旧約聖書との合本が出たのを機に新約聖書も改訂されたわけだ。今までの新約聖書より判型がスリムである一方、フォントは小さくなった。今までの「イエズス」表記も「イエス」に変わり、「使徒行録」の書名も新共同訳と同じ「使徒言行録」になった。パウロ書簡は新共同訳の「信徒」ではなく「人々」が表題になっている。人名や地名の表記は新共同訳に準じている。合本と同様、本文に地図が附せられているので分かり易い。
 フランシスコ会訳の旧約聖書の分冊は出ないだろうか。合本の図体からして註を削らない限り、岩波版旧約聖書のように4冊ぐらいになりそうだ。カトリックの聖書は本文に註が附せられているのが特徴なので註を削る事は出来ないだろうが。

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紙の本バウッダ 佛教

2009/12/13 11:36

碩学による入門書。

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 特定の宗派に寄らず、阿含経典と大乗経典を簡潔に紹介した本。
 仏教書は、その著者が属している宗派が所依としている経典や論書の紹介になっている本が多いが、この本は三宝の紹介から始まって、南伝仏教、大乗仏教の成立と主な経典の成立と漢訳やチベット語訳をはじめとする翻訳の歴史を記した本だ。
 意外とこういう書籍は少ないものだ。特に経典の流伝について、ある程度まとまって書かれて本は。

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他の本よりはマシだが。

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 原武史氏の「大正天皇」以来、大正天皇について何冊か読んだが、明治・昭和の両天皇の御代の間で、語られる事が殆どなかった大正天皇について論じられるのは、いい事だ。
 他の本に比べて、大正天皇を政治的に評価して、且つ「開かれた皇室」につながる皇室像を築かれた天皇(大正デモクラシーという時代の流れもあるにしろ)として書いているので、好感が持てた。
 ただし他の本やミネルヴァ日本評伝選の「明治天皇」と同様、和歌や漢詩を嗜まれた歌人としての大正天皇像が欠けているのが難点だ。参考文献に御製集も紹介されているのに。まるで御製集の中の天皇と歴史の中に存在した天皇が別人のように乖離している印象を受ける。
 いわば「梁塵秘抄」抜きの後白河院や「新古今和歌集」について触れない後鳥羽院を描くようなものだ。
 それと昭和天皇についての記述は多いのに、貞明皇后についての記述が少ない。貞明皇后が政治的にも有能な方なのに、不思議な事だ。
 110頁にある明治40年の韓国行啓について、「日本列島以外の新領土に足を踏みいれた」とあるが、まだ大韓帝国は日本の保護国であっても、植民地・朝鮮ではない。それと韓国併合前なので、ソウルの事を表記するとすれば、京城より漢城の方がいいのでは?

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紙の本古今和歌集 現代語訳付き 新版

2009/06/25 05:27

今までは取っつきにくかったけれど。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 今まで古今集を手にしても、どうも取っつきにくかった。
 しかし、この本は注釈や解説がしっかりしているからか、これからは古今集が親しみやすい勅撰集になりそうだ。
 出来れば、この角川ソフィア文庫で、もう刊行されている新古今集以外の勅撰集+新葉和歌集も出してほしいものだ。明治書院で刊行中だが、値が張る。

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時代は変わったねえ。

11人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ドイツ軍の側からか、ソ連の公式発表的な本しかなかった独ソ戦史も、ソ連側からの史料や証言も利用して書けるようになったのだから。心理的には.かつての同盟国ドイツ軍側からの本やドイツ軍側の視点も入れた本の方が、どうも読みやすいが。
未だにヴラーソフ将軍を「裏切り者」としてしか評価されないのは仕方がないとしても、彼がまだ赤軍の英雄だった頃の事や彼が指揮した部隊を戦闘序列から削除したモスクワ戦の本が出版されているとは思わなかった。
でも、一番心に残ったのは緒戦でドイツ軍の捕虜になって、スターリンから名指しで批判されたポネジェーリン将軍の悲劇。ヴォルゴゴーノフ将軍の「勝利と悲劇」で初めて知った話だが、後でユルゲン・トールヴァルトの「幻影」に捕虜収容所の中で彼がヴラーソフ将軍自身からロシア解放軍への参加を勧められたが、断ったエピソードが出ていた。この本の中でポネジェーリン将軍の娘が語っている話が、この事だろう。珍しい姓だと言っているから同一人物と見て間違いないだろう。この本で初めて知ったが、それでも帰国してから同志スターリンに手紙を書いた事が書記長の記憶を甦させただけで、銃殺されてしまうのだから。幾ら敵の捕虜になったら裏切り者扱いされる共産主義国家でも、ひど過ぎる。何しろ「勝利と悲劇」に彼はヴラーソフ将軍とマルイシキン将軍という二人の対独協力者と一緒に非難された公式発表が引用されているから。
同志スターリンの鉄の意志が勝利に導いたのは確かにしても、トゥハチェフスキー事件による赤軍将校団の破壊と緒戦での敗北や恐怖政治と恣意的な情報統制の結果としての対独協力者の出現は彼の責任だ。

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紙の本聖書 原文校訂による口語訳

2012/01/04 23:35

カトリックの聖書。

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 昭和33年以来、長い時間をかけて翻訳されたフランシスコ会訳の聖書が注釈を大幅に削った形で1冊に合本されて刊行された。
 カトリックの翻訳と言ってもラゲ訳やバルバロ訳のようにウルガタからの翻訳ではなく、ヘブライ語(第二聖典はギリシャ語)やギリシャ語からの翻訳である。
 フランシスコ会聖書研究所の翻訳者達が日本聖書協会から刊行された共同訳・新共同訳の翻訳に参加したので、そちらに時間を割いた事もあるだろう。これから日本聖書協会から刊行される仮称標準訳聖書の刊行にも参加されているだろうが、イエズスの表記をイエスにしたり、聖書の題名をそれまでのカトリックの表題から新共同訳と同じにしたように、一見したところ、カトリックの独自の翻訳というより新共同訳の兄弟みたいな形になっている。
 題名ぐらいは従来からのカトリックの書名を残してほしいところだ。
 カトリック独自なのは配本とダニエル書とエステル記の内容ぐらいだろうか。岩波版聖書は合本にするにあたって解説は大幅に削ったが注釈は残してあるが、フランシスコ会訳の場合1冊に収めるには多いのだろう。分冊版の解説を残すには、別個に刊行するか、電子版にするしかないだろうが、刊行に時間がかかっているので、古い版では内容が古くなっているだろう。刊行が終わるまでに教皇がピウス12世からヨハネス・パウルス2世まで5代変わり(合本を入れると今のベネディクトゥス16世まで入る)、第二ヴァティカン公会議という大きな変化もあった。
 詩篇の番号に70人訳・ウルガタ訳の番号が括弧付きで添えられているのは、独自色と言える。
 注釈に異読や異訳も添えられているのは読者にとって親切だと言える。仮称標準訳聖書も本文に注釈を入れるというので、どういうものになるのか楽しみだ。日本聖書協会が刊行する聖書は大正改訳に簡単な本文注が付いていて、共同訳・新共同訳に注釈入りが出ているを除くと、付いていない。刊行中の田川建三訳のように本文より本文批判の注釈の方が多い(というより、それが田川訳の特徴といえる。完結の暁には岩波版やフランシスコ会訳のように1冊に合本されるというが、最小限の注釈は残してほしい。)のが特徴の聖書もある。田川氏の言われるように聖書のような古代の文書に注釈がないと理解できないというのも一理あるが、それを入れると分量が多くなる。現に田川訳のルカ文書が1冊に刊行される予定が「ルカによる福音書」と「使徒行伝」が別々に刊行されている。
 新共同訳のように巻末に地図を入れないで、文中に挿絵と共に入れているのがバルバロ訳に似ている。

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紙の本新約聖書 新共同訳 1

2010/10/18 21:23

解説。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本文は日本聖書協会の新共同訳を2段組にして、イエスの言葉をゴシック体にした本。この本は4福音書を収録しているので、岩波文庫の福音書みたいな本だ。
 活字は読み易い大きさだ。
 佐藤優氏の解説で買ってみたが、田川建三訳や岩波版、フランシスコ会訳みたいな新約聖書の写本の異読や時代背景についての解説(マタイ伝の主祷文とマルコ伝の末尾についてだけは書かれている。)ではないので注意。

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