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ちょっとピンぼけさんのレビュー一覧

投稿者:ちょっとピンぼけ

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紙の本世界は村上春樹をどう読むか

2007/12/03 14:07

「世界で読まれる春樹」という問題。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

東大で行われた、村上春樹についての3つのシンポジウム(主に東大で行われたものについて)を記録した本である。

 リチャード・パワーズの、彼らしい、いささかぶっ飛んだ基調講演「ハルキ・ムラカミー広域分散ー自己鏡像化ー地下世界ーニューロサイエンス流ー魂シェアリング・ピクチャーショー」(英題は”Global Distributed Self-Mirroring Subterranean Neurological Soul-Sharing Picture Show") から始まって(パワーズって春樹ファンだったんだ、ということにまず驚き、その後なぜか納得してしまうのは私だけだろうか)、世界各国での受容のされ方、装丁、翻訳などについての対談が載っている。
 それぞれ、今まであまり正面きって論じられてこなかった題材であったので、なかなか面白い。カタロニア語版「ノルウェイの森」の題名が「Tokyo Blues」に変えられていたなんて、知らなかった!

 ただ、17カ国の村上春樹の翻訳者が参加(!)しているだけあって、議論は散漫になりがちで、その内容は浅くなってしまっている。それぞれの翻訳者に与えられた発表の時間は3分程度だったそうだ。「私はたった3分の話をするために、十何時間もかけてはるばる日本にやってきたんでしょうか」というノルウェーの翻訳者の抗議に、柴田元幸氏はたじたじとなってしまったそうな。逆に言えば、語りつくせぬほどの村上文学への想いを抱えて、はるばる遠い国からやってきたということだろう。

 それだけに、発展途上の問題の種が沢山詰まっている一冊であるともいえそうだ。

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