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村瀬 孝六さんのレビュー一覧

投稿者:村瀬 孝六

1 件中 1 件~ 1 件を表示

もっともっと深く突っ込んで欲しかった

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私が読んだのは改題前のブルーバックス「精神鑑定とは何か」(1995年)であるため多少内容が異なっているかもしれない。

精神鑑定医としての経験を持つ著者が、自身の担当したいくつかの事例を解説しながら精神鑑定という作業を紹介してゆく内容である。

中盤章では心理テストを使った事例を紹介し、行われた知能・心理テストの解説、実際に被験者が描いた絵を使っての説明はなかなか面白い。

最後の章では精神鑑定とは科学的方法と呼べるのかどうかという問題に対する著者なりの解答を述べている。


本書が登場してから既に10年以上が経過しているため精神病の分類、名称が現代と異なっている。
例えば本書に登場する「精神分裂病」は現在「統合失調症」という名称であるし、その病気とされる範囲も現在とはかなり違うのではないかと思われる。

そのため現代の精神病に関する知識を持って読むとかなり違和感を覚える内容になっている。
分裂病(統合失調症)や境界性人格障害という病気の特徴が大きく異なっているためこの本を読んで「○○ってそういう精神病なんだ」と思わないように注意が必要だ。


終章の「精神鑑定は科学的方法か」では「科学的」とは何かという最も重要な部分が考察されていないまま論が進んでいってしまう点が残念である。

筆者は科学の分野に対して少し見下す態度が見受けられ、物理や化学というのは精神医学に比べ簡単な分野である、と認識しているようである。

科学的であるかどうかの議論に「再現性」のみを根拠とし、科学と違ってマニュアル化できる簡単な分野じゃないんだよ精神医学は、と言わんばかりの論調が続く。

科学的かどうかの検証を行うのであれば、例えば反証可能性といった考え方で他の科学(技術)、非科学、疑似科学、反証可能性は無いが信頼性の高いとされる論(進化論等)を交えて、では精神鑑定とは科学的なのか、そうでなければどのタイプに分類されるのか、という考察を行う必要があったのではないかと思う。

もうひとつ最後に苦言を述べさせてもらうと、この筆者には精神病医としての臨床経験があまり無いのではないか、という疑問を持ってしまう内容になっている点が最大の失点である。
もっともっと深く細かく、一般的な精神科医では及ばない数多の精神病者と接し精神鑑定を行ってきた者にのみ書ける物をここに表現して欲しかった。

私はそれを期待して読んだので星3つと辛口評価である。

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