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先月(2017年8月)

シャリアさんのレビュー一覧

投稿者:シャリア

36 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本自分に気づく心理学 愛蔵版

2009/01/05 22:03

雨の日は雨の日である事実を認めること。

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 人は他人をそれほどよく見ていない。あなたがそうであるように、自分のことで手一杯だ。ところが自らのこともそれほど見ていない。感情が沸きあがるまま、あるいは抑圧したままに行動しているだけである。結局、自分というものに気づいている人は自他共にあまり見当たらないのである。
「あなたのことに気づいている人は、あなたも含めて誰もいないのである」となると誰も気づいていない人だらけで人間社会が構成されていることになる。
 もちろんわかったつもりにはなっている。自分のこと、他人のことを。予測の中で築かれている関係だからこそ、壊れやすい。自分と自分の関係でさえもそうである。

 せめて自分のことだけでも気づきたい。「イライラしている自分にイライラしている」などという状態くらいは避けたい。そこでヒントになるのが本書である。
 筆者は言う「雨の日がわるいのではない。雨の日に晴れていると信じていることが、心を病ませていくのだ。」と。「事実は人によって重みが違う。そのことで傷つくとすれば、それは自分の問題である」と。従って自分がどのように感じ、あるいは何を抑えているかを深く理解することが「はたから見ればつまらないトラブル」を回避できる。

 さらに読み解くと「不快に感じられる他人は、自分の欠点を知るチャンスである」ことが非常に興味深い。人は自分の欠点を隠そうとする。その隠そうとしている欠点を目の前の他人が演じている場合、他人の行動なのに、自分のことのように責めてしまう。それが不快感や怒りといった感情で現れるのである。もし自分にその欠点が無ければ、単に哀れみを感じる程度または、まったく関係ないので、感情面では関わろうともしない事実に気づかされた。

 他人は他人でしかなく、自分ではないこと、従って、本書の通り「他人は、あなたを傷つける力を持っていないこと」を知ると同時に、自分は自分であることをまず認めること、雨の日は雨だと認識することから始めたい。雨の日には傘をさせばよいのであって、晴れだと信じ込み、ずぶぬれになるのは滑稽だ。自分に気づいていない場合と同様であることが深く理解できる一冊でした。

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「半値、八掛け、四分五厘引き」はフィボナッチポイント

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 黄金分割比率Φ。物事が美しく見える比率の一つ、ファインビューだ。
「美しいチャートパターンの時にチャンスあり」

 チャートをアートと見るか、ロールシャッハと見るかは人それぞれであるが、一つの指針と見ることができるパターンがある。
 本書で紹介されている「AB=CDパターン、ガートレー222パターン、バタフライパターン、三段上げ・三段下げパターン、ヘッドアンドショルダーズ、」などが、それだ。

 著者は「あるパターンの時にフィボナッチ比率になる」と言っているのではない。
 フィボナッチ比率に当てはまる位置に利益確定ポイントを置き、パターンが明らかに崩れたと判断できる位置にストップロスポイントを置けといっているのである。

 本書に「一連のトレードのなかでどれが勝ちトレードになり、どれが負けトレードになるかを予測することはできない」とあるとおり、マーケットに規則性が常に存在しているわけではない。むしろ不規則性のほうが圧倒的に優位に現れる。そこに自分なりの基準を持たずに入っていくと、ちょうど車酔いに似た状況となる。
 これを防ぐための薬の一つがフィボナッチだ。

 「マーケットに勝ち残るためには、利益の皮算用ではなく、どれくらいの損失リスクがあるかを最初に考えなければならない。」という永遠のテーマが本書の根底にある。
 それには、マーケットと自身のトレードを客観的に見ることができるツール及び考え方が必須となる。さらに著者は心理面についても深く考察している。
 紹介されている辛らつな負けパターンは、まるで自分のことを語っているかのように、ぴったり、あてはまる。
 その対処法を探しているトレーダーにとっては、豊富なヒントを与えてくれる書となるであろう。

 それにしても、よくこれだけフィボナッチにあてはまるチャートパターンと崩れたパターンを集めたものだと感心してしまう。
 それは「考えたことではなく、見たものに従ってトレードする」というメインテーマに沿って「パターン認識による価格の行動パターン」を示しながら、見ることの「客観性を養う」目的があるからだと読み解ける。
 ”仕掛けの確認シグナル”、”見送りの確認シグナル”、”ストップポイント&利確ポイント”を明快に示してくれているところも、さらにありがたい。

 大暴落のあとバタフライ・パターンがあらわれるかどうか観察する絶好のチャンスである。まさに同じ時間の長さを共有し、経験とともに身をもって体験できる(=身につける事ができる)機会が到来している。もちろん本書の示すヒントのとおりストップロスポイントをどこに置くかを考えながら。
 自らの基準作りをする際に、すべきポイントを教えてくれる一冊である。

 ところで2007年3月2日の日経225の18300円の「半値、八掛け、四分五厘引き」ポイントは6990円である。一方10月28日に6994円を記録している。
 4円を誤差と見るかどうか、再度6990円に挑戦するかどうか、みものだ。
「マーケットに繰り返し出現してきたパターンは”群集心理(恐怖とどん欲さ)”が反映されたものである。(すなわち人の本質は、それほど変わっていない)」とする本書のとおり「それは美しい比率」となって現れる。はたして今回はチャンスとなるか、見送りとなるか、ポイントの設定方法は本書にて。


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はじめは、信じられなかった。リバモアが単行本で出版されていて、目の前にあることを。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本当にリバモアが書いたものかどうか、知る由もないが、彼が犯した過ちについても詳細に記述されているので、私の蔵書となった。

「マーケットである程度、勝ちが続くと誘惑にかられ注意力を失い、自らのルールを逸脱して、稼いだ金のかなりを失ってしまった」ところから、資金管理の重要性に気づく。「利益の出ているポジションを閉じるたびに、利益の半分を口座から引き出しておく」、彼ほどの相場師でも心理面でコントロールできない事を知り、できないがゆえに、物理的に利益を確保しておくことで、失うことの防ぎ方を説いてくれている。

幻の著書「世紀の相場師 ジェージー・リバモア(リチャード・スミッテン著)」の中では、この「資金管理」の他に「タイミング」と「感情抑制」が株取引の要諦であるとしている。本書ではもっと噛み砕いて、「100万ドルの損失や300万ドルの利益、ピボットポイント」の項目の中で「トレーディングにおける時間的要因」理論として明らかにしている。

彼の考え方の基本的な部分に「勝つのは常に、勝つ条件が都合よくすべてそろっている場合に限られること」と、「それまでは、研究し、待ち続け、決して準備を怠らないこと」があると、本書からもうかがい知ることができる。
彼は説く「情報を収集・分析をして(自分=個人で)判断をすべきだ。同時にその判断に固執するな」と。
 そして「マーケットはけっして誤らないが、個人的見解はしばしば誤る。個人的見解など市場がそのとおり動かなければ何の意味もない」と。
やはり「リバモア」。今回も期待を裏切らない。

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潮干狩り・・・基本に帰る素敵さ

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「『FXで利益が増えるようになりたい』という私の夢は叶いました。」この一文がすべてを物語っている。気負うことなく、投げやりでなく、等身大の私たちの一人。その実現への過程はシンプルに分かりやすく書かれているが、そこにいたる葛藤には凄まじいものがあったと想像できる。
「キーボードやマウス、近くに置いてあった電卓をバンバンたたいて壊す」、「何をしても楽しくなく、ちょっとしたことでイライラ」、「ルールを守らなかったことに対する腹立たしさで、自分の頬を何度も叩いた」かなり過激な人とも思えるが、そうではない。この経験が無ければ、次に進めないのである。

 著者は言う「あのような辛い思いは、これから希望をもってFXを始める人には味わってほしくない」と。そこで、準備の仕方からセットアップ、資金コントロール、イグジット、著者自身の戦略と戦術を平易な言葉で丁寧に解説されているところのに著者の強い思いを感じる。

 その思いとは反対に、そうなるまでには「味わってほしくない」辛らつな苦労があることもうかがい知れる。
「一日8時間、一年以上」ここまでしないとつかめないもの、それは。

 莫大な資金力と、膨大な情報力、高度な確立論を駆使した精鋭たちが海の向こうで壮絶な魚の奪い合いをくり広げている。一方、竹槍がやっと鉄に変わったレベルの私たち。おいしい魚が取れるとの噂で、気まぐれに海に行ったところで、交通費がかかるだけ。それどころか台風に遭遇したら波にさらわれてしまう。一方で浅瀬で自ら溺れてしまうものもいる。

 利益を得る方法は皆無に等しいと分かった時、
「今できないのであれば、今後できるようにすればよいのです。」という著者の言葉に勇気づけられる。
 潮がひいたとき、自分のバケツのサイズにあった量をとっていく。いつもとれるとは限らないことを、経験から肝に銘じながら。もちろん欲張りすぎてバケツいっぱいにして、ひっくりかえしてしまって、すべてを台無しという体験もしないとわからない。
 自分の持っているもので試行錯誤しながら前に進む著者にエールを送るとともに、惜しみなく教えてくれている姿に感謝しながら、気づかせてくれた勇気を大切にしたい。

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判断基準は”楽しい”かどうか

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「その思い込みは、あなたにとって楽しいか」
著者の言葉を借りれば「あなたの、そういう思い込みは、あなたの役に立っているのか」。この一文がすべてを言いあらわしているとおり、同じ出来事に遭遇しても、人それぞれ、その出来事が何を意味しているかの受け取り方の違いから、感情の違いが生じる。
 受け取り方の違い=思い込みの違いである

 人は思い込みがないと前に進めない。例えば、一歩先にも道が続いているように見えていて、いつも歩いて大丈夫だから、今回も大丈夫と思い込まないと、前に進めない。
 そこに落し穴が、今回はあるのではないかという思い込みなどしていたら、歩けないのである。しかし、よく考えてみたら、そこに落し穴がある根拠もないが、ない根拠もないのである。根拠がない相反する思考に接した時、どちらの思い込みをとるか、はその人次第だ。

 ある思い込みが、自分にとって不利益な場合、違う思い込みに変えてしまう手法が、段階を追って解説してある本書の著者は「努力と練習をすれば、変化の起こる可能性は高い」と「手間はかかります。でも変えられます」と勇気づけてくれています。
 そして、後戻りしても、もう一度、「ステップをやり直せばいいだけのシンプルなことです」とフォローしてくれています。

 「人間いつでもリスタート」、「人は誰もが主観的であり、不完全だからこそ生きていける」と知ることのできた時、「たとえ事実が変わらなくても、見方に変化があらわれる、英知と勇気で。」と楽しく思うことができた。

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ミリオネア・トレーダーズ

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「太陽がサンサンと輝くカリブ海への途上、乗り継ぎ時間を利用してニューヨークでインタビューに応じてくれた」
 トレーダーを目指すキッカケは「その時間と収益の費用対効果」及びそこから生み出される利益の蓄積による優雅な生活(例えば半年はカリブ海のビーチ)だ。

 ところが、本書にあるとおり、その道の途中、いや最初のほうで、資金全てを失うほどの壊滅的な失敗をやらかす。
 そして、多くの人はマーケットから退場していく。「もう懲り懲りだ」と。
 
 本書では、どん底から、どのように立ち上がり、学び、経験していくかが、詳細にインタビューされている。「必ずしも最強、最速の者が勝つわけではない」がメインテーマだ。

 普通の人々が普通の資金(日本円で10万-50万)をためて、資金労働させていく為の、規律や考え方をわかりやすく説明しているところが、とても興味深い。
 「練習が成功を保証することはないが、練習不足はほぼ確実に失敗をもたらす」とデモトレードをほとんどの小鬼が薦めてくれる。

 「トレードスキルは経験しなければ身につかない」とやさしい表現をしてくれているが、深く読み解くと「失敗しなければ、身につかない」となるほど、厳しい場面もある。

 しかし、例えば自転車なら、転んでも、また練習できるが、もしも飛行機なら、そうはいかない、一度で終わりだ。「ダムマネー」を提供することしかできないレベルでは、このことさえも、分かっていないのだなと痛感させられた。

 チャンピオンベルトに魅せられて、そのプロセスに焦点を当てることを忘れている(ベルトだけ見つめてボクシングするのを忘れている)のは、ちょうどカリブばかりに目を奪われ「地道に取り組み、とてつもない規律が求められる」マーケットを見失い、ノックアウトを食らうようなものだと改めて認識した。

 ミリオネア・トレーダーとなった後も基本は変わらないことを本書を通じて理解できた。
 栄光に心奪われることなく、日々のスキルの研鑚に励んでいる姿はとても地味だが美しい。

 マーケットに対するスキルの度合い、そのポイントは「自分の心の罠に、自分で気づくかどうか」だ。(損をする誘惑にかられそうなエリアから離れることができること)
 マーケットは戦いの場ではなく、観察の場であることが12人の小鬼からも、うかがい知ることができた。

 本書での質問「あなたのNo1ルールは何ですか」に対し、「資金を守ること」が回答に多いところから、「トレードに使うお金は将来の富の元」という意識が高いとともに、自分の罠に入り込まない為のトレードスキル及びマーケットセンスを磨き続けることが資金を失わないことに通じると理解できた。それは、「攻め」というより「守り」、「成功」というより「同じ失敗を繰り返さない」という印象だ。

「トレードを仕掛けたときは想定損失と想定利益を答えられる」まで研究してから「利益を安定的に生み出すシステムを使ってトレードしたい」というミリオネアの決意に成功の秘訣を垣間見た。
 「すべからず集」の塊、すなわちミリオネア・トレーダーへの道に他ならない。
 それは、カリブ海のイメージとは、ほど遠いものであった。

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現在、過去、未来の「時間の見える化」

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 物理的時間と心理的時間という概念「あなたと私の一時間は違う」ということに気づかされた。時計の針は物理的に等しく一回りするが、同じ一時間でも、人によっては短く、人によっては長く感じることがる。たとえ同じ事象を体験したとしても。
 それは本書のキーワード「自分のリズム」で過ごしているかどうかの大きな差のためである。
 他人のリズムで過ごしているうちは目標未達はもとより、苦痛でさえある。自分のリズムをどのように見つけ、合わせていくのか。
 ポイントは「時間の見える化」。著者の言う「グレー時間」「灯台の時間」などを記録し、ある期間の量としてとらえる。やってみるとその膨大さに驚く。加えて、これが今のリズムなのだと知ることで、無用な不安や空回りを防ぐことができる。
 自分のリズムを知らないうちは、思い込みや迷いに誘われて迷宮をさまようことになる。

 ポイントは「あらかじめの”時間の確保”」にある。
 もともと、スケジュールは日付けによって確保されている。そして時間によっても枠取りがされている。
 その物理的時間に自分の時間をはめこんでいく、著者流にいえば、「やりたい事やしなければいけない事をあらかじめ書き出しリスト化しておく。それを月単位、旬単位、週単位、一日単位にプロットしていく」となる。
 私達は手帳に”決定した予定は書き込むが、決まっていない予定は書き込まない”。これは手帳のスケジュール備忘録化である。もう一歩進めて、「時間の見える化」をしたいのだが、なかなかできない理由を著者は「遠くの仏より近くの鬼」のためと指摘している。「たとえうまくいかなくとも自分の知っている状態は安心するが、未知へのチャレンジやなじみのないことは不安だ」と。
 しかし、脱出ヒントを示してくれている。「自分が無能だとわかってしまう恐怖の気持ちは、実は”進もう”というサインでもある」「本当にしたいことが夢物語のうちは、恐怖は少ないものです。でも、それがどんどん近づいて、リアルに感じられると、どんどん恐怖心が増えてくる。だから、怖いと思う心がつのっているというのは、夢や目標に近づいているサインなのです」と。

 実行可能な行動として、「漠然としたTO DO」と「具体的なTO DO」、「ワクワク・リスト」も書き出し、そして「傷ついた言葉」や「うれしかった言葉」も”見える化”しようというのがとてもユニークだ。
 ネガティブの反対がポジティブと言うけれど、ネガティブの延長線上にクリエイティブがあるのも事実だ。著者は「短所の延長線上に長所がある」と表現している。せめて、自分のための時間をあらかじめ書き込んでおこうと気がついた。

 俗にある目標達成に向けての細かい目的達成スケジュール戦略ではない。自分のリズムで進むことが夢をかなえる基本との一貫した主張。「今日の次に来るのは、明日でなく、今日です」との言葉が印象的であった。 その奥に「常に現在の積み重ねが、自分の時間を作り上げている」と読み解くことができ、「将来に過ごすであろう”現在”に、自分の時間をあらかじめ予定しておく」ことの大切さを実感した。

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チャートの中のコンフォートゾーン

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 何をどう思おうと、その人にとって今の状態が心地良いとすると、驚きだ。
不平や不満、怒りさえも、そうしていること自体が自分を安心させていると気づくのは、難しい。ましてや自分から無意識に求めているなんて、思いもよらない。
 たしかに、どうでもよければ、ストレスを感じる原因が無い。それは出来事を知らない、あるいは興味が無い(=求めていない)のといっしょだ。

 マーケットに参加していなければ、興味も無ければ、日々のマーケット情報は雑音にもならない。
 出来事を認識し、どうでもよくないとなれば、とたんに状況が一変する。
「メディアは大衆を恐怖に落としいれ、危機をあおることで利益を上げている」と本書にある。「(大衆も)結局のところ、逃げ場を求めているだけなのだ」と。恐怖を恐怖と認識することが、逆に本当は居やすいところとなっていると。
 雑音が感情の原因となり行動につながる、それも自らが求めた状態になるために、それは意識しているしてないに関わらずのレベルだから、自ら理解できないのも、もっともだ。

 ひょっとすると、自分の売買ルールを守らないのは、損失の恐怖からではなく、大損をしたいからなのかもしれない。一攫千金を狙うとき、そんな話があるわけがないと、心のどこかで思うように。
 損をしていること、腹が立っていること、不安がって心配していること、「今に戻る、そのうち上がる」と願うこと、それが自分にとって実は居心地がいい。なんてことは、とても信じられない。

 ところが「彼らは成功したから幸せなのではない。幸せだから成功したのだ」と著者は言う。
幸せの状態が心から居心地が良いと、成功への道のりを歩むことになると。
幸せの状態でないことに慣れてしまったとき人は、そこから抜け出すことを「不快」と感じる。変化を嫌うのかもしれない。それにしても幸せでない状態が居心地が良いとは、にわかには理解しがたい。

「スタスミン、オンコプロテイン18」と本書に紹介されている遺伝子が鍵とみた。
本書によると「恐怖反応に関するタンパク質の生成をコントロールする役割がある」そうだ。
 その回避をするための行動、運動でバランスが取れるのだが、実際に体を動かす必要が無い場合、生成されたタンパク質が体内に蓄積されてしまう。蓄積が常態化ということになれば、絶えず不安がることが普通(=安心)となってしまう。

「自分の(心地よい)成功基準を下回れば、お金を稼ごうとするばかりでなく、自分の成功基準を上回ると、損を出して相殺しようとする」と著者は説明する。なるほど利益が出すぎたとたんに調子に乗って、しなくてもよいトレードを繰り返して、利益を帳消しにする理由がわかった。
「何をやっているんだ」「自分が嫌になる」などと思っている自分にどこか安心しているのかもしれない。不安を怒りで対処することによってバランスを取っている(安心を保っている=不安に思うことで安心している)。この「(本当は)心地よい基準」すなわち「コンフォートゾーン」を認識することが第一ステップだ。
 ストレスを感じている状態がコンフォートゾーンとなっている場合や、そのゾーンから外れている状態がストレスとなっている場合など様々だ。

 第二ステップがゾーンを上に広げること。それには相当のストレスを感じざるをえない。
そこで本書の登場だ。人は今までの環境が世の中のすべてだと考えてしまいがちだ。生きていることが正解の証だと。ところがそのレベルが相対的に低いのか高いのか認識できないし、しようともしないし、したくない。
 そこ(「自分の”内側”にある恐怖、感情、信念の限界」)を克服しない限り、トレードの達人にはなれないと著者は言う。

 そして「たとえ心から信じられなくても、自分が求める思考を自分で選べる」「その思考と一致した行動をとり続ける」そこに成功の種があるのだと力説されている部分に第三ステップを見つけた。
「自分が意図していなくても、それは脳に強力なシグナルを送る。そして放出された化学物質が成功のためのエネルギーをとやる気」に影響をもたらすと。

 コンフォーゾーンを抜け出し新たなゾーンに到達するさまは、チャートの姿に似ている。価格はあたかも新たな心地よい位置を求めているかのように動きまわる。横ばいの心地よさから抜け出して新たに到達した位置が、最初は居心地悪く価格が上下する。人々は右往左往する。だんだん慣れてくると、その位置がコンフォートゾーンとなり、居心地が良くなり、横ばい状態になるの繰り返しだ。
 その要因は目に見えない大量の人々の思惑の離合集散、それはまさに神経ニューロンのようにくっついたり離れたりしているかのようだ。
 なかなか勝てないことがコンフォートゾーンになっている大部分の負けトレーダーの一員となっている自分から抜け出せるかどうか。やはり不安が頭をもたげてくるから不思議だ。
 幸せな状態が居心地よく感じるには、程遠い自分が、やはり、いる。

 そこで最終ステップ「失敗できることに感謝する」。
本書で紹介している境地に至るまでには、今のコンフォートソーンから次のコンフォートゾーンへ移る苦難の道を、のりこえた者だけが味わえる楽しみがあるのだなとイメージできた。
 居心地が悪いときこそチャート上でもトレードする上でも、そして人生でもチャンスなのだと気がつかされた一冊でした。

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ピップ・オークションの秘密

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ハリー・ベインズ。この物語の主人公の名前を忘れることができない。
なぜなら、素人個人投資家なら誰もが通るであろう道を彼は初心者丸出し、まさにカモネギ状態で通っているからだ。その姿は自分そのものだ。

初めてトレードする動機、少しの利益から、損失、何より損失を取り戻そうとするがゆえのさらなる損失。加えて、彼を取り巻く心理的環境は欲と恐怖と疑心暗鬼とヤケッパチ、などなど普通の人そのものだ。

普通の人がマーケットにお金を取り上げられ退場していく日常。そこから抜け出せるのは、ほんのわずか。その秘密は師との出会い。今風にいうとコーチングを受けながらトレーダーへと成長していく姿は美しいがゆえに近づきがたい。彼にはコーチがいる、ところが普通の人にはそんな出会いは、まず無い。あるのは怪しげなボッタクリ顧問だけだ。

一つだけ。そうだ、本書があるではないか。
彼は自分自身であると同時に、自分のコーチであることもできる。
物語中にでてくるピップオークションゲームがそれだ。
詳細は本書に譲るとして、トレーダーが最初は儲けようとしてゲームに参加するが、夢中になっているうちに、いつしか損をしたくない一心になってく様子。そしてそれを客観的に観察できるゲームだ。

やがてたどり着く結論は。
FXをかじりだすと、非農業部門雇用者数、消費者物価指数、貿易収支、FOMC政策金利と議事録の発表によって大きく値が動くことに心がとらわれる。ところが大切なのは発表ではなく自身の管理だ。資金管理、検証管理、トレードについての説明管理。
本書では「この事実に不思議な力が秘められている」としている。
どんな手法、戦略よりもまず自分。そこにコンセプトがあれば、状況が変化しても対応できるというわけだ。

「(教えることはできるが自制心を君に)無理やり持たせることは私にはできない」という言葉が心に響く。
それは、そうするか、しないかの差である。
「(FX口座を開くということは)単にピップスに入札する機会を得たということにすぎない」のに、お金ばかりに目を奪われるとそのことに気づかない。「漠然とした利益を勝ち取るために、莫大なリスクを背負う」ことの愚。
そこに「秘密なんてない」
そうだろ?ハリー。

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「キレる」という言葉を「途切れる」と表現することにしては、いかがでしょうか。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 いつの頃から「キレる」という物騒な言い回しになったのだろう。いっそうのこと「途切れる」とした方が情緒があり、心情的に理解できる。
道が途中で途絶えてしまって、つながっていない状態をイメージしながら、
「気持ちが途切れる、神経が途切れてしまった、心が途切れた」など、聞いていて心地よささえ覚えるのは私だけだろうか。

 さて、本書ではまず「キレるのは自己防衛本能、自分を救う手段であること」を理解した上で、「キレている人は、自分に切れていることに気がつかない」として、「七転び八つ当たり」と絶妙な表現をしてくれている。

 そして感情をコントロールする技術として、基本を4つ紹介されている。
1、気持ちを書き出すことで、考えることができ、考えることで気持ちの整理ができる”書くことは心の健康法”
2、焦らない、急がない。自分本位になっていることに気づいて、10数えて、ゆっくり構える。
3、要求水準を下げる。求めすぎていることに気づこう。
4、プライドはほどほどに。笑ってすますことができるほどのプライドを持とう。

 きわめつけは「感情をコントロールする方法」(これは価値があります)
それは「”決めて”しまえば腹も立たない」(「決めてしまえば感情がコントロールできる」)
「腹を立てないことに決めている」と腹もたたない、要は決めておくか、決めておかないかだ。
 何も決めていない人は「感情を放し飼いしている人」だと著者は手厳しい。
大切なのは、思おうとするのではなく、決めてしまうことだ。
「気にしないようにする」ではなく、「気にしないと決める」ことである。と「決めたのだからしょうがない」となる不思議。
「決める」というのは自分の行動にある種の枠をはめることで、自分の気分的な行動を制御すると著者は解説してくれています。
 「人の気持ちは移ろいやすくできている。だからこそ、あらかじめ”心の決め事””心のルール”を作っておく」
 「あきらめでも悟りでもない不思議な感覚を身につけることで”うろたえない自分”ができてくる。」と納得の逸品である。

 ちなみに本書にある「決め事」の例の中で、非常に役立ったのは、
「迷った時は、面白そうなほうを選ぶことに決めている」であった。
これを受けて、選ぶなら、「しかめっ面に専念するのではなく、笑顔に専念する」と決めた。そうしたら、「道が途切れていたら休憩する時だ」と気づいた。

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株式投資とは「儲かってしまう」もの。けっして、”儲けようとする”ものではない。

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本書を通じて感じるのは、”ファイナンシャル・インデペンデンス”。
著者によると、「財産づくりが進み、生活していく上でもうお金にとらわれなくなった状態」を目指している。

そのための株式運用であり、長期投資が他の方法より、著者にとっては優れているということだ。
ただし、普通に思い浮かべる”塩漬け長期投資”ではない。
さすがに、今のところは高成績の澤上ファンドを率いているだけあって、そこには説得力がある。

本書に表現されている「経済発展にプラス貢献しようと頑張っている企業の株を相場低迷期に応援するというスタンスは投資家自身が経済の発展に積極貢献するのだという意識がもてる」ということは、非常に大切な認識である。

株式投資というとどこか、博打のような、後ろめたいような、気持ちを持ってしまいがちであるが、実は、そのこと自体が、欲と恐怖に包まれた、短期投資の動機となり、失敗してしまう。

儲けてやろう、いや、そんなに簡単に儲けられるわけがない、今のうちに利食いしておこう、評価損は実質損ではない、持っていればいつか必ずと損失拡大などなどと翻弄されるのは、社会貢献という大義名分意識がしっかりしていないが為になせる業である。

具体的手法は本書にゆだねるが、結果として、例えば、「これから先の上昇は捨てよう」といった結論をも導き出せるところが、ただのバイ・アンド・ホールドではないという、他に類を見ないところである。

やることをきちんとやっておけば、株式投資は「儲かってしまう」ものである。
この一文だけでも、充分に価値ある逸品である。

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紙の本苦手意識は一瞬で捨てられる

2012/01/29 01:17

心の中の伏魔殿

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「どーもダメ、なんだよねー」
また一つ苦手意識回路の強化がなされた。
経験から蓄積されたリスク回避が苦手意識の正体なのかも知れない。
今までのことを、今はイメージの中で意識している。
その過去を変えられるといったら、驚く人は多いだろう。

既に実在しない現実は、イメージの中でしか存在しえない。
したがって「苦手意識」は克服するものではなく、塗り替えるものである。
本書では「捨てる」、「消す」と表現しているが、内容は「イメージを差し替える」スキルの習得だ。

最大の障害は感情。
心の中の伏魔殿から出される指令は「考えたくもない」「寄るな、触るな、消えうせろ」。
これは自らが実体のないことを隠すためのカモフラージュだ。
魑魅魍魎の恐ろしいイメージを与えることによって人を寄せ付けない。
近づかれては困るからだ。実は何もないことがバレてしまうから。わざと怖がらせている。

そこに光を当てるのが著者がいうNLPスキルだ。
まず、戦おうとするのではなく、認めてあげることだと。
「危険から自分を守ってくれている」んだね、ありがとう。
落ち着いたところで「自分の人生にとって一番大切なものは何だろう?」と問いかける。
「今日からは、意識的によい状態に連合する時間を増やしてください」と。

「恐怖症は、何かを危険だと感じた一回だけの体験から学んだもので、それはその人が、『瞬時に別の反応を学ぶ能力をもっている証拠』である」
また「『恐怖症は、その人を長い間守ってきたものであり、今までいくつかの危険から守ってくれた価値ある部分』である」と著者はいう。
その上で「状況をリフレーミングする」=「過去の歴史を塗り替える」技法が詳述されている。

苦手意識がいつの間にか恐怖症という言葉に入れ替わっているところが気になるが、
逆に、ならば得意意識に変えることも可能では、と勇気づけられる。

「どーも、できるような気がしてきた」
今度はイメージ変更の回路が強化され始める。
実体のない伏魔殿は、その役割を認められたことによって、シンデレラ城へと変化する。
なにせ、七変化が得意技なのだから。

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ラッキーブレイクポイント、オーリングの秘密。

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 負の連鎖、悪循環。
何がきっかけかは忘れるほど遠いのに、連鎖だけが続いている。
もちろん顔に出れば、寄り付く人は似たもの同士。
起こる出来事は、思い込みによる負の循環。
こんな毎日の積み重ねが、人生を形作っていく。

 ここまでは、ありがちな日常で経験を伴って理解できる。
問題はいかに正の循環にワープするかだ。
黙っていても何もおこらない。
かといって、動いて、あたって悪循環の繰り返しなら、諦めてしまう。
鍵はオーリングテスト。本書にあるとおり気軽に実験してみるとその効果に驚く。
行動するときのコツがつかめる優れものだ。

 本書がなぜいいのか。なぜついつい手元に置きたくなってしまうのか。
それは著者が書いている時の心構えが素直にあれているからではないだろうか。

 正の連鎖、良い循環。
本書をきっかけに連鎖が続けば、そこがブレイク・ポイントだったと知ることができる。
もちろん笑顔があれば、笑顔の仲間が集まって、「感謝の波動」が共鳴しあう。
偶然とも思える出来事はシンクロニシティ、体験してみないと分からない。
このような「毎日の積み重ね」で人生はできている、と著者はいう。
たしかに「何か」を持っている。

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「株価を一生懸命見ていても上がるわけではないのです」

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”次の瞬間には、その前提が変化している”
「その変化を先読みしてうまく儲けようとしても、結局、みんな同じことをすることになるだけだ」と本書にある。
たしかに。長期保有のつもりで、研究に研究を重ねて買った次の瞬間に、価格が気になり、寝ても覚めても「こんなはずでは・・・」攻撃を自分で自分にしてしまう。
著者は「健康のため株価の見すぎには注意しましょう」となだめてくれている。

下がり行く価格が損切りの限度を超えたとき、いつもと同じパターンが繰り返されたことに、どこか安心してしまう。今までの恐怖とバランスをとろうとしているのかもしれない。「世の中、常に均衡している」という著者の言葉が耳から離れない。

「あっちむいてホイで、相手の指につられて負けてしまうようなもの」
価格につられて、あわくって、永遠に上がり続ける錯覚が衝動買いを誘う。
研究時間に比例して思い入れ度も強くなるが、その間に既に買っている人の”売り圧力”も同時に強まっていることに気がつかない。目に見えるものではないのだから。

チャンスがリスクに変わったときに、手を出してしまうのは、なぜだろう。
好機が続いているのをみて、認識が習慣になるからだろうか。
永遠とカン違いしてしまう時「この世に永遠のものは存在しない、変化し続けるという事実を除いては。」と本書で紹介されている言葉に合点がいった。

「あなたならできるはずです。なぜなら、ここまでたどり着くことができたから」
「失敗は、本当の幸運なのです。自信過剰がいかに怖いかを教えてくれたのだから」
前提が変化し続けていることを感じながら、投資への姿勢を見直す一冊となりました。

「大きな道を歩くときに気をつけることは、脇道に迷いこまないということだ」
実に深い。取り返せるうちに失敗しておく大切さをも学ぶことができ、同時に、一生懸命見るべきものは株価ではないことを、悟った。

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株式投資は偶然を味方にするもの。けっして偶然に期待するものではない。

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グロース株の成れの果ての「安き」を売って、「さらに安き」を買い戻す。
いったん市場に公開され、放たれた株は「資金調達」という役目を終え、投資の顔から投機へと脱皮していく。
それでもまだ、株価を基にファイナンスをかけようとする企業の株は、ある種、制御されたような動きを見せるが、そうでない企業の株は、「野となれ山となれ」のごとく、感情的需給そのもので行ったり来たりする。乱高下をトレーディングの源泉とする手法もあるが、ボラタリティの幅と高さが大きいがゆえにチャンスもあるが、振りきられる可能性が高い。

一方、バリュー株を「バイ・アンド・ホールド」するのは、一見、「投資」に見えるが、「高き」を買って、「さらに高くなる」ことを夢見るのは、どこか宝くじに似ている。それでも評価益がプラスならば、「夢」のコストとしては悪くない。
塩漬けなら、それはもはやギャンブルより性質が悪い。運を天にまかせて、射幸心を満たすなら、ラスベガスの方がトータルコストにおいて、まだましだ。

そこで本書のテーマ「割安な株を買って、適正価格で売り抜ける」が有効になる。
ユニークなのは「割高になったら売る」としてないところだ。
割高になると自信過剰になり「不思議なことだが、しなければならないことと反対のことをする」と著者は感情面にから、鋭い指摘をしている。

なるほど、これからの動きをレンジ相場と規定すると、このテーマはドンピシャではまる可能性が高い。
さらにレンジを抜けたときの強気相場、弱気相場のバイアスについても解説しているあたりは冷静なアナリストらしい一面をうかがい知ることができる。


何を持って適正価格とするかの分析は「企業の質、成長、評価」をそれぞれ詳述し「優良企業が必ずしも優良株ではない」と結論づけているあたりは、さすがプロだ。
さらに「物事は変化していく(良い方にも悪い方にも)」とし、分析結果で買いっぱなしにする愚を戒めている。

割安な株価だということは、後になってわかる結果であって、今、判断できるものではない。本書の手法で一旦、はじきだした適正価格の考え方は、損する可能性をできる限り排除することが肝だ。
分析によってセグメントされた企業の株価が上がるとは限らない(下がる可能性が低いだけであって、下がらないとは限らない)。
そこに、本書のトレーディング戦略価値が有る。
著者は言う「”正しかったときの利益”ではなく、それよりもはるかに重要な”間違ったときのコスト”に基づいて」戦略を立てるべきだと。

「過去は未来を語らない」を例に上げ、分析の限界と偶然の必然性に話しが及んでいるあたり、ただ者ではない。「もし偶然というものがなかったならば、われわれのすべての決定は良いか悪いかだけの結果になる」と指摘。すなわち相場がトレードの場として成立しているのは、決定と実際の違いがあるからとし、「理論上は理論と現実の違いはないが、実際はやはり違う」事実を例に表現しているところがわかりやすい。

「バリュー株のトレーディング」というレンジ相場での戦い方を「ランダム性を友にする」の項でも見事にあらわしている。
「ランダム性は時に保有株を本質的価値以上に押上げて、予想外の利益のチャンスを与えてくれることも有る。その反対に、ランダム制は優良株を本質的価値以下に引き下げ、絶好の買いのチャンスを提供してくれることも有る。」
米国のファンドマネージャーは、一味もふた味も違うと感心させられた一冊でした。

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