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@BOOKLIFEさんのレビュー一覧

投稿者:@BOOKLIFE

6 件中 1 件~ 6 件を表示

判決の先に拡がる問題

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本マクドナルドの残業不払い訴訟の地裁判決が原告勝訴で下りた。
同時に「店長は管理職ではない。」という裁量も下された。
この判決は日本マクドナルドという一企業だけでなく、飲食業界、流通業界など「店長」の肩書を有する様々な業界へと波及してゆくことだろう。
本書は「サービス業の理想形」として語られることの多いマクドナルドの暗部を暴き出している。

特にこれまで美談ばかりが聞こえてきていた創業者藤田田の灰色な部分に触れた点は大きい。この部分を知らないとジャスダック上場、米国マクドナルドの完全傘下入り後の会社の変化などは正確に把握できない。
藤田田が日本的経営者的な「人情」によって米国マクドナルドを抑え、従業員にできる限りの好待遇を図ろうとしていたのは意外だった。
ただ、90年代末に現在の経済状況を予測できず、過渡期を上手に乗り切れなかったことは明白であり、逃げきりとしか言いようのない会社売却によって、現場を苦境に陥れた藤田田の罪は大きい。

まとめとして著者は欧米諸国のホワイトカラー・エグゼプションと日本政府の試案を比較して検証している。
欧米の制度は労働者と企業側のバランスを取って制定されているが、日本政府の試案は企業の都合だけを取り上げて作られているように感じた。
「残業させたら残業代を払わなければならない。だから早く帰らせよう。」
本来ならこの思考で人件費は抑えられるはずだ。
少なくとも労働基準監督局が正常に機能していれば、こんな制度云々を今更
持ち出さなくとも良いのではないだろうか?
労働者のためにある筈の機構が実は全て企業のためにあるのではないか?
そんなことを考えさせられた。

残業代云々だけではなく、労働を取り巻く構図をもう一度見直す必要があるということをわかりやすく伝えてくれる1冊。

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紙の本出版業界の危機と社会構造

2007/12/21 16:35

「本」は消えてしまうのか?

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

出版業界の問題と危機を追及した3部作の完結編。
著者は「読者」→「消費者」への変化を危機と捉えず、その後にくる反動を深く考えずに流れに迎合し、それによって生じた問題を未だに黙殺し続ける出版業界に憤りを見せる。

問答形式で書かれ、柔らかく文章を追ってゆけるが、指摘と糾弾は厳しい。
ちょうど、著者がこのテーマの追及を始めた頃に書店に就職し、完結編の本作が出る少し前に退職した。出版業界の片隅に身を置いていたものとして著者の検証はかなり正確で、業界全体が黙殺を続けているというのも事実だと感じた。

「私が予想した通りに」というフレーズが文中で繰り返されるので、それがやや鼻につくが、その予想が全て当たっているのは見事という他ない。



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日本いまだ変わらず

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

友人と話していて彼の祖父がインパール戦線からの帰還者であるということを聞いた。彼の父親が生まれる前に帰還したとのことなので太平洋戦争が随分、昔のことのように思えた。
私自身「戦争は嫌だな。」と思う。
しかし、「戦争はいけない。」とは言い切れない。
それが政治手段のひとつとして存在している以上、それに代わる新たな政治手段を見つけない限り、本当の平和には繋がらない。調停の場として設けられたはずの国連の現状を見る限り、本当の平和は当分の間来ないような気がする。
この本は戦争を政治手段として捉え、外交と内政の両面から政策としての太平洋戦争を分析している。
この手の本はイデオロギーがちらつくことが多いが、戦争体験者達の声を「反戦の御旗」として使うのではなく、政策下の国民の証言というような形で取り上げている。
政策は国民の利益を守り、安全を保障しなければならない。
また、状況を分析し国家に損害をもたらさないようにしなければならない。しかし、太平洋戦争時の日本の指導者たちは状況を分析しなかった。
そして状況が悪化したケースを想定せず、ひたすら都合の良い状況になると信じ込み、そして自らの対面にこだわった。
国民は守られず、国内、そして海外で多数の死者が出た。
過去に同様のケースに追い込まれて果てた人物が忠臣として軍部に崇められていた楠正成というのは皮肉なものだ。
現在、毎年3万人近くの自殺者が出ている。
これはインパール戦線で死んだ兵士と同じ数だ。
派閥争い、利権争いをして自分の縄張りを守ることに必死になっている政治家や官僚は国民を守っているのだろうか?
戦争は終わったが日本に戦後はまだ来ていない。

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200%のサービスとコストダウン社会の代償

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

中国食品の安全性が再び問われている。
北海道で牛肉偽装事件があった時、「安価なものばかりを求める消費者も悪い。」という社長の発言があった。
マスコミも世論も「単なる逆切れ発言」と捉えバッシングは更に加速した。
しかし、あの発言は大変重要なものだったと私は思う。
たかが牛肉かもしれないが、その生産過程に生活の糧を求めて働いている人間がたくさんいる。企業の社会責任の方が先行して取り沙汰されることが増えているが、生活の糧を得る場としての面が取り沙汰されることは少ない。
消費者が「もっと安いものを同じ品質で!」を繰り返すと、やがて生産側はコストダウンが追いつかなくなる。コストダウンの波はまず、生産農家に押し寄せ、多少危険でも手間のかからない作業手段が導入される。次に加工企業の現場の人員と給与がカットされる。
リストラによる怨恨、モチベーション低下による安全管理の低下などは様々な形で食品に害を与えてゆくことになる。
「食品問題」の真相はこうしたモラル破綻の構図ではないだろうか。
私たちは今、中国製の危険な食品を口にしている。そして、その危険な食品の生産している人々は、それ以上に危険な食品を口にしている。
「サービスは100%で良い。120%のサービスをすると人間は次は150%を要求するようになる。」という言葉を聞いたことがある。
100%オーバーを求め続けた代償は今、消費者自身に跳ね返ってきた。
政府や企業や生産農家を糾弾するのは楽だが、それはとりあえず原因を特定して安心したいという気休め行為に過ぎない。
「安全管理を強化しろ。」と叫んだところで、先では驚くほど安い賃金で働く労働者が更に酷使され、更なるモラル破綻を産み出す可能性がある。
もし、安全な食品が食べたいのなら、それに縋って生きる人々が生活してゆけるだけの対価を払うべきだ。
「安全、安価」という厳しい要求を「消費者」という看板を振りかざして求めるのではなく「少し高いが安全。」という消費者側、「仕事は厳しいが、待遇と賃金は良いので満足。」という生産者と流通者側、この双方の歩み寄りの姿勢が問題解決には必要ではないだろうか。
双方が結論を定めたまま議論を繰り返すのは問題の解体にはなるかもしれないが解決にはならないと思う。
こんなことを考えながら、本を読み終えた時に「思いやり」という言葉が心に浮かんだ。食品問題を解決するのはこの姿勢が必要なのかもしれない。

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紙の本孫文 上 武装蜂起

2008/01/25 22:00

偉大過ぎたカリスマ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

現在の中国を見ていると「もし、孫文がもう少し長命だったら・・・」と思うことがある。
忘れてしまいがちだが、地球儀の表記云々で一騒動あったように依然として「二つの中国」は存在しているのだ。
対立ではなく融和へ、そして「一つの中国」を掲げて多くの人間を引きつけて革命の道を進んだ孫文は途方もないカリスマである。
残念ながら、彼の業績に「成功」と呼べるものは殆どないと思う。
しかし、不器用であり、敢えて言うなら無策でありながら、情熱だけで革命を邁進させた男が現在の世界情勢に与える影響はあまりにも大きい。
教科書では僅か、数行で語られてしまう男の人生を追ってみると、その人を惹きつける魅力に不気味さすら感じる。

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紙の本三洋電機井植敏の告白

2007/12/25 16:51

結束と崩壊

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

起業家の後継問題と企業の組織化を考える上で参考になる本。
同族であったり、創業仲間の結束というのはゼロからスタートする場合、昭和期の企業がそうであったように企業のベクトルを統一するのに大いに役立つことだと思う。

しかし、創業→拡大の過程を経て、いつしか創業が「神話化」してしまうと、組織に問題が生じた際に改革を行うにはその「神話」を切り崩すことから始めなければならず、それに対する抵抗は大きい。
時代劇の中で「殿、ご乱心!!」と叫ぶ侍が出てくる。
あの侍のように神話をどこかに封じ込めることが、できるかどうかが、創業→拡大を経て家業→企業への移行を成し遂げるための必須事項ではないだろうか。

「井植家でなければ」にこだわった三洋電機創業家とそれを護持し続けようとした者の罪は大きい。

もっとも、「殿、ご乱心!!」と叫べるような人材は創業家の寝首を掻く可能性がある訳で、それを飼いならせるかどうかは経営者としての器の大きさが問われるところである。
それが出来ずに泥沼にはまっている企業は案外多いのかもしれない。

書店員時代にニュースで問題が報じられる度にSANYOのロゴが入ったツナギを着た同年代のお客さんが転職関連本を買いにきた。
創業家が誇った鉄の結束は今、崩壊している。
再生は果たせるのだろうか?

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