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レビューアーランキング
先月(2017年1月)

部屋住冷飯郎さんのレビュー一覧

投稿者:部屋住冷飯郎

7 件中 1 件~ 7 件を表示

人生を振り返るツールとしての家計簿

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

家計簿を丹念に調査して、そこからある武士一家の生活を読み解いていく・・・。簡単に言えばそういう内容だ。武士は食わねど高楊枝という言葉もあるし、算盤侍といえば蔑称だった江戸時代、役職柄数字に通じていた一族がいかに激動の時代をきりぬけたか。歴史に関する本(小説のぞく)を読んでこれほど感動したことは、私はなかったと断言できる。家計簿からこれほどの人生が読み解けるのだ、と。きわめてプライベートなツールであるはずの家計簿が、実は歴史を雄弁に物語るものなのだ、と。

私は家計簿をつけるようになった。今のところ、見るのは私だけだ。日々の生活の振り返りに活用している。しかし、何十年後か―――私に家族ができて、子孫というものができたら、アルバムではなく私の若き日の家計簿を見せてやりたい。そしてこんな人生だったんだよ、と語ってやりたいと思っている。

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紙の本八幡神と神仏習合

2013/04/29 18:21

そのまんま仏、正体も仏、でも神様

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本の神様は神仏習合ということで、だいたいにおいて本地仏というものが設定されている。つまり「正体は仏様」なのだ。超有名どころでは天照大神の本地仏は大日如来というふうに。ところが八幡さまはちがう。自ら出家して八幡大菩薩の号をもち、それ自体がすでに「そのまんま仏」(厳密には菩薩は仏になる前の修行中を意味するが)である。しかも、本地仏は阿弥陀如来と設定されているから「正体も仏」なのである。それでいながらハッキリ神様であるのだ。なんという不思議。

明治の廃仏毀釈というのは歴史的大愚行だとぼくは思っているのだが、本書では、それ以前の神仏習合の姿について、中でも上記のとおり独特な習合の仕方でその最先端を突っ走ってきた八幡さまについて追究すしている。読み進めるにつれて八幡さま(というよりそれを擁する神官・社僧団)の「何でもあり」な節操の無さ、裏を返せば時節に対するしたたかさに驚かされるが、しかしそれはまた我々日本人が廃仏毀釈と文明開化で見せた姿でもなかったか。我々の祖先も、そこに何か同じものを感じ取っていたのかもしれない。八幡神社がやたら多いのは、そんなところもあるのかな、というのがぼくの感想である。

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紙の本浜田廣介童話集

2013/04/29 19:02

真に泣いたのは赤鬼なのか

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「泣いた赤鬼」を書いたとき、作者は何を思ったのだろう。
小学生向けの道徳の副読本では「本当の友達」みたいなテーマで教材文として全文が掲載されているが、はたして本作が示しているのはそんなものなのだろうか。

たしかに青鬼は、赤鬼にとってかけがえのない友だちだった。自己犠牲のすばらしさ、美しさも感じる。しかしその友情に赤鬼は最後まで気づかなかった。青鬼は果たして旅に出ただけなのか。死んだのではないか。もし旅にでたとして、そのとき青鬼の胸に去来した思いはなんだったのだろう。人間への絶望、それ以上に友人であったはずの赤鬼への絶望ではなかったか。むしろ青鬼はそんな人間も、赤鬼も、俯瞰して眺めていたのだ。だまって。本質を見ず、偏見に固まった人間どもと、健気なる赤鬼は、実は同一の存在なのではないか。結局のところ。その純粋さゆえに青鬼は居場所を失ったのででないか。

作者の人間に対する絶望を感じずにはいられない。しかしそこから、私たちはどう踏み出せばよいのだろうか。

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紙の本百物語

2013/04/29 18:54

グロテスクではない

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

怖い話、というよりは怪異な話が集められた短編集です。背筋も凍るような、夜寝れなくなるような恐怖はないのですが、そこはかとない不気味さはあります。しかし決してそれはモンスター的なグロテスクさではなくて、生身の我々人間と紙一重の存在としての不気味さです。紙一重なのですが、そこは完全に異界の者たち。しかし紙一重なのです。まさに日本霊異記とか雨月物語とかと同じ世界観なのですが、日本的な死生観とか素朴な信仰心みたいなものに触れてくる作品です。一読二読といわず、愛読をおすすめします。

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待望の続編

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第1作に続く本作では、作中にも書かれていますが、前作に比べるとかなり前田建設カラーがでています。前作では「いまの建設業界の技術」で語っていましたが、今作では前田建設独自の技術や強みを全面に出しています。しかし高架橋建設にダムの技術が使えるとは思いませんでした。というかダムの中にあんな巨大なマシーンが入っているとは思いませんでした。・・・と、ネタばれになりますね。

つくづく思いますが、建設というのは粘土細工や木工細工とは違うものですね。当たり前のことだし、分かっていたつもりですが、それを根本から思い知らされます。語弊はあるかもしれませんが、建設業は最先端の科学技術の粋を集めた頭脳労働なんだと言うことがよく分かります。

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軽快にして重厚

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ひところ空想科学読本が流行って、私もハマッて読んだものですが、本書も概ねその系統に属するといえます。ただし、今までの類書が個人の、それも基本的には評論家的な立場の人々によって書かれていたのに対して、本書の場合はそのものズバリのご商売にされている企業が取り組んでいるところが大いに違います。つまり単なる知見を有するという意味での専門家ではなく、知識と経験と実績を有する職人さん的な意味合いでの専門家が、しかも組織として書いている。それこそが、今までの類書にはない内容的な厚みを加えているのです。

とはいえ、それゆえに私はしばらく敬遠していたのです。実はウェブサイトでこの企画が掲載されていた時は、チラっと見ただけで「専門的で難しそう」と思ってそれで終わっていました。ところが今回本書を読んでみると、そんなことないんですね。非常に読みやすい。素人向けに書かれているし、素人でも読めるように充分工夫されている。建設の知識ゼロの自分でも、無理なく読み進めていけました。しかし内容は軽くなく、とても重厚。まさに、軽快にして重厚。

本書ではマジンガーZの格納庫の設計見積をしているわけですが、読み終えての率直な感想としては、今はもう未来なんだなということです。テレビで見てたアレが、たしかに建設費用はメチャ高いてゃいえ、現実に建設可能というすごさ。小さいころい思い描いていたほど21世紀は華やかじゃななあ・・・なんて思っていたけれど、自分の気づかない知らないところでこれほど世界が進歩していたとは思いませんでした。

あらためて、科学技術ってすごい。そして建設業ってカッコいい!
・・・なんて、完全に前田建設の思うツボにはまってしまった自分がいます。

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戦国繚乱

2012/06/29 01:34

城井氏を扱った珍しい作品

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現在の福岡県西部~大分県北部は古くは豊前国という一つのまとまりでした。
もっとも豊後の大友だの周防の大内だのといったような統一勢力は登場せず、あたかも甲斐武田氏と越後長尾(上杉)氏の間にあった信濃国同様、国人勢力が割拠する状態。しかも宇佐八幡宮や英彦山修験といった宗教勢力も強力なのがいました。後の豊臣秀吉による九州征伐では肥後とならんで豊前国人一揆が勃発していますから、まあ独立性の高い土地だったのでしょう。よくいえば。

さて本作で扱われている題材のひとつが、まさにこの豊前国人一揆の中心となった城井氏であります。下野国の名族宇都宮氏の分家にして、かつては豊前国守護もつとめた家柄。うまく時流にのれば後に豊前の戦国大名ともなれたであろう家でしたが、南北朝時代に没落して以降は(分家筋も含め)豊前でも最大規模の勢力をほこるとはいえ一国人領主として代を重ねていました。

島津氏による大友攻めが始まり、さらには豊臣氏による介入(九州征伐)が始まるころからこの物語は始まります。時流が大きく変わるとき、昔ながらの国人たちはいかに世を渡っていくのか、いけるのか。中世武士から近世武士への脱皮を成し遂げられなかった地方豪族の、しかし必死で一所懸命な姿がここにあります。

そして、ついに発生する豊前国人一揆。

その中心となったのは、片田舎の国人・城井氏でした。
かの黒田長政を幾度も撃退し、ついに正攻法での戦をあきらめさせた偉大な武人・城井一族。しかしその次に控えていたのが戦国一の策士・黒田官兵衛でした。

かつて天下の豊臣、天下の黒田と対等に渡り合った偉大な武将のことを、いまでは地元の人間でも知る人は多くありません。まして作品になっているものは皆無です。それだけでも、この作品は高い価値があるといえます。

おそらく戦国時代、日本中でこのようなことがおこっていたのでしょうね。

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