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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

夢幻亭さんのレビュー一覧

投稿者:夢幻亭

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白村江の敗戦の影響評価に関する瞠目すべき一書

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私たちは、学校の歴史の時間に、「大化改新」の重要性について教えられた記憶はあるが、「白村江の戦い」については余り記憶していない人が多いのではなかろうか。
「大化改新」は、その端緒となった乙巳の変にしろ、孝徳朝における「改新」のリーダーにしろ、中大兄の役割が大きなものだったというのが通説だ。中大兄は、孝徳崩御後の斉明朝においても、実質的な指導者だったとされている。その事例の1つが白村江への出兵だった。
倭・百済連合軍は、唐・新羅の連合軍に壊滅的な敗北を喫し、大量の百済人が日本列島にやってきたらしい。「白村江の敗戦」は、日本古代史における対外政策の失敗事例として位置づけられてはいるが、その影響評価について、十分な検証がなされていないという面があるのではないか。著者は、言語面における影響について、この書において瞠目すべき見解を提示している。
それは、白村江の敗戦によって流入してきた大量の百済人が、日本語を文書化するのに非常に重要な役割を果たした、とするものである。つまり、この時期に日本語の文章量が急激に増大しているのは、彼らの貢献であった。組織や制度における文書の重要性は今さら説くまでもないだろう。文書が作られることを通じて組織や制度の整備が進んだことは疑いなく、それが国家機構の形成を促したと考えれば、「白村江の戦い」は、そういう面で大きな位置づけを占めたと考えるべきであろう。
この時期の表記法として、万葉仮名がある。仮名が未だ使われていない時代に、漢字を仮名のように利用したものであるが、その漢字の用法に「上代特殊仮名遣い」と呼ばれる現象がある。同じと考えられる音に関して、漢字の使い分けが明確になされているのである。江戸時代には既に知られていたが、現在でもその本質については、明快な結論が得られていない。
著者は、それを「条件異音」によるもの、と結論づけている。「条件異音」とは、母語の話者には意識されていない音の差異であり、それを聞き分けられるのは言語的外国人だけであるとする。「白村江の戦い」の後、日本に流入してきた大量の百済人が、日本語のネイティブには聞き分けられない差異を捉えて書き分けた、というわけである。それを表記したのが「上代特殊仮名遣い」であって、百済人も何代か経れば日本人としての聴覚を身に付けてしまい、聞き分けができなくなる。それが奈良時代に「上代特殊仮名遣い」が急速に消滅してしまった理由だとする。まことに合理的な説明であり、言語学者、歴史学者からの意見を聞きたいと思う。

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