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笠間書院さんのレビュー一覧

投稿者:笠間書院

2 件中 1 件~ 2 件を表示

内容紹介

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 小西甚一先生のお名前を初めて知ったのは昭和29年の秋だったでしょう。当時の私は京都に留学していましたが、ある時、東京に行く用事がありました。京都駅に着いてから、本を持って来なかったことに気がついて、7時間半の長い移動の間、読む本が必要だと思い、駅の書店に入りました。もちろん、通俗な本がほとんどでしたが、何かの奇跡か、アテネ文庫から出版されていた小西先生の「日本の文学」という一冊があったのです。当時、私は小西先生のお名前さえ知りませんでしたが、喜んでこの文庫本を買い、そして東京まで魅せられたように読んだのです。まことに素晴らしい本でした。当時、国文学に対しては立派な研究が色々とありましたが、このような根本的な理論は初めてでした。
 私はどうしても小西先生に会いたいと思い、東京に到着した後、出版社で先生の住所を調べて頂き、かなり時間がかかったものの、最終的にはお宅が分かりました。そして、それから小西先生との交友が始まったのです。先生の作品をさらに読み進んだ私は、ますます感心しました。弘法大師の文鏡秘府論から現代俳句まで多岐に渡る素晴らしい本が数多くあり、いつも基本的な問題をふまえながら、校異を越えて質の高い研究に成果をあげておられました。
 さらに、お能や狂言に深い関心があり、作者として、また実際に能楽師としても活躍された経歴さえあったのです。その上、立派な教授、教育学者でした。私自身、先生の「弱法師」のゼミナールに参加しましたが、忘れられない経験となりました。
 小西甚一先生はまことに最高の学者たる方でした。

ドナルド・キーン
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仰げば尊し 

谷沢永一(関西大学名誉教授)

 文藝の探索は学問としての客観的な水準に達し得るか。この問いに対し完璧な実例を提示して、有無を言わせぬ模範解答を提示したのが、小西甚一先生の『日本文藝史』全五巻三三一五頁の大著である。昭和期の研究者を迷路に彷徨させた各種の誘惑、即ち国学系の粘着、文献学派の視野狭窄、文藝学派の印象批評、歴史社会学派の公式主義、それぞれの安易な緊張度の低い方途をすべて拒絶し、文献の吟味とその表現価値の測定に徹して、四通八達の古今東西にわたる語学と理念の学識を駆使したその偉業は、文藝の潮流を、可能な限り広角度の視座で把握し表現された、前人未踏の、そして恐らく今後何人によっても乗り越えられないであろう奇蹟の出現である。
 しかも仙覚以来契沖以来の、日本文学研究者の達成を厳しく吟味し、文藝史の視野を綿密に前進させた貢献を悉く網羅し、各論考の初出に遡って見渡す詳細な注記もまた例がない。
 この五巻の成立を可能にした原論篇が漸く遺稿として整理刊行される。これによって小西文藝史の成立を支えた底辺の蓄積が遂に公表の運びとなった。欣喜雀躍の朗報である。出版にまで漕ぎつけられた刊行委員各位の労に深く感謝の意を表したい。
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「『日本文学原論』は国文学界にとって、超辛口になりそうです」
(犬井善壽氏宛私信より)

なぜ国文学の目標はまだ確立できずにいるのか。

日本文学は、何を対象として取りあげ
どう研究を進めたらよいか。

いまだ誰も越えられぬ偉業、
『日本文藝史』(講談社 全五巻)別巻として予告され、
2007年の逝去のため、生前の刊行が叶わなかった、
未完の『日本文学原論』を、
刊行委員会の手によって再編集し
お届けいたします。

小西甚一、
最後のメッセージは、
日本文学を根源的に問い直し、
私たちに、今後、古典とどう向き合っていけばよいのか、
教えてくれる、重要な一書です。

http://kasamashoin.jp/shoten/konishi_ver1.pdf

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出版社コメント

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

江戸時代後期、現在のレンタルビデオのような形で本が貸し出されていたことを御存じだろうか。「読本」(よみほん)である。本書はその「読本」の歴史と展開を追った事典だ。「読本」は江戸時代後期の長編娯楽小説のことをいう。主な作者 に、上田秋成、曲亭馬琴、山東京伝などがいる。口絵や挿絵も載っているが、 文章中心の読み物であることから「読本」とされた。「読本」は綺麗な本が残りにくい。なにせ“レンタルビデオ”だったのだから。だが残っていた場所があった、しかも大量に。それが八戸南部家である。詳細なことは現在もわかっていないが、南部家の江戸藩邸で美本が集められ、明治維新を経てそれがそっくり 八戸に運ばれ、保存されていたのだという。南部家のどのような人物が、何のために集めたのか、興味はつきない。本書には、その美本が余すところなく紹介されている。現在ではほとんど残っていない、刊行の際、本をくるんでいた熨斗袋状の「袋(書袋)」や、看板用のポスターなど、口絵カラーで紹介されている。また、見返しも楽しい。八戸市には江戸中期ころから伝わるお祭りがある。「八戸三社大祭」という。国の重要無形文化財に指定されているものだ が、巨大な山車が作られる。毎年のように、読本の「南総里見八犬伝」や「椿説弓張月」から題材をとったものが含まれている。南部家で読まれていた読本 が、英雄豪傑による魔よけという文脈に取りこまれ、芸能として今も伝わっている。その写真がどーんとカラーで入っている。ぜひご覧いただきたい。なお本書は「読本の形成」「読本の展開(一、二)」の三部からなる。各項目は概説・作品解題からなり図版も多数収録。江戸後期の小説の想像力を十分に堪能 できる一冊だ。ぜひお読み頂きたい。

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