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深海魚さんのレビュー一覧

投稿者:深海魚

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紙の本どもる君へ いま伝えたいこと

2008/09/01 01:22

何度でも読まれ、人生の友になる本

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

伊藤伸二さんの近刊『どもる君へ いま伝えたいこと』は、何度でも読まれ、人生の友になる本だ。

「小学5年生から、中学生を頭において書いた」と、伊藤さんも「おわりに」で書く通り、全編で出来るだけ分かりやすいことば、分かりやすい言い回しが使われ、小学校高学年以上の漢字にはふりがなが振られている。小学生でも、吃音に深く悩み、正面から向き合おうとする子どもたちの中には、しっかりと考える力を持つ子どもが多い。本の大部分を読みこなしてくれるだろう。
とは言え、中に書かれていることのレベルの高さ、考え方の深さは、決して分かりやすいだけのものではない。吃音に関する知識について、例えば治療法について、アメリカの最新の情報が盛り込まれている。吃音とともに生きることについて、大阪吃音教室の仲間で話合っていることや、吃音ショートコースで全国の仲間と話合っていることのうち、一番深いところが、惜しげもなく書き込まれている。
言い換えれば、ことばの使い方、言い回しの選び方には配慮しているものの、伊藤さんは読者をまったく子ども扱いしていない。小学生に向け、中学生に向けて、真剣に、対等な人間として語りかけている。

この本は、多くの子どもたちにとって、一度出会い、一度読み込めば、その後の人生で何度でも再読されるような本になるだろう。吃音を巡るさまざまな波をかぶるたびに、波を乗り越えるたびに、本の中のあちこちが胸によみがえるだろう。
この本は、子どもたちから大人まで、いま吃音に悩んでいる人、これから吃音とともに生きようと思っている人に、広く読まれて欲しい本だ。

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