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しろうるりさんのレビュー一覧

投稿者:しろうるり

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本忍法関ケ原

2008/09/20 19:34

「・・・これだっ」

9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

山田風太郎の「忍法帖シリーズ」の一つである短編集。僕の見たところ、作中に登場する忍法、歴史に題材を取ったストーリーは確かに面白い。しかし、登場する忍法は性的であったり、グロテスクであったり、又は両者が合わさったようなものもあり、想像すると気分が悪くなるものもある。
ストーリーも、多くは悲劇的な結末となっている。以上の様な理由から、僕はこの作品を万人には薦めたくない。(特に「忍法聖千姫」の終盤を)食事中に読むこともお薦めしない。

僕が見たところ、この巻で特に面白い話の一つが「忍法小塚原」。江戸時代の処刑場の一つ「小塚原」を舞台に、ある術を施された人々の姿を通して、人生観、人間観が語られる。(施術に使われる薬、施術方法は例によって気味が悪い。)

又、特に面白い話として「忍法甲州路」が挙げられる。相手を眠らせる術を使う三人の護衛を倒すため、三人の刺客がそれぞれ新剣法を編み出す、という話。新剣法を閃く契機、閃いた新剣法の理論、最後の意外な結末など、この巻で一番笑えた話だった。

「忍法帖シリーズ」を初めて読む人には『甲賀忍法帖』を、悲劇的な結末を好まない人には『柳生忍法帖 上』『柳生忍法帖 下』をお薦めしたい。

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ナポレオン三世と第二帝政の再評価

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ナポレオン一世にはルイ=ナポレオンという甥がいた。その甥はフランス大統領となり、更には皇帝ナポレオン三世となって第二帝政を樹立した。
しかし、ナポレオン三世と第二帝政はユゴーやマルクス等の知識人に嫌われたこと(「ルンペン・プロレタリアートのかしら」「小ナポレオン」)、そしてプロイセンとの戦争で捕虜となり帝政を終焉させてしまうという最後もあって評判が悪い。

この本では「ナポレオン三世はナポレオン一世の無能な甥」等従来の悪いイメージを退け、ナポレオン三世と第二帝政の実態を多くのエピソードを交えながら描き出している。同時代人の証言や先行研究の引用も多い。先行研究の中には左翼史観のものもあり、ナポレオン三世がどのように言われていたかわかる。
第二帝政は「たんなる馬鹿がクー・デタで皇帝になって、自分の欲望のために、行き当たりばったりの政治を好き勝手におこなった」ものではなかった。ナポレオン三世は「皇帝民主主義」「貧困の根絶」といった理想の実現に邁進し、民衆福祉政策、貿易自由化、鉄道網整備、パリ大改造などフランスの社会,経済に大きな変化をもたらしている(第六章はすべて「パリ大改造」の話であり、立て役者であったオスマンの活躍が描かれている)。もっともナポレオン三世が聖人君子だったかというとそんなことは無く、「肉の欲望に苦しめられた男」だったりする。また、暗殺者の言い分の正しさを認めてイタリアへの介入を決意していたりと、「謎の皇帝」「わからない」人物だと著者は言う。少なくとも「悪人」や「馬鹿」という言葉で切り捨てることができる人物では無いようだ。

伯父とは違って、ナポレオン三世の遺体は亡命先のイギリスで眠り続けているが、著者は第二帝政をフランス近代の基礎とし、ナポレオン三世を「評価されざる偉大な皇帝」と評価する。「ナポレオン三世=大馬鹿」等ということを聞いたことのある人に読んでみてほしい本だと言える。

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「第四回十字軍」の記録

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は「第四回十字軍」指導者の一人。この本によると、(エジプトに向かうため)ヴェネツィアと傭船契約をするも、資金不足で支払不能となった十字軍は、ヴェネツィアの要求によって、当時ハンガリーに属していたキリスト教徒の町、ザダルを占領している。その後、十字軍は(遠征費用を援助してもらうため)ビザンツ帝国の政変に関わり、変動する帝国情勢に巻き込まれていくなかで、1204年ラテン帝国の建国へと至っている。

ラテン帝国建国後は、各地の平定、そして主にブルガリアとの戦いの話となる。(ラテン皇帝ボドゥワンがブルガリアの捕虜となっている。)そして1207年、十字軍団長であり、サロニカ王ともなったモンフェラート侯ボニファッチョが、ブルガリアとの戦いで戦死するまでが描かれている。
(註、解題、詳細目次、関係年表、文献案内、地名索引、人名索引が続く。)

『十字軍という聖戦』はこの本について、「彼の叙述には不都合なことを書かない『故意の言い落とし』があり、用いる際に注意を要する。しかし、十字軍に際して常に枢要な地位にいたことから、第四回十字軍のもっとも重要な史料になっている」と述べている。(同書は八章で、第四回十字軍に関する通説の再検討を行っている。)
同時期の記録としては、『コンスタンチノープル遠征記』がある。こちらは一従軍騎士が著した記録であり、指導層であったヴィルアルドゥワンの記録と比較してみると面白い。
、『十字軍大全』は、当時のヨーロッパ、イスラーム、ビザンツの年代記などを用いて、十字軍運動の歴史を詳述している。第五章で第四回十字軍が扱われている。

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紙の本武器と防具 幕末編

2008/10/08 22:08

幕末の軍装

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第一章「小銃」(火縄銃から始まり、当時最新の洋式銃までを扱う)
第二章「個人装備」(日本刀、サーベル、銃剣、拳銃)
第三章「火砲」(アームストロング後装砲、ガトリング機関砲など)
第四章「幕府と諸藩」(幕府、諸藩の幕末維新期における動向、軍装など)
第五章「諸外国」(幕末と同時代の諸外国の軍装)

幕末日本に存在した兵器が幅広く登場する。各項目にイラストがついているため、イメージもつかみ易い。「武器と防具」というタイトルだが、当時の「防具」は「服」であり、項目の多くは武器を扱っているため、タイトルが似合わないとも見える。

特に第四章は、幕府、諸藩の幕末維新期における動向、軍装、採用していた兵式などを紹介している。これを見ると、当時、制服としての軍服(洋式)を採用し、完全な洋式軍装を身に着けていたのは幕府の「仏式伝習隊」がほぼ唯一であり、討幕側、佐幕側の諸藩の多くは「和洋混在」とも言える軍装であったことがわかる。
(討幕側諸藩のなかにも、戦国時代と変わらない軍装の藩が存在していた。「映像制作の現場では、保守的な旧幕府軍は甲冑に代表される和陣服姿、近代的な新政府側は近代兵器を携えた洋服姿という形で対比させるのが一般的となっているが、史実はそう単純ではない。」と本書中にあるとおり。)

幕末にどのような兵器、軍装が用いられていたかを知りたい人にお薦めできる。(巻末には参考文献も収録されている。)しかし、本書では幕末期の軍艦は扱われていない。

この本に登場する兵器で実際に戦争が行われた「戊辰戦争」を扱った本としては、『戊辰戦争]がお薦めできる。この本は、戊辰戦争の戦史ではなく、戦争をささえた体制や仕組みに注目している。

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それぞれの繁栄

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2部構成で、第一部はオスマン帝国史(永田 雄三 著)。オスマン帝国の起源から16世紀スレイマン一世の時代を中心とする。政治・制度の話よりも、オスマン帝国下の社会で生きる人々の姿、オスマン文化に重点がある。
文化面では、オスマン文化とヨーロッパ世界との文化的連続性が強調されている。(オスマン帝国を「トルコ人の国」と考えていると、オスマンとビザンツ・バルカンとの連続性など、見えなくなるものが多い。)
そして、16世紀以降の帝国の「変容」に伴う社会の変化に触れている。(帝国のその後の歴史は『世界の歴史 20 近代イスラームの挑戦』 で扱われている。)

第二部はペルシア(現イラン)を中心として繁栄したサファヴィー朝史(羽田 正 著)。サファヴィー教団の時代から17世紀アッバース一世の時代を描く。そして、都イスファハーンを中心とする、サファヴィー朝下の多言語、多宗教の社会、絨毯や絵画などの文化に詳しい。
サファヴィー朝がシーア派イスラームを採用した理由の説明や(かつてよく言われた、スンナ派のオスマン朝に対抗して、という説明は誤り)、かつて「ペルシア人の民族王朝」と強調されたサファヴィー朝の君主の日常語はトルコ語であったという指摘もある。
第9章「それぞれの生き方」は、あるクルド人リーダー、ハレムの王女、インドに移住した宮廷医師、イスファハーンで生活した一修道士といった人々の生き方を通して、サファヴィー朝の諸相を描いている。

原著は1998年出版(本文中の図版は全てカラー)だが、この文庫版巻末の参考文献にはそれ以降の文献も記載されている。そして、両著者による「あとがき」が収録されている。特に、羽田 正は「イスラーム世界」という概念に対し懐疑的になっている

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