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小林聡幸さんのレビュー一覧

投稿者:小林聡幸

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精神構造体としての作曲家の姿

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病跡学(パトグラフィー)というのは、傑出した人物の病理と創造性の関連を論ずる、精神医学・心理学の応用分野で、本書はいわゆる「現代音楽」の作曲家の病跡学論集です。作曲家の病跡学には福島章氏の著作などがすでにありますが、現代音楽の作曲家にしぼった論集というのが本書の最大の特徴です。
 取り上げた作曲家は8人。すでにコンサートのレパートリーに定着している大作曲家ヤナーチェクとバルトークをはじめとして、現代音楽に関心のある人なら周知の作曲家ツィンマーマンとシュニトケ、現代音楽の主流から外れつつも最近評価の著しいペッテションとナンカロウという異端児、さらには忘れられていた作曲家ロットとランゴーを取り上げ、その人生と創作を、精神病理学、精神分析、記号論などを援用して読み解いたものとなっています。
 病跡学自体が学際的な分野であり、そのうえ対象が「現代音楽」ということで、「マニアック」と言われてしまう本かも知れませんが、臨床の専門家、音楽の専門家はもとより、精神医学や現代音楽に、あるいは20世紀という時代に関心のある一般読者の方に関心を持って頂けるのではないかと考えています。
 もとよりこれらの作曲家の人生そのものが大変興味深いものであり、とりわけロット、ランゴー、ペッテション、ナンカロウといった作曲家は最近CDでも話題となっていますが、その人生について日本語で書かれた文献は乏しく、紹介的な価値もあると思います。曲を知らなくとも十分興味深い読み物に仕上がっていると自負していますが、そうはいってもやはり曲は聴いて頂きたい。そこで各章末にCD紹介も付け加えました。また、20世紀の作曲の流れの全体的な見とりと、個々の作曲家についての既存の病跡学研究を概説した序論を加えています。

目次
序章 20世紀作曲家の病跡学
第1章 レオシュ・ヤナーチェク──直接性と日常性
第2章 ハンス・ロット──新たなる交響曲の創始者の発狂
第3章 バルトーク・ベーラ──「亡命」と「死」
第4章 ルーズ・ランゴー──「陶酔的局外者」の肖像
第5章 アラン・ペッテション──リウマチ者の音楽
第6章 コンロン・ナンカロウ──自動ピアノの実験家
第7章 ベルント・アロイス・ツィンマーマン──時間・言語・行為
第8章 アルフレード・シュニトケ──多様式と二重化

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