サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. potmanさんのレビュー一覧

potmanさんのレビュー一覧

投稿者:potman

3 件中 1 件~ 3 件を表示

自分だけの翌日にたどり着く話

8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ずんずん。踏み鳴らす響き。
「戦闘のさなかに、負け戦をやり直す能力を持ってしまった強化服歩兵が、戦場で生き延びる手段を見つけて、自分だけの翌日にたどり着く話」
といってしまうと簡単だが、いろいろ振り捨ててしまっている。負け戦をやり直す能力といって、主人公のキリヤが持ちえたのは、負けた記憶を持って前日を再スタートする、という能力だ。
この能力は、実に、メタ視点でのゲーム感覚だ。プレイヤーはミッションを開始し、何度かの失敗から戦場の展開を覚え、死なないルートを見つけて、クリアできるまで繰り返す。
クリアできなかった回のプレイヤーキャラクターは、その度ごとに死んでいる。
そのキャラクターがその記憶を持っていたら、というものだ。

その状況を形成するSF考証には、やはりいくらか疑問はある。
タイムパラドックスものには、ある種避けられないような引っかかりだ。
特にこの話では、状況をつくるためにそれを形成しうる技術設定を考察したことものと、どうしても思えるだけに、お話の筋に沿うように性能自体を作ったと見えてしまう。
いや、それが悪いわけではないのだが、最終章の種明かしを少し変えるだけで、全てハッピーなエンディングも可能だったろうに、と思うと寂しくなってしまうだけだ。
ちなみに終章を見る前に私が想起した解決法は、ぴったりと二人がシンクロして止めを繰りだすという、少年漫画的燃え展開だった。一定距離離れれば良いと言うなら、少しの苦味を持たせつつ、またそれで英雄を量産できたかもしれない。
まあ、基本的にハッピーエンドが好きなのだが、全ての物語がそうでなければならないと言うつもりはもちろん無い。私の案などは、喜ばしいだけに薄作りでありきたりだ。
このお話は、非常に印象的なお話だった。

これを読んで思いだした作品が、まあ、幾つか。
ガンパレードマーチは、当然のように。あれは、本当に凄いゲームだった。黒い月のエンディングを迎えられるのであれば、このお話でも深海の基地を壊し、宇宙にすら出られるはずだ。
宇宙の戦士も、また当然のように。戦場を越えて、戦士は強くなる。
マクロスFはこのお話より後で、実は一番近い感触。人類が未来を得るとしたら恐らく敵と和解するほか無く、悪意の無い攻撃と破壊を赦せるかどうかにかかっているのだろうかと。
並べてみると、一応皆おおよそはハッピーエンドなんだな。まあ、ゲームやアニメシリーズでは、なかなかそれ以外選択できないだろうけど。

最後に、本を読んで泣くのは年に2、3回なのだけれど、これは今年最初でした。
「日本の食堂では、食後の緑茶は無料なんだ」
こんなセリフ(意訳)に対しての反応で泣けるなんて、そうそうあることではないですよ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本虫師 1

2008/12/14 17:40

配慮すべき静かな隣人

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

髪型や服装からすると、大正あたりだろうか。まあ、現実世界という訳でもないから、時代を決める意味もないだろうけど。
「人間を筆頭とする物理世界と、自然の理とか集合無意識とでも言うような霊的世界を繋ぐ半精半生物の蟲に関わる蟲師であるギンコの旅の物語」結構壮大だよ、な。

良いなあ、と思ったのは、この文明化に突き進む現代社会に対する警鐘を感じさせる押しつけがましさがほとんど感じられないこと。個人レベルで、踏み込みすぎるとヤバイという話はあるけど、自然をないがしろにするといつかしっぺ返しを食らうぜ、というような説教臭さがない。
配慮すべき隣人という感じで、そのおかげで、蟲たちに俗っぽさが出ずに神秘を湛えていさせられたのではないかと思う。
気分良く心を遊ばせることの出来る、良い物語でございました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

配慮すべき静かな隣人

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

髪型や服装からすると、大正あたりだろうか。まあ、現実世界という訳でもないから、時代を決める意味もないだろうけど。
「人間を筆頭とする物理世界と、自然の理とか集合無意識とでも言うような霊的世界を繋ぐ半精半生物の蟲に関わる蟲師であるギンコの旅の物語」結構壮大だよ、な。

良いなあ、と思ったのは、この文明化に突き進む現代社会に対する警鐘を感じさせる押しつけがましさがほとんど感じられないこと。個人レベルで、踏み込みすぎるとヤバイという話はあるけど、自然をないがしろにするといつかしっぺ返しを食らうぜ、というような説教臭さがない。
配慮すべき隣人という感じで、そのおかげで、蟲たちに俗っぽさが出ずに神秘を湛えていさせられたのではないかと思う。
気分良く心を遊ばせることの出来る、良い物語でございました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。